2011年11月25日 (金)

クイズ番組の明日『WQC』

先日、11月23日水曜日に『WQC(World Quiz Crassic)頭脳の祭典!クイズ最強王者決定戦』という番組が、夜8時からの3時間スペシャルとしてTBSで放送された。
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基本的に自分はクイズ好きという事もあって楽しんで見る事が出来た。
でも異常なほど番組のハードルを上げて「すべてのクイズ番組は、この大会の序章に過ぎなかったのかもしれない」とキャッチコピーを掲げて、異常なほどの高級感とアスリート感満載って所が凄く不安だった。
自分はクイズというのは気楽な遊びだと思っているんだけど、出場者はそれぞれ人生を抱えているかのような盛り上げで登場して、「そこまでクイズに入れ込まなくても」とちょいと引いてしまうような感じもあった。
クイズをやるために時間が拘束される正業に就かずフリーターを選択した人、クイズをするために毎日何紙も新聞を読み生活の中心を知識を詰め込む為に使っている人、などなど。

この番組でも、他の場所でもよく聞くのが「最近は一般視聴者が参加するクイズ番組が激減して活躍の場がない」みたいな事。確かにふと思い返しても「アタック25」ぐらいかな? 昔は「ベルトクイズQ&Q」「アップダウンクイズ」「国盗りクイズ」「クイズハンター」等々、素人参加型のクイズ番組がやたらと多かったような気がする。
自分なんかはそれを子供の頃から見て育ってきたクチで、夏休みになると「小学生大会」とかがあって「いつか出場したいなぁ」と思いつつ大人になってしまったワケです。その時代にクイズ好き、そこから雑学的な物が好きになっていったのかも知れない。

で、今回のクイズ新時代を開くという番組。結果として平均視聴率は7.9%でTBSの思わくをグンと下回ってしまったらしい。特に番組出だしが3%スタートだったとか。
これに関しては番組編成の失敗だと思う。
なんせその日の裏番組がNHK『嵐の明日に架ける旅』日テレ『ザ!世界仰天ニュース』フジ『はねる×ホンマ!?×123合体』朝日『ナニコレ珍百景』とすべて7時台からの2時間以上番組ばっかり。8時にチャンネルを変える人は最初からこの番組を楽しみにしていた人ばかりという状態。そりゃ出だしが悪ければ、それは後まで響く。
そして8時台の比較的簡単な問題ではなく、途中からチャンネルを変えて来た人はいきなり後半戦の「アホじゃねえの」と思うような超難問から見始める事となるので「ワケ解らん」となってしまったのでは無いかと。

でもその中で出場者達はアスリートのように脳細胞を活性化させガンガンと闘い抜いていく。
と、いう部分が視聴者参加型クイズ番組を無くしていく原因なんだよなぁ
確かに超人的な頭脳というのは見ていて凄いんだけど、そう凄いと思う気持ちは持続しないと思う。
自分はこういう仕事をしているので最後まで面白く見ていたんだけど、一般的視聴者はどうなんだろ?と思ってしまう。
たとえば第二試合辺りの少しハードルが上がった難問で「もう難しすぎて全然答えられない」と思ってしまった人は、次の試合でさらに問題のハードルが上がった時、第二試合と第三試合で難易度が上がったのがあまり解らなくなる。出題している側は徐々に問題のグレードを上げているつもりなんだろうけれど、途中で「なんじゃそりゃ」と思ってしまった人にはそこから先の盛り上がり方が理解できなくなる。
例えば本当のスポーツ系アスリート番組だったら、単純に跳び箱の段数が増えた、距離が伸びたとか明確に凄さが判るんだけどクイズの場合はその差異が解りにくい。とにかく間違えずによく解らない事を即座に答えているというだけの展開。お茶の間はあんぐり状態だよ。

この手のクイズ番組を作りたいと思う制作者もハードなクイズオタクだと思うので「テレビを観ている人は一般的な感覚の持ち主」という部分が抜けちゃっているんじゃないかと思うわけです。
これは自分が雑学をラジオで喋っている時に一番注意している点。
長年雑学を扱っていると雑学ドランカーになってしまい「この雑学はみんな当然知っているよな」と思ってパスしようかと思ってしまうワケですが、とりあえず流れの中で入れてみると、そこが一番「そうなんスか?」と驚かれたりする。
それを5年間ラジオで1000回近く喋ってきて肌で感じるようになり、一般的な感覚を凄く重要視するようになってきた。
でもおそらく雑学が好きな人がそのラジオを聞くと「なに誰も知っているような当たり前の雑学喋ってんだよ、あんなのなら俺でも出来る」とか思われてしまうんだろうなぁ。
でも一般的な感覚が一番大切。

だから長く続いている『Qさま!』なんかでも「中学校の教科書に出てくる偉人たち」みたいな問題が出されて、答えが出ると「あ〜〜〜そんな名前だったぁ」という視聴者テレビ前参加型クイズ番組になっている。
そして今回のWQCには芸能人枠もあってジャルジャルの後藤とかカラテカ矢部とかも出場していて、ネット内では「芸能人が出てくる意味ないだろ」とか「緊迫感が薄れる」とか不評だったみたいだけど、実際には視聴率的にはその芸能人が出てリアクションする所が良かったりするんじゃないかと。
例えば『Qさま!』でも難解な問題に片寄り勝ちになっても、出演している芸能人は不正解でもリアクションが上手で盛り上げてくれる。
リアクションが取れない局アナが不正解して落ち込んでも、それを持ち上げたりネタにして「バラエティ番組」としての体裁を作り上げてくれる。
時々「この人、芸能人なの?」みたいなクイズ番組でしか見かけない「東京大学在学中のタレント」みたいな人がいるけれど、あれなんて事務所側がクイズ番組の為にスカウトした人なんじゃないかって感じもする。そして、その手の人はリアクションも上手じゃなくいつの間にかいなくなる。
クイズマニアの出演する番組はみんなマジすぎて、バラエティとしての面白みはどんどん無くなっていく。
超難易度の高いクイズも否定しないけど、あくまでもテレビで放映されるクイズ番組は「バラエティ」なので、クイズマニアの求めるクイズはテレビサイズでは持てあましちゃうんだと思う。

今回の「WQC」の第2回が存在するかどうかは今回の視聴率を考えると微妙なんだけど、純粋にムチャ凄いクイズ王の登場なんてのを視聴者は求めていないんじゃないかと思ったりする。

てな事を言いつつ、実は自分は読売新聞Webでクイズ連載をしている。
他にミリオネアに関わったりした過去もあるし.....
さらにiPhoneアプリで『知泉の雑学クイズ』というアプリを4本出していたって事まで、自分でもスッカリ忘れていた。

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2010年9月17日 (金)

ドラえもんのSF化

時代が徐々にリアルSFの世界に踏み込んでいる現代。色々と変なことになっている。


20100917ドラえもんの世界でもリアルタイムと同時進行で設定変化が起こっていて、ついにスネ夫の家に最新型の3Dテレビが導入された。
そして相変わらずのパターンとして、のび太だけが専用メガネを貸してもらえずに迫力の立体映像を楽しむことが出来ない→ドラえもんに泣きつく→もっと凄い物が出てくるという、定番中の定番「スネ夫の新しい物自慢」のバリエーションなのだ。
しかし、未来からやってきたネコ型ロボットの世界に普通に未来の電子機器が登場するってのはどうなんだろうか。

この漫画の連載が始まった70年代初期はまだ個人がコンピュータなんて所有する事は出来なかったし、個人がポケットの中に電話を持って出歩くなんて事も出来なかったし、テレビ番組を録画して別の時間に見るなんて出来なかったし、もう今の時代に当たり前だと思うことがかなりの頻度で出来なかった。
今、あの時代にいきなり放り出されたらどう生活したらいいのかと悩んでしまうほど、何も出来ないような気がする。そんな超アナログな時代に連載スタートしたから、未来の小道具はすべて夢に溢れていたハズ。
もちろん、どこでもドア、タケコプター、タイムマシン等々、そこに登場する物は現実的には存在していないけれど、なんかあの時代に感じた驚くべき夢の小道具ではなくなってしまっているような気がする。

リアルに存在している3Dテレビに対抗する、未来の3Dテレビ(メガネ)という小道具はなんか発想が遠くへ飛躍していない感じがしちゃって、自分が子供の頃に感じたワクワク感を今の子供達は感じられないんじゃないかなと思ってしまった。
そう言えば、ドラえもんの小道具で「自分の雑誌を作る」みたいな物があってワクワクしたけれど、それに近い事は普通に出来る時代なんだよなぁ。あれは内容も勝手に作ってくれたのでちょっと主旨は違うか。

サザエさんの家庭でも3Dテレビとか見始めたらいやだなぁ(あそこの家庭には未だにテレビゲームも導入されていないと思うけど)。

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2010年8月23日 (月)

それはオチでは?

