マイケル・ジャクソン「スリラー」
先日、偶然見た「スマステーション」で80年代の洋楽特集をしていた。
そこでカールスモーキー石井が当時の音楽の解説をしていたんだけど「何も解説になってないじゃん」と思ってしまった。
もっと面白いネタはあるだろう!!!!と、当時バリバリに音楽の人だった私は思ってしまったワケでやんす。
最終的にマイケル・ジャクソンの「スリラー」が80年代を代表する洋楽と言うことで終わった。
確かに売上げと、時代のキーワード「MTV」という事では、この曲が1位ってのは当然なんだろうなぁ。
この「スリラー」とにかくミュージックビデオが大ヒットした。
しかしビデオクリップは、曲が始まる前の映画館のシーン、帰り道のシーンまでが長く、そしてやっと曲が始まるのだ。
全部流すと14分とか結構長かったんだけど、当時の深夜番組では「今日はマイケルのスリラーを全部流しますよ!」とかオープニングから煽っていたように、全部かける!というのが番組の目玉になったりしてました。
レコードショップでもこのビデオを店頭で1日中流していて、多くの人が立ち止まって食い入るように見てました。
で、そのクリップを作ったのが映画監督ジョン・ランディス、特殊メイクがリック・ベイカー。
このミュージックビデオは「マイケル・ジャクソン」という天才的アーティストがいたから出来たワケですが、それ以前に監督のジョン・ランディスは「ブルース・ブラザース」という全編ミュージックビデオみたいな映画を作っているので面白くなるのは当たり前の話なのだ。
と言いつつ、マイケルがジョン・ランディスにビデオクリップ制作を依頼したのは「ブルースブラザース」を見たからではなく「狼男アメリカン(1982)」という映画を見たから。
その関係もあって「スリラー」の特殊メイクは「狼男アメリカン」で特殊メイクを担当しアカデミー賞を受賞したリック・ベイカーが担当している。(他にもムチャ凄い作品を担当してますが)
この作品が80年代のMTVを中心としたミュージックビデオのブームを作り上げたと言っても過言ないのですが、その始まりが頂点で、結局そこを超えるビデオは無かった。
当時「俺たちひょうきん族」の中でウガンダ・トラがマイケルをパロディにしてスリラーを踊っており、最後にオバケの総元締めとして西川のりおのオバQが登場するという物があったが、他には竹中直人が出した「レスラー」という曲もありました。(もちろんビデオクリップも実にほほえましい感じで制作されました)
で、当時ビデオクリップのパロディといえば、アル・ヤンコビック("Weird Al" Yankovic)という人がいて、「スリラー」は作らなかったが、マイケルの「ビートイット」のパロディ「イートイット」というヤツがありました。
元曲の「Beat It」は意味的には「逃げろ!」とか「失せろ!」とかの意味(直訳すると叩けみたいな感じですが、熟語的には「とっとと失せろ」みたいな命令的な言葉になる)ですが、アルの方は「Eat It」喰え!という事で、ビデオをそっくりなパロディ作品として仕上げている。
この時、マイケルはそのソックリ具合に拍手喝采だったワケですが、続編としてマイケルの「Bad」のパロディ作品で「Fat」を作った時、前作「Eat It」で食い続けた結果「Fat(デブ)」になったマイケルを演じたために激怒したと言われている。
で、その「Fat」を見た時に「これってマイケルのパロディというより、ウガンダのマイケルのパロディじゃん」と思ったワケでありますな。
その後もアル・ヤンコビックは大量のパロディソングとビデオクリップを制作しているワケですが、残念な事には日本では「そう言えば80年代初頭にそんな人いたねぇ」状態。
でも本国アメリカでは2006年にアルバムがビルボード10位を記録しているし、シングルも10位以内に入っているほどの大人気を維持し続けている。
しかも真似されるアーティストは大歓迎らしい。
でも今はYouTubeがあるので、それらを見ることが出来るのでしやわせなのでやんす。
(ってマイケルの話じゃなくなってしまったのだ)
ただ、字幕がないので本当の面白さは理解仕切れないけど