月曜の夜「HEY HEY HEY」を見てて、そのままチャンネルを変えずに作業をしていると、嵐の松ジュンと竹内結子が主演の月9『夏の恋は虹色に輝く』が流れていた。


ドラマってヤツをほとんど見ていない人なので、これもちゃんと見ていない。
「HEY HEY HEY」からの流れで比較的多く、といっても数回チラっと見ている(同じような流れで「MUSCI STATION」の後の番組なんかも時々見る)。
で、今回、この番組の宣伝を異常なほど何度も何度も流されているのを見た。
主人公二人が座り込んだ状態でキスをしている場面だったんだけど、ちゃんと見ていなかったので「あぁ二人の関係はそこまで進んでいたんだね」と思っていたワケですが、今週その番組を見ていてびっくりしてしまった。

その番宣で何度も放送されていたそのシーンは、今週のクライマックスで、最後の最後のシーン。
色々あって、色々な理由で、そういう事になってしまったワケですが、その場面って今週のドラマを見てずっと気分を盛り上げて「あぁそうなっちゃうんだぁ」と気分を盛り上げる場面なのでは?
もうオチが最初から解っていて、その間を埋めるためのドラマを1時間見せられるというのは有りなのかなぁ

そう言えば数少ないドラマを見ていた経験の中で、北乃きいが主演していた『ライフ』というモノの宣伝も変だった。
校内でのあり得ないほど酷いイジメをされまくるという、悲惨なテーマを通りこして、どMテーマのドラマだったんだけど、宣伝では北乃きいが全校生徒の前で座り込み「謝れ謝れ」の大合唱を浴びているという、かなり酷い場面が何度も何度も放送されていた。
だからその週は「そこまで話が展開して、そのあと彼女はどんな事になるんだろうか、反撃に出るのかなぁ」とか色々と宣伝の場面以降の転換を想定しながら見ていたのだが、その場面になった途端に「来週に続く」とクレジットが出た。
えぇぇぇ? ずっと宣伝していた場面って、その週のクライマックス? その場面の後の展開って来週へ持ち越し?

確かに番組的には一番盛り上がる場面で、そこが衝撃的で宣伝に向いているってのは解りますが、脚本を書いた人もそれを宣伝に使われるとは思っていないだろうなぁ

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2009年5月 8日 (金)

『イブニングeye』シリスギ仙人デビュー!

今から2年ほど前、いきなり「ラジオでのレギュラー」という考えもしなかった仕事をスタートしてしまったワケですが、2年掛けてなんとか客観的に「ここはこうした方が」「こんな感じで」とか「原稿を読んでいるって感じではなく」とか、毎日放送後に脳内ミーティングを開催し細かく細かく修正してきた。
そのためか、少し前にディレクターからも「喋りが上手になった」とか褒められて「やるじゃん俺」と思っていました。
が、今日からまた一つステージを上げて努力しなくちゃなりません。


なんとラジオ以上にこれまで考えていなかった「テレビのレギュラー」が始まります。
レギュラーといっても、実質5分のコーナーなのですが、もう自分の中ではあり得ない展開です。
しかも悪い大人に騙されて、あり得ないコスチュームでの出演です。
平日の夕方4時45分から6時45分までSBS静岡放送で絶賛放送中の『イブニングeye』なのですが、自分が出演するのは毎週金曜日、だいたい5時20分ぐらいからのコーナー『ラブいぜ!しずおか』で、6月に静岡空港が開港するって事で県外、国外から静岡にやって来る方々に「ここが静岡で自慢できる場所」を教えるような雑学コーナーを担当しているのだ。

という事で昨日は第二回目放送用分って事で伊豆韮山・反射炉へロケへ行ってきたワケですが、その前の週に由比漁港で撮影した第1回放送が今日なのです。
ミノリンの教えてシリスギ仙人という事でシリスギ仙人に扮しての出演なのですが、実際のことを言うと現場でそのコスチュームを身につけた自分の姿はあまりにも恐ろしくてちゃんとチェックしていないのだ。
だから、今日の放送でどんな感じになっているのか?というのを初めて見ることとなる。
ということで放送をチェック
(中略)
え〜、なんと申しましょうか。自分ってあんな感じ?というのが正直な感想。
いや、違うんだあれは自分であって自分ではないのだ。とりあえず汚れ芸人としてワザとあんな感じでやっているのだ。と思わず一人で自己弁護をしてしまいそうな感じ。

う〜んと頭を抱えながら、テレビのスイッチを切って異常な喉の渇きを癒すために1階にある冷蔵庫へ...。とそこに母親が現れて一言「シリスギ仙人」と笑いながらいうのだ。
なぬー!とりあえずオマイさんは自分の息子は自分で付けた名前で呼びやがれ!

その後、テレビを観た友人の感想も「面白い」という事で、そうなのか…。
さらに、みのりんからの電話でも「局内でも、それ以外でも評判いいよ」との事。
僅かな希望として「あのコスチュームで雑学言っても意味ないから」というのを期待したのですが、どうもそんな声は一つもない。この先も続くのか…(現在のは暫定版なので数回後にはちゃんとした物に変わるのですが)
あと真面目な事を言うと、セリフはちゃんと言えているとは思うけど、やはりテレビ的にはもうちょっと抑揚をつけて言葉を明確にって感じですかね。ちょっとトーンが落ち着きすぎですな。

とりあえず利点は、ふだん街を歩いていても被り物をしていないとシリスギ仙人だとバレないって事っすかね。
みのりんと行動をしていて「大変だなぁ」と思うのは、ちょっと食事処に立ち寄ると「あ、小沼さんですよね」とすぐ声を掛けられること。みのりんにとってはもう日常になっているんだろうけれど、あれは大変だろうなあと思う。
その内「あれ?今日は被り物していないんですね」なんて声を掛けられるようになったら面倒臭いなぁ。などと取らぬ狸の皮算用をしつつ、杉村の苦渋の道はまだ続くのだ。

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2009年5月 7日 (木)

雨のロケ(韮山・反射炉にて)

まだ1回目の放送もされていない状態で2回目のロケ。しかも朝から雨が降り続いている。


2009050701この10年ほどで髪の毛が異常なほどの天然パーマが出てしまった私は、とにかく最大の弱点が湿気なのだ。
昔はただシャンプーするだけでサラッサラで手入れが楽だったり、サラサラすぎるのでちょっとパーマでもしようかなとか思うぐらいの髪の毛だった。
それが今やシャンプーした後に必死にセットしても、いつの間にか髪の毛がグリングリンの天パになってしまうのだ。ハッキリ言って、どうまとめたらいいのか自分ではまだ判断できない状態。
そんなこんなで、雨の日に外に出るのは非常に嫌なのだ。
そんな雨のロケ。

ロケした物が1回でも放送されていれば「ここをこうすべきだった」という反省点もあるのだろうが、まだ自分がどんな事になっているのかさえ客観的に見ることが出来ていないので、2回目のロケだが反省も何もないのだ。
とりあえず、先週の5月1日金曜日に「イブニングeye」の中で「来週からこんなコーナーが始まります」ということでチラッと自分の姿が紹介されたのですが....。
とりあえず現時点のかぶり物は(仮)って事になっているのですが、その下に着ている白衣がとにかくキツイのだ。自分のサイズはLなんだけど、あの白衣はM。こんなにタイトな白衣は普通着ないだろ、という感じなのだ。

2009050702しかも言い訳をさせてもらうと、あの被り物のアゴ部分に白いヒゲと下に続く杉の木の幹があるワケですが、それを胸で受け止めないと被り物がズレてきて前が見えなくなってしまうのだ。両手は常にシリスギ仙人の手を動かす棒を握っているので、手で被り物を固定する事が出来ない。つまり、被り物の下部分をずれないように固定するため、胸を少し反ったような感じで常にポーズを取らなくてはいけなくなっている。それをするためには胸を反らせなくてはいけないのだ。
その結果、ピッチピチの白衣&胸を反らすという事からオードリー春日のような状態となっていて、なんか白衣の胸から腹にかけて詰め物をしているんじゃないか?というぐらいに盛り上がってしまったのだ。
改良の余地ありですな(ピッチピチ白衣は次回からサイズが替わるらしいですが、今回はそのまま)。

そんなワケで、シリスギ仙人を演じている時はちょっと動いてもズレたりするので、動きがかなり制限されてしまう。被り物はオデコとアゴで支えているような感じなんですが、すぐズレてくるので要注意。
そんな事に気を回しながら、表面的には何も無いかのように「え〜ここはですね」などと解説をしているのだ。そりゃ、頭も真っ白になってセリフも飛ぶって。

と色々と言い訳をしつつ、今回は伊豆の国市韮山にある反射炉。あの江戸時代末期に国防のため大砲を作った施設です。
みのりん達は本社から1時間20分ほど掛けてやってきたのですが、自分は地元という事でマイカーを走らせて現地集合。
自分は地元って事と、普通に幕末期の小説やマンガを読んでいて色々な事を知っていたのですが、世間一般では反射炉ってのはあまり知られていないんですかね?
みのりんの両親はちゃんと知っていたそうですが、お姉様は「浜岡だけじゃなく、伊豆にもあったんだけ?」と驚いていたらしいです。ってそれは『原子炉』。

という事で、反射炉での撮影スタート。こんな雨の日ですが地元の小学生が社会科見学で訪れていて、それ以外にも団体じゃないお客さんもチラホラ。へぇ意外な感じにちゃんと観光スポットなんですな。
(追記:翌日第1回目の放送があったのですが、その時次週の予告ということで反射炉を説明する際にみのりんが「地味な場所なのですが」と紹介していた。いや、確かに地味ですが、それを言っちゃ……)
被り物をしているだけでも大変なのに、今回はさらに傘を差しての収録。もう色々演じながら考える事が多すぎて大変なんスから。
台本にあったセリフもその場で「ここはこう言った方が」などと微調節をしていく。とりあえず短いカットでの喋りを撮影していくので、大変ではないのですが。カメラを向けられハイッなどと言われると、ちょっと頭が白くなりかける事もまだある。

で、撮影に関しては事前にだいたい計画が練ってあるので順調に進んでいくのですが、最後に一番問題箇所が残っていた。
というのはオープニングのカットなのだ。
最初からみのりんとシリスギ仙人が並んで登場では面白くないので、毎回シリスギ仙人の登場には懲りましょうか?という事を決めている。
そのため、第1回放送の由比漁港ではオープニングでみのりんが由比漁港を歩きながら「あれ?シリスギ仙人は?」と探すと、名物のサクラエビかき揚げの店の開店を待って並んでいる人の中に何喰わぬ顔をして被り物をしたシリスギ仙人がいるという登場だった。

本当ならこの顔出し看板が…
2009050703実は、この韮山の反射炉には入口手前に顔出し看板がいつもは置いてあるのです。観光地なんかにある奴で、ここには反射炉を作った江川太郎左衛門の顔出し看板があった。
だから、みのりんが「あ!」と顔出し看板にハマっている杉村を見つけた直後「今日は反射炉です」とシリスギ仙人の被り物をしている杉村が横から顔を出す、という事を計画していたんですが…、なんと本日は「雨天により顔出し看板は撤去」という事で予定がすっかり狂ってしまったのだ。さてどうしよう…という事で、その場で考えたさらに意外な登場をしていますので、これはテレビを観てのお楽しみです。

ロケが終わった後、来週以降の打合せという事でカメラクルーとは別行動となり、自分はみのりんを車にのせて136号にあるCOCO'Sへ移動。
この企画があまりにも急発進した物だったため(だから被り物が間に合わなかったワケですが)、来週の撮影に関してまだ原稿がカチッと出来ていない。さらに撮影場所に撮影許可を得ていないという、思いっきり綱渡り状態になっているのだ。
だから、これからを考えて、2週間前に原稿を完成させて色々なアポを取って…、という事で色々と打合せをした。

こりゃ大変だなと思ってしまったのが「テレビ的」という事、そして「ラブい静岡」をアピールするという事。
例えば「国産ピアノは100%静岡産」という雑学がありますが、それはそれで凄い事なんですが、それ以降の広がりがあるか? ピアノの雑学はあるけれど、それは静岡とはまったく関係ないので、そんな雑学を自慢げに話しても「静岡、ラブいぜ!」とオチないのでどうしたらいいのか?という事なのだ。
凄いけれどただの観光案内になってもしょうがないとか。
今まで、ラジオで喋る時は例えばそのテーマで1回分を組み立て始めたのはいいけど、イマイチまとまらないので「じゃ、没」という事で別のテーマにすることも出来たのですが、今回はテーマありきで雑学的に、しかも静岡寄りで組み立てて行かなくちゃいけないのだ。

なんというか、縛りが多すぎるっす。
まだ、様子見って事でやさしい気持ちで見て下さい。

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2009年4月29日 (水)

初ロケ(由比漁港にて)

晴天!


ということで本日、4月29日が私にとっての初めてのロケとなりました。まさか自分の人生の中に『ロケ』なんて言葉が登場してくるとは思ってもいませんでした。
ロケってのはロケーション(location)の略で、本来は位置とか所在地などを意味する英語で、住宅やホテルなんかの建っている場所が風光明媚だとかを説明する際に『ロケーションも良く』などと出てくる言葉なのだ。
テレビや映画なんかのロケという言葉は、そこから派生したモノで「スタジオ外の場所に出かけその場所で撮影する」という意味合いなのだ。
コンピュータ用語でも、ディレクトリー位置なんかもロケーションと言う。
そんなこんなで、たった今辞書などで調べたドロナワ知識を「〜なのである」とあたかも以前から知っていたかのように喋る私がテレビ進出なのですよ。さて困った。

それにしても、良い天気。先日の日曜日なんかは日本各地を暴風が吹き荒れて!とか、昨日も局地的に大雨が!とか言っていたので心配していたのですが、それも杞憂に終わったのだ。
静岡駅に8時半という事で、8時24分着の新幹線で駅に降り立つと改札口でオレンジの眩しいサマーコートを着たみのりんが出迎えてくれた。SBSで一番忙しいんじゃないかという売れっ子女子アナ小沼みのりさんに迎えてもらえるとは感謝でやんす。

本日は「昭和の日」といういまいちピンと来ない祝日という事で、それなりに車も多いわけですが、それでも順調に目的地の由比漁港に辿り着く。(由比漁港といえば、話題はアレですが、とりあえず伏せる)
そして、そこで初めて「シリスギ仙人」というキャラクターの衣装を見せてもらう。
ハッキリ言って、打合せで見せて貰うのならば「ここはちょっとこうした方が」という注文やダメ出しが出来たと思うんですが、現場でいきなりなので何も言えず。与えられたモノをそのまんま。いや、もう腹は括っています、はい。
それでも、それを装着した(着るではなく)自分の姿をちょっとチェックすると「これでいいのか?」というクエスチョンマークが…。
「杉村さん、いいじゃない!」とみのりん。売れっ子女子アナだけあっておだてが上手でどこまで信用していいのか不明だが「この先はもう、自分の姿をチェックしない」と決めた。

さらに衣装として白衣を渡されたのですが、サイズがM。自分は基本的にサイズLなのでピッチピチ。なんとかボタンをとめる事は出来るのですが、身長からしたらMは無いと思うんだよなぁ
しかも、かぶり物のアゴ部分が出っ張っているのでアゴを常に上げたような状態。いわゆるオードリー春日に近い状態になってしまい、それによって胸からお腹を前に突き出したかのような姿勢に成らざるを得ないわけです。ピッチピチの白衣を着て。
とりあえず本日のシリスギ仙人は急場しのぎVer.で、現在本格的なかぶり物を発注している最中だそうで(コーナー企画がいきなり立ち上がったのがよく解るエピソードですが)、現在は観光地にある顔出しパネルのような感じ。実に動きにくい。そして本日、風が無くて良かったと思う。この先、シリスギ仙人のプロフィールには「弱点:風」となってしまうのではないかと。

ちょっと精神的にスタートからグッタリした部分もあったわけですが、まず最初に番組内で「シリスギ仙人に扮する杉村とはどんな人」という説明のためのカット撮影。シリスギ仙人ではなく、素の杉村としてこれまでに出した本なんかを手にポーズをとる。
というシーンを湾の漁船停泊地の隅っこで撮影したのですが、実は極度の高所恐怖症なので、普通の人でも別段恐くないと思われる場所でも、岸ギリギリに立つって事でもビビってしまうのだ。ちょいと引きつりながら撮影。かぶり物で恥ずかしいってのより、高所がNGなのだ。
などとここに書くと意図的に高い処での撮影を入れてきそうな気もするが、みのりんと広告代理店Gさんは船がNGという話も聞いたので「もし高い場所の撮影を無理矢理入れたら、船での撮影入れるからね」という事なのだ。(と言いつつ、高い場所での撮影予定を自分で入れているんだよなぁ…、某所の説明でしょうがなく)

その由比漁港名物のお店は10時開店なのですが9時半にはすでに長蛇の列。
さっそくそこを使って撮影開始。
静岡県外からのお客さんも多いのですが、静岡県人にはみのりんは人気者で「写真いいですか?」みたいな声がかかる。その後でポツンとわけの解らないかぶり物をした自分は佇んでいるわけです。
今までラジオだけで顔が知られていない上、今回が初ロケなのでシリスギ仙人というキャラも誰も知らない。ただの「変な人」という扱いなのかもしれない、あるいは芸人と見られたのかもしれない「でもあの芸人、面白くない」という印象だったかもしれない。まだ色々な道は険しいのだ。って芸人は目指していないっす。

実は、このコーナーではみのりんも、Web展開している『ラブいぜ!しずおか』の中に出てくる女の子ミノリンの服を着て、頭にもデッカイ花を付けて…と派手な恰好をする予定で、みのりん本人も色々アイディアを出していたのですが、番組上層部から「小沼みのりは番組の顔で、堅い真面目なニュースを読むので変な芸人臭を付けちゃダメ」とダメ出しされ、普通の服装になってしまったのです。「せめて髪の毛に花でも」というみのりんの提案も「ダメッ!」となったワケですが「その代わりにシリスギ仙人はなんでもあり」という事だそうで。
だから芸人じゃないってば。
でも、この現場に来て撮影が進んで思うのは「二人とも突拍子無い服装だったら、かなり痛いコーナーになったかも知れない」という事なのだ。痛いのは私一人で結構。

その後も撮影は階調に進み、あっちに行って撮影、こっちに行って撮影。
基本的な原稿は自分が書いているのですが、それをさらにみのりんがテレビ的にカット割りや後でナレーションを被せる事を考慮して手を加えたモノを渡され、丸暗記して喋る。
ラジオでは原稿はあるんですが、その都度、書き言葉と喋り言葉で微調節しつつ、スタジオの展開に合わせて順番を変えたりそれなりにアドリブを加えるんですが、今回の番組はコーナー時間も色々含めて5分という事なので(半日ロケで5分ってのもやはり凄いよなぁ)、台本はビシッと厳守でいくのだ。

ちなみに『ラブいぜ!しずおか』はこの先、色々な展開をしていく予定なのですが、その一貫のノベルティとして『限定うまい棒』を制作して、本日撮影に協力してくれた方々にお渡ししました。
非売品なのでかなり貴重品。で「限定品って味は静岡がらみで、ワサビかなぁ、温州ミカンかなぁ、ウナギかなぁ」とか言っていたのですが、味は残念ながらフツーの野菜サラダ味でした。パッケージを作るのはすぐ出来るんですが、味まで作るとなったら大騒ぎになるので、残念ながら。

その後、漁港近くにある大衆食堂「おふくろ亭」へ移動して最後の撮影となった。
本当はそこで二人で美味しそうに食事をしてニッコリという観光案内を含めたコーナーの終わり方の定番を撮影しようとした処で問題が発生してしまったのだ。
シリスギ仙人の恰好をした自分は、その状態では食事が出来ないという事が判明してしまった。その結果、ラストカットはみのりんが一口食べて「おいし〜い」と言いつつ、最後にカメラに向かって番組の決め言葉「ラブいぜ!」と決めるとなった。
その時シリスギ仙人は何をしているかというと、隣の席に座って意味不明にニッコリ笑いながらみのりんの話を聞いているという事になってしまった。なんか挙動不審のかぶり物男なのだ。
あとは編集作業でどんな事になっているかを祈るしかないのだ。
もしかしてCG処理で、その場にいない人になっていたらどうしよう。

その後、来週分の打合せをして、ついでにそこから2時に電話でラジオ出演をする。本日は「イブニングeye」の中で放送するコーナーの撮影という事もあったので、その番組内でも放送されている「ヤン坊マー坊天気予報」をテーマにしての話。途中「実はとなりにみのりんもいるんですよ」と言うことでチラッと出演してもらったのですが、みのりんはテレビでのニュースキャスターの時と、ラジオのパーソナリティの時とキャラをキッチリ使い分けているということで「いきなりだったのでテンションを上げきれずに、テレビ用の喋りをしてしまった」との事。
そういう意味では、杉村もテレビの時はもうちょっとハッチャケた方がいいか?などと思っているのだが、どうやらいつものキャラの方がイジリがいあるらしい。
それでいいのか?

その後、みのりんは3時までに局へ戻る(夕方6時台からの「イブニングeye」に毎日出ているので)との事だったので、自分もまだ放送している「らぶらじ」のスタジオに顔を出そうかな…、と思っていたのですが初ロケ&太陽光線にやられて、体力的にグッタリしてしまったので「静岡駅で降ろして下さい」という事で、そこで本日の仕事終了となった。
いや、マジにこれからの急務は『体力をつけるのだ』という事かもしれない。机上の青白い雑学野郎は卒業なのだ。とりあえず静岡県内だけでも「実際に行った見た触れた」という事でいくのだ。
とりあえず5月1日「SBSイブニングeye」の5時20分頃で『来週からこんなコーナー始まります』という説明があり、本日撮影分は5月8日同時刻に放送なのだ。
(本日のブログの画像は後にアップするかもしれませんが、自分はイッパイイッパイで写真撮影をほとんどしてなかったっす)

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2009年4月28日 (火)

テレビ的な雑学とは?

この2年間ラジオで雑学を語り続けて解った事は「メディアによって相応しい雑学というものがある」という事なのだ。


2009042801メルマガで10年間(その前のパソ通時代を含めると15年以上)雑学周辺をウロウロして、それなりに受けているという実感の元、多くの雑学を書き散らしてきた。
その中で、徐々に自分に合った書き方を模索して、ある程度カタチになったなぁという処で「トリビアブーム」に巻き込まれ、ほぼ同時に単行本『知泉』を2冊連続で発行し、その後色々な事や、様々な事や、悲喜交々な事が起こったり巻き込まれたりしながら、雑学者生活を続けてきた。
おそらくその時点で「自分のスタイルは完成した」と思っていたワケですよ。雑学の紹介の仕方はそれが最良だと。

しかし、その勢いでラジオの仕事を始めると、それまで積み上げてきたモノが必ずしも完璧ではないという事に気が付いた。ラジオのリスナー、しかも真っ昼間の番組という事で、ネタのジャンル制限、内容制限という壁を感じたのだ。
自分が面白いと思っていた部分が「面倒くさい話」なので使えない。さらに普通に昼間ラジオを聞いてくれている人には興味ないジャンル、たとえばビートルズの話題は大丈夫だけど、ローリングストーンズの話題はちょっと…、手塚治虫の話題は大丈夫だけど、細野不二彦はちょっとね、とか。

2009042802あとラジオは言葉だけなので漢字の話題とかも弱い。あと数字に関する雑学も凄く難しい。
やはり文字で読むような感覚と違うという事を痛感しているのだ。
ついでにラジオは片手間に聞いている部分もあるので、小難しいネタなんかはパスって事になってしまう。
しかし2年間やって来て大体の感覚は掴めたと思っている。

でもって今回のテレビの仕事なのだ。
これがまた新たな悩み山積みで、今までダメだった漢字などに関した雑学は逆に使えるようになった。画像があるってのは本当に便利なのだ「ではこの2つを見比べてみましょう」と現物を出せばそれで全てを理解させる事ができるのだ。あと「無茶苦茶デカイ!」というモノだったら、画像で提示するだけで説明はあんまりいらない。
が、今度はその画像というのがネックになってくる。つまり、何も考えずに雑学的に面白いからと適当に取り上げても「画面が地味」という部分で、ちょっとテレビ的にどうなのよ。という展開になってしまうのだ。

2009042803そういうワケで、今回の「SBSイブニングeye」の金曜日『ラブいぜ!しずおか』での取材先を自分が選ぶことになっているのですが、なかなかネタ的には「世界一なんですよ!」とか「実はこれ日本初だったんですよ!」と言葉では静岡県を大いに自慢できるネタなのに、どうしても「絵的に地味」だと困ってしまうワケですよ。どうやって画像として盛り上げようかと。
単純に「雑学」って事で、どこで発表しても同じように見えて、メディアによって切り口を変えて行かなくてはイケナイってのは難しいと、痛感している。
そんなこんなで、メディアに出ていない時に直接対面した相手に「ほほう」と思われる雑学というのも、またひと味違ってくるのかもしれない。

2009042804原稿を読むんじゃなく、暗記しているモノをサラッと言えるってだけで感心される事もある。これはちょっと雑学の本質とはズレていくかもしれないけれど、例えば子供の頃「東海道線の駅名」とか「円周率」とか「歴代天皇」とかをスラスラ言えるだけで「凄いジャン」となる。
例えば、自分がいま資料を見ずに書ける暗記物としては
「サラブレッドとよばれる血統書が付けられている馬のルーツを辿っていくと3頭の馬のどれかに辿り着く、その馬とは「ダーレーアラビアン」「ゴドルフィンアラビアン」「バイアリーターク」の3頭」
というネタで、この3頭の名前をすらっと言えるだけで「へえ」と感心してもらえる。(んじゃないかと)
ネタ的には「サラブレッドは3頭の血統に辿り着く」というのは、定番雑学なんですけどね。
あと日付なんかも付け加えると雑学の信用性が増し、こいつ出来るという印象が加わる。
でも危険なのは「その場で確認出来ないのでウソなのかどうか解らない」という部分があって、適当カマしている人もいたりするって事なのだ。

2009042805_2中には「数字を言うと信用する」とばかりに実際は覚えていないのに適当に飛ばして語っている人もいると思う。(基本となる部分も適当でって人もいるけど)
実際に適当カマしている人に遭遇した事もあるけど、そう言う時は訂正していいのかどうかを悩んでしまう。
適当カマしているって状態じゃなくても、他人が語った話題を訂正するのは勇気がいる。
先日も打合せで「ガッツポーズというのはガッツ石松が」とチラッと話題に出た時に、ついつい「実は…」という事を言い始め、その語っている最中に「ワザワザ必死にその説明しなくても」という部分が脳裏をよぎりはじめ、途中で気持ちが軽く折れてしまった事もあったりしたワケで。

2009042806そんなこんなで「雑学」という事だけで、色々と考えてしまいつつ、テレビで見て面白い雑学を探究し続けるのであった。

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2009年4月22日 (水)

ゆるキャラと、ばらちらしと、おいちゃんと私、の一番長い日

200904220213日の雑記で書いた進行中の新聞&Web、そしてテレビでの企画なんですが、本日、最終的な感じの打合せで静岡まで行ってきました。
三島駅から静岡行きの新幹線に乗る時、ちゃんと「静岡駅止まり」というのを確認してから並んだのに途中で不安になって「もう一度時刻表を確認して…」と再確認しに行ってしまった私であります。
で、本日の打合せは静岡新聞社で行うのではなく、駿府城にちょっと近い場所で。
静岡新聞社の担当さんから「本日予定の関係で伺う事が出来ませんので、杉村さんよろしくお願いします」とのメールを貰っていて「なんてこった」と思いつつひとりでトボトボと駅から歩いて伺う。


2009042211ちょっと早く付いたので、去年の夏にイベントをやった『新静岡センター』が取り壊されている現場を見学。昭和30年代の一番建造物のデザインがシャープで機能的だった頃の建物が壊され始めているのだ。ちょっとしんみり。
予定時刻の2分ほど前に到着し、打合せを…と思っていたら「もう少ししたら小沼さんも来ますので」とのお話。あ、一人じゃ無かったんだ、と一安心なのだ。考えてみれば、今日の打合せはテレビの話がメインなので、新聞社は関係なく、小沼みのりんが一番深く絡むのでメインはそっちだよなと納得。
その打合せでは「この企画の事はどのタイミングでラジオやブログなんかで発表しちゃっていいんスかね?」という話になり「あ、別にもう発表しちゃっていいっすよ」という返事をいただきました。
という事でやっと正式発表しちゃいます。

この春から始まった静岡放送の夕方の情報&報道番組『SBSイブニングeye』の中で、5時台に毎日レポートコーナーなどがあるのですが、金曜日は小沼みのりんがメインキャスターとして全編仕切るという事から「何か目玉になる企画を!」という事でアイディアを練っていたのです(本当は番組開始当初から始まらなくてはいけなかったのかもしれませんが)。で、自分の知らない処で杉村を使って「テレビ版うんちく劇場」というワケではないのですが、何か出来たら…と思っていたそうです。
と、いう話と別に3月から静岡新聞社が「静岡を知ろうキャンペーン」としてWeb連動の企画を立ち上げ、それに杉村が執筆者としてあげられていたのです。
つまり、その2つの企画、どっちも杉村が知らない処で動き始め、杉村が参加するという前提で進んでいたワケです。

2009042212忘れもしない3月13日、私の誕生日なのですがこの日に、ラジオ「らぶらじ」のディレクターがメールで『静岡新聞社が、紙面を使った広告のお仕事を杉村さんにお願いしたいとの事です』という、やけにあっさりした仕事依頼を受けたのです。
こっちも、時々新聞の下3分の1ぐらいを使った自社広告みたいなのがあるのでそんな感じのモノかな?ぐらいに思って、かなり軽く「いいっすよ」と仕事を受けたのです。それが、今に繋がるどでかい誕生日プレゼントになるとは思ってもいませんでした。
次第にそれが1回限りのモノではなく、新聞紙面とWebを連動させて、1年をかけて続ける「静岡をもっと知ろうキャンペーン、もっと自慢しちゃおうキャンペーン」というモノだと言う事が解ってきて「こりゃいい加減な気持ちじゃいかんぞ」と思ったワケです。

初めての打合せが3月23日(月曜)で、いわゆるプロの現場という緊張感を味わったのです。そしてその高揚感のまま、いつもは電話出演している「らぶらじ」に生出演する事になり、その直前の昼食で前回の雑記に書いたように、自分が「新聞社企画の打合せをしてきた」という話をし、みのりんが「イブニングeyeの企画を現在考えている最中で」という話をしたのです。
その後は、コツコツとWebに掲載する文章などを書きつつ日々を過ごしていたのですが、前回の雑記にも書きましたが、4月8日に「来週の月曜日に打合せがありますから来て下さい」とメールを貰い、そこに「小沼みのり」という名前が書かれているのを発見し「これは…」と企画がコラボしていった事を知ったのです。
スタートラインからそうですが、まったくもって杉村が知らない処でどんどん話が進んでいるワケです。
という事で、やっと本題に入れますがこれが今までの経緯。

現時点で一番大きな話として、5月から「SBSイブニングeye」の中で『ラブいぜ!しずおか』というコーナーが始まります。
6月に静岡空港が開港するという事で、県外だけではなく海外からも直接静岡にやって来るお客様を迎え入れるために「こんなに静岡は凄いんだよ、素晴らしいんだよ」という事を自慢するという事で「静岡県人も意外と知らない静岡」を紹介する趣旨のコーナーなのです。
まさか静岡空港なんていうデッカイ話題に間接的にでも自分が関わるとは思ってもいなかった。

でも「静岡の名産自慢・名所自慢」みたいなモノはこれまでテレビやラジオや新聞などでやり尽くしたので、それだけじゃ面白くない。自分じゃなくてもいいじゃん、と思うワケです。
そのために、それをちょっとズラした観点から雑学を披露するという事を考えています。ちょっとハードル上げすぎで、棒高跳びレベルのハードルがいくつも並んでいるように見えてしまうのですが、やりがいはあると思っています。
単行本『静岡県の雑学』でもやった手法なのですが、静岡テーマの雑学のように見えて、ちょっとズラしていくというのは、話の広がりを創る意味ではありだと思っています。

最初、本日の22日は直前の台本を煮詰める作業で、明日の23日に初ロケに出かけ、1週間後の金曜日5月1日からスタートとなっていたのですが、諸事情で5月1日はコーナー内で企画意図の紹介「来週から始まりますので、乞御期待!」という告知になるそうです。
初ロケは29日で、初放送は5月8日だそうです。
現場に小沼みのりんと杉村がロケに出向き、そこで「○○について教えて!」「実はね○○は…」と会話をするワケですが、その台本原稿も杉村が書くので、これも毎週の仕事として忙しくなるのだ。つまり月〜木曜はラジオ、金曜はテレビという事です。
しかし、現在どうなるのか…という最大の懸念が「杉村はシリスギ仙人というキャラに変身する」というとんでもない設定があるのだ。

2009042201一番最初の「静岡新聞とWebの連動企画」としてあったのが『なるほ道場 ラブいぜ!しずおか』というモノで、アニメで書かれた「なるほ島」にある「なるほどの塔・五名答」に納められた書物を書いた何でも知っている「一本杉のシリスギ仙人」というキャラ。
このシリスギ仙人が書いたとされる書物を書くのが自分の担当だったワケです。つまり、シリスギ仙人というペンネームで原稿を書いているような状態。
それがテレビ連動の企画となった処で変な事になって「その番組でうんちくを喋るのも当然シリスギ仙人だよね」という事から、自分がテレビに出る時には「シリスギ仙人」というキャラのコスプレをする事になってしまったのです。

2009042204で、そのコスプレの話は前回の打合せでも出ていたのですが、その時からマジっすかという状態だった。コスプレというより「ゆるキャラ」なのだ。
今日の打合せでも、まだ現物は出来ていないけど完成予想図や粘土製のミニチュアなどを見せられ、絶句……………。
その数秒、私の頭の中にはこれまでの人生の楽しかった事や苦しかった事が走馬燈のように巡り、あぁあそこでこうやればよかったという自責の念や、あんな事でも振り返ってみればささやかな幸せだったのだなぁとキュっと胸が締め付けられるような想いがグルグルと…。あぁ私はこんな事をするタメに生まれてきたのだっけかなぁ。この2年間の努力が結実する着地点はこんな処だったのかなぁ、と深く深く考え込んでしまったのだ。
そんな苦悩も「杉村さんおいしいじゃん」の一言でサラっと流されて「決定稿」となってしまったのだ。いや自分は名刺にもとりあえず刷っているように「雑学系ライター」という肩書きなんですが…。
でも、これも人生だ。もっとこの先努力して、色々有名になった時に「杉村さんもデビュー時にはこんなカッコしていたんですよね」「うわぁ辞めてくれよお」と嫌がってみせるための壮大なる前振りって事でガンバルのだ。
色々細かい打合せをして「てことは、放送までに台本をガシガシと書かなくちゃいけないのだ」という裏方的な真面目な作業をする話も出た。この台本を書く作業と、演者としての仕事が同時進行ってのも大変なのだ。

2009042203打合せ後に吉野寿司という店で昼食となったのですが、そこの「ばらちらし寿司」が絶品!普段、食に関して淡泊な自分ですが「あぁこういう食べ物は本気で幸せな気分になるなぁ」と思いつつ「でも毎日食べていたら人間としてダメになるかも知れない」などとも思ってしまったのだ。基本的にストイックが信条なので。
と言いつつ、この先『ラブいぜ!しずおか』のロケ先などは基本的に自分が決める事になるので「やっぱ、旬の美味しいモノを食べるロケがいいよなぁ」などと考えたりもしているワケです。
奥の座敷席に座った処でお店の方が小沼さんを見るなり「あらっ!まぁぁぁぁ」と驚きつつ、パァァと顔の表情がほころび「いつもテレビで見てます」と感激の声を上げる。あぁこれが有名人を見た時の反応ってやつかぁ「えっと第一テレビですよね」「いえSBS静岡放送です」という会話がありつつ「あらごめんなさい、野路さんと一緒に出てらっしゃる」「はいSBS静岡放送です」という応対が続く。やはりテレビに出るって事は色々と顔がばれてしまうって事で大変なのだなぁと思うのだ。
でもって、昼食終了後、みのりんが1時40分までにSBSに戻ってニュース読みのスタンバイがあるという事で一緒に局へ。

2009042213自分がラジオのスタジオに向かった時、すでに番組は始まっていたのですが、なんかいつもとスタジオの雰囲気が違っていて、番組に関係ない人がまばらにいて、ザワザワしている。いつもはスタジオの外に人がいても2人程度なのに、今日は10数人が無意味に立ち話をしていた。
実はこの日「らぶらじ」にはゲストが2組来るという事になっていて、まず1組目が映画『BABY BABY BABY!』のプロモーションとして観月ありささん&山本ひかるさん。そして2人組目として9月に行うイベント「秋なのにサマーピクニック」のプロモーションで南こうせつさんが来るという事になっていて、スタジオ周辺に直接番組に関係ない人が物見遊山でザワザワと集結していたのだ。

2009042205_2観月さん一行は1時40分頃からのコーナーに出演ということで、自分がスタジオ入りした直後にやってきたのですが、テレビで見ても「スタイルいいなぁ」とか思っていたけれど、実物はもう形容しようがないほど「人類として別ジャンル」という感じですな。
スタイルとか、顔の小ささとか、ハッキリと「芸能人オーラ」というモノを感じましたよ。
と、スタジオに入ってトークを始めた時、ふと後を振り返ると「こんなにここ人間が入れるんだ」と思うほど更に人が溢れ、スタジオの外は人だかりになっていました。全部で60人以上はいたかな?
テレビ局、ラジオ局、新聞社が1つになっている建物で「オマイら、とりあえずマスコミ側の人間だろ、そんなにがっつくな!」とか思ったけれど、実際に観月ありさという人物を見ると「いや、眼福眼福」という感じでした。
おそらく事務系の仕事をしていると思われるような若いお姉ちゃん達が大挙してやって来ていた。
ついでに「日本一絡みずらいアナウンサー」とSMAP中居君に命名された牧野克彦アナもいた「いやぁ見学者の数、凄いっすねぇ」アンタもその要因ですがな。

2009042206で、そのごった返している最中にもう一人のゲスト、南こうせつオイチャンがスタジオ登場。自分の世代だと南こうせつさんはオールナイトニッポン木曜日パーソナリティで愛称「オイチャン」でやんす。
おそらくオイチャンはスタジオに到着した時にビックリしたと思う。
なんせ自動ドアが開いた時、そのフロアには明らかに出演者じゃない普通のスタッフがひしめき合っていたワケで(当然オイチャンはその時点では観月ありさ目当てだと知らない)。しかもその人々がオイチャンが入ってきた瞬間「アッ南こうせつ!」と驚き、モーゼの十戒のごとくザザザッと左右に分かれて奥にある控え室までの道を開いたのだ。さらに何故か拍手がわき起こり、なんだかよく解らないけど「いやどーもどーも」と大歓迎の中を通り抜ける事となったのだ。
オイチャンもビックリしただろうなぁ

2009042207観月ありささん&山本ひかるさんはもの凄いオーラ&もの凄いスタッフのガードもあって、近寄る事も出来ませんでしたが(とりあえず3m程度の距離まで)そのプロモーションが終わりスタジオ出てきた。
そこに丁度打合せを終えて出てきたオイチャンとバッタリ遭遇。観月さんがオイチャンを発見して「あっ」と手を振って近寄っていった。
ちらと聞こえたのは、オイチャンが「もう8年ぶりぐらいかなぁ」という事で、なんかよく解らないけど観月さんと握手をして、しばらくその手を離さないまま喋っていたという事。オイチャン…。
オイチャンは普通にしていてもそんなに大きくない人なんだけど、観月さんと向かい合っちゃうとその対比が凄いっす。というか、オイチャンと観月さんが立ち話をしている現場って凄いなぁ。
ニュースを挟んだ次のコーナーで自分が出演する「うんちく劇場」という事で、慌ててスタジオ入り。
で、さっきまで観月さんが座っていた椅子に座るという栄誉を頂きまして(って別に意図的に座ったワケではなく、毎回そこに座るんですが)、なんとなく残り香を感じながら2時からのコーナーをスタートさせたワケです。

2009042208コーナー冒頭のアドリブで会話をする処で観月さんのオーラについて語った後で「でも自分の世代では南こうせつさん、オイチャンはオールナイトニッポン木曜日っすよね。あの放送が確か1975年ぐらいからで中学生の自分は頑張ってラジオ聞いていましたよ。自分がラジオに生まれて初めてハガキを書いたのがこうせつさんの番組でしたから。かぐや姫解散後、初のソロシングルを出したのは忘れもしない1976年2月10日、その日に買いに行きましたよ「今日は雨」を」などとちょっと熱く語ってしまいました。
この辺はウソ偽りなく、当時は水曜がイルカさん、木曜が南こうせつさん、って感じで。(その後水曜日にタモリさんが登場するワケですが)ついでに当時、南こうせつさんのオールナイトニッポンには見習い小坊主みたいなデビュー直前の青年が出演していて、毎週生ギター一本で歌う「裸一貫ギターで勝負」というコーナーを担当していた。そのコーナーの間はこうせつさんはトイレタイムとか言っていましたが、その青年が長渕剛だったワケです。
実は、アドリブでこうせつさんの事を語っている時、ふと顔を上げるとブースの向こうで南こうせつさんがその話を聞いていたのだ。うひー!
そんなこんなでその後は「弘法大師」というテーマでいつものように語りコーナーを終了させた。

2009042209その直後、南こうせつさんがスタジオ入りして、今年の9月20日に嬬恋で開催するイベントの話題で「サマーピクニックって以前やっていたイベントを復活させるんだけど、もう自分もファンも若くないので本当にサマーに開催するとバタバタと倒れる恐れがあるので、サマーピクニックという名前なのに9月にやります」という話をしていた。
が、冒頭で「さっきのうんちくのコーナー面白いねぇ」ということから「あのファーストシングル『今日は雨』ってのは、へそ曲がりなので絶対売れないような曲ってことで重い曲にしたんだよねぇ、でも発売日に買ってくれたなんで嬉しいねぇ」などと、自分が振った話を展開してくれていた。なんつーか感激っす。

さらにてつさんが「奥さんに、今日ゲストでこうせつさんが来るって話をしたら『かぐや姫foever』というアルバムが大好きで、中学の頃、将来南こうせつさんと結婚するんだって思っていた」なんて話をしていました」なんて事で異常に盛り上がり、その勢いで「じゃ1曲」という事でかぐや姫の名曲「加茂の流れに」を歌い始めたのだ。うひーッ生加茂だ。ハッキリいって鳥肌がぞぞぞぞーっと立ってしまいました。自分の世代だと、本当に中学時代、ギターを弾き始めた時の憧れの人っすからね。

2009042210もちろん「加茂の流れに」も練習した曲で、あのイントロをいかに一人で再現するかという事に必死になってました。
でもって、途中の「あれは…初めての恋…」の処でてつさんがハモりを入れたのだ。内心、チェっ羨ましいぜ!と思った瞬間、特等席でスタジオ内を見ていた自分の背後から「あれは…初めての…恋…」というハモりの大合唱が。
ビックリして振り返ると、さきほどの観月さんを見るために集まった人々とは明らかに年齢層が違う50〜40代の人々がギッシリと観覧していたのだ。やはりかぐや姫世代は根強いのだと実感。でもって「加茂の流れ」を聞く時は当然のようにあのハモり部分は参加するというのが礼儀なのだなぁ。
オイチャンの出演コーナーが終わり、スタジオから出てきた処を思わず出迎えてしまい「感激しました」とどうしようもない程ド素人になって、他に上手く何を喋ればいいのか解らない状態で、さっきスタジオでも言った「オールナイトニッポンの頃から聞いていました」などとリピートしてしまうのだ。
そしてたまたま持っていた過去の「うんちく劇場」をまとめた小冊子を2種類渡して「これ読んで下さい」などと渡すのだ。まじにアホな田舎の中学生に戻ってしまった感じなのだ。痛い痛い。
しかし、こうせつオイチャンは「いやあさっきの弘法大師のうんちくオモシロかったよぉ」などとあのハイトーンボイスで言ってくれるのだ。うひー!

でもって「記念に写真でも撮ろうか」という事を言い出してくれて、スタッフ一同で記念写真を撮ってくれたり、ラジオなどのキャラどおりに気さくなオッチャンという感じで、いやあ「今日、来てよかったぁぁぁ」なのだ。
番組スタッフも「今まで来てくれたゲストの中でも最高にいい人だよね」という事で「あんまり南こうせつさんって知らなかったけどファンになったぁ」と言う方もいたほど。
そんなこんなで午前中の「よっしゃ頑張ってゆるキャラになるぞ」「テレビ台本を頑張って書くぞ」という一大決意と同時に、午後の「南こうせつオイチャンに褒められちゃったよぉぉ」という、異常なテンションのまま新幹線にも乗り間違えず帰宅したワケですが、予定外に気力を使い切ってしまい、何も出来ずに意識を失うように眠り込んでしまったのだ。

思わず長文を書いてしまいましたが、マジに長い一日だったっす。
おっと、忘れちゃいけない。Web展開を始めた『ラブいぜ!しずおか』のサイトでやんす。

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2009年4月12日 (日)

『鴨川ホルモー』のスポットCMは間違いでは?

2009041201映画「鴨川ホルモー」のTVスポットとして売出し中のコンビ「はんにゃ」が出ているんだけど、なんか納得いかない。
いきなり「ホルモーやろうぜ」と言いだし、大声で『ホルモーッ』と叫ぶのだ、それって違うだろ。もしかしたら映画の中では原作とは違う設定になっているのかもしれないけれど、原作から考えたらあの楽しそうにポーズをとって「ホルモーッ」と叫ぶのはあり得ない。
もっと切羽詰まって鬼気迫る表情をしながら天を仰ぎノドから絞り出したような声で「ホルモーォォォッ!」と叫ぶのだ。


ということで、映画本編から編集されたスポットも流れはじめたんだけど、決めの言葉は「ゲロンチョリーッ」らしい。うーむ、確かに原作通りに「ぎああいっぎうえぇ」ではちょっと映画的に無理があるか。
原作は純粋に馬鹿馬鹿しくも清々しく、小説のジャンルとしては青春物から何かがはみ出しているし、ウォーターボーイズやスィングガールのような1つの目的に向かって仲間達と突き進むって話としてもはみ出しているし、単純に説明出来ないけれど、とにかく荒唐無稽でありつつリアルな大学生の青春物語になっている。

2009041202個人的には「早良さんそりゃないっすよ」って感じなんですが、青春という役立たずの痛い部分を呼び起こさせながら、ラストへ向かっての盛り上がりは危機一髪と一発逆転と予想外の結末と、ムチャ熱い。
映画も面白そうではあるんだけど(はんにゃのスポットには違うだろって感じがしますが)、やっぱ小説で発表された物はマズ最初に小説として楽しんで欲しいと思う。最初からホルモーの全体像を映画で知った後で読むとかなり印象が変わってしまいそうな気がする(そう言う意味では先に小説を読んでいると映画でのサスペンス風味が無くなってしまうかもしれないけど)

しかし映画で楠木(凡ちゃん)を栗山千明が演じているみたいなんだけど、これはちょっとイメージ違っているなぁ。

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2009年4月 4日 (土)

出版不況、テレビ不況

いやあ見事なほど、笑ってしまうほど不況ですな。


出版不況なんて言葉はもう5年以上前から延々と聞かされてきた言葉なんだけど、それに追い打ちを掛けるような社会不況が押し寄せて来てとてつもないほどの出版不況っす。
収入が減って買い控えの時期「さて何に関する出費を抑えようか」って時に出版ってのは打撃を受けるなぁ。
なんでそんなタイミングで自分は「フリーライターです」みたいな事になっちゃったかなあ。

雑誌関連は現在どこもダメダメ状態で、廃刊も続き、仕事の場も狭くなってどこにも入り込むスキがなく閉塞的でやんす。
ま、端から見ていると「雑誌が売れない」→「スポンサーの要求が厳しい」→「当たるかどうか不明の斬新な企画は出来ない」→「そこそこ話題になる無難な企画でまとまる」→「いまさらそれ?で読者が離れる」の悪循環をしているようにしか見えない部分もある。
こーゆー時に「このたびライター稼業を始めました」なんつー新参者が潜り込める場所はそうないのだ。過去の実績も、元々のコネもないし、田舎に引っ込んでいるという事で活動も難しいって事で。

と言いつつ、雑誌などでのライター活動は「まだネ」という事なんですが、別の方でそれなりに忙しく細かく仕事があるので、ある意味恵まれているとは思っているのですが、やはり子供の頃から雑誌大好きだったので雑誌連載てのは「いつかは!」と思うけど今は実力を積んでいく時期なのだ。いつまでも不況は続かないと願いながら。
と言うことで、現在はラジオやテレビ関係の仕事が中心になっているワケですが、そっち方面にも確実に不況の波が押し寄せている。

この春の番組改編を見てて思うのが、新たな番組はあんまりなく、とりあえず継続という感じが中心になっている。一応そこそこの視聴率が望める番組だったら冒険する必要もないじゃんという感じなんだろうなあ。新しいバラエティ番組を始めるとなると新たにセットを作らなくちゃいけないとか金銭面での支出が増えるし。
現在、スポンサー企業もどんどん減っているという状況。たとえば某番組なんかは半年前に始まった時はたしか7社ぐらいがスポンサーとして入っていたのに、現在は3社程度しかスポンサーの名前が無くなっていたりする。
でも番組内のCM本数とかが決まっているのでどうするのか? というと、その時間に他の番組の告知宣伝が異常に多くなっている。つまり自社製品CMばっかりなのだ。これなら知らないで見ていればCMの数は減っていないように見えるし、他の番組への貢献も出来る。

さらにどの番組も視聴率が欲しいので、バラエティにドラマ出演者が出てきてゲームとかしつつ宣伝をするという構図も異常に多くなっている。ドラマも宣伝出来るし、バラエティも普段出てくれないような役者の素顔を見ることが出来て、相互援助が出来てるのだ。
企業のCMでも、最近始まった春向けコマーシャルも「あれ?これって以前見たことある」という、去年の春に流していた物を再び流すというパターンをいくつか確認している。
少なくなってきているスポンサーからの要求も強くなっているだろうから、現在はとにかく視聴率が安定して取れる番組ばかりになり、それが逆に視聴者の「なんかいつも同じ顔ぶれ」みたいな飽きを呼んでしまうんじゃないかと思うのだ。

そんな中で放送されたTBSの「オールスター感謝祭」も、なんか不況の影響をヒシヒシと感じる番組になっていた。番組内のクイズはいくつかの細かいラウンドになっているんですが、以前は1ラウンドごとに1位に25万円、そしてその後の順位決めクイズでも25万、つまりラウンドごとに50万円が支払われていたのが、今回はいきなり1位に15万円、順位決めクイズに15万円、つまり1ラウンドで30万円って事になっていた。
手元に去年秋の録画(2008年9月27日放送)があるんですが、ラウンド数が今回より多かった。つまり単価を安く、回数も少なく、とかなりその部分で経費節減しているのだ。
ついでに去年秋の放送では何故か、小室哲哉率いるglobeのミニライブが開催されえている。確かその時「なんでいまさらglobe?」と思いつつ「台所事情苦しいのかなぁ」と思った記憶がある。小室哲哉が逮捕されたのが1ヶ月ちょっと先の11月4日だったので、どんなオファーでも受けたんだろうなぁという感じなのかも知れない。

そして賞金もドンッと下がっている。
10位〜6位10万円、5位20万円、4位30万円、というのは前回も今回も同じだが、2008年秋は3位50万円、2位100万円、1位500万円+日産MURANOだったのに対し、今回2009年春は3位40万円、2位50万円、1位ビックカメラ300万円分の商品券となっている。
ビックカメラの300万円の商品券って…。
もうそんな部分からも厳しいんだなぁというのが透けて見えちゃうのだ。

そんな金銭的にきつくなり保守的になっているテレビ業界ですが、今一番革新的で面白いのはNHKなのかも知れない。昔からNHKは保守的で地味で面白くないみたいな事を言われ続けているんですが、実際にはNHKは昔から革新的な局なのだ。
なんせスポンサー様のご機嫌を取らなくてもいい。今、受信料を払っていない人も多いそうなんですが、それでもスポンサー頼りではない分、民放が出来ない番組を作る事が出来る。地味な印象の番組だってちゃんと見ると凄く丁寧に作ってあるし面白い。(出演料が基本的に安いというのもあるけど)
それ以外に面白いのは、地デジを初めとする最新技術をいかに番組に反映されるかという部分での実験放送が進んでいるという事。もちろんそこで試された技術はのちに民放にも浸透していくんだと思うけど、面白いのだ。

テレビ離れが進んでいる若い層を取り込む実験として、ケータイ寄席という物もある。ラジオの投稿コーナーをそのまんまリアルタイムで「お題拝借」とやって携帯電話のメールで応募して、その場で読み判定するというこれ以上のインタラクティブな番組はないんじゃないかと思う反面、全国から大量に寄せられるメールの中から面白い投稿をより分けるのは待機している20人ぐらいのスタッフというアナログ人海戦術ってのも面白い。スタッフが面白いと思った投稿はスタジオで待機している千原ジュニアのパソコンに送られ、そこでさらに面白いと思われる投稿が番組で紹介され、今田耕司やゲストが判定するという仕組み。
NHKという日本の隅々まで電波が届けられているメディアでこれをやるのには凄い決断があったと思うけれど、GOサインを出したNHKに拍手!なのだ。


あとこの春から始まったドラマで「ケータイ小説連動ドラマ」もある。

最近の小説離れ、テレビ離れ、に反して若い世代にはケータイで読む小説がヒットしているという事から、NHKのHPに無料で登録すると、ドラマの放送1週間前からケータイ推理小説が6日間連続で配信される。その小説の中で事件が起き、ヒントが全て紹介される、でその解決はドラマで。という仕組み。
ドラマのほうは当然、6日分のケータイ小説部分から始まっているのでただドラマだけ見ている人にも謎解きドラマとして楽しむことが出来る。これって頑張った企画だなぁと思ってしまう。
しかもそのドラマを執筆するのが辻真先、白峰良介、黒崎緑、山口雅也、霞流一、井上夢人、芦辺拓、折原一という豪華な8人。このメンツのケータイ小説が毎日読めるってだけで凄いっす。
ケータイ小説連動ドラマ「探偵Xからの挑戦状」毎週水曜日深夜0時10分から(正しくは木曜日だけど)


そんなワケで、確かに今はテレビも出版も世界不況の煽りを受けてキビしいけれど、そんな時こそ金ではなくアイディアで勝負するという企画がガシガシ立ち上がって欲しいと思うのだ。

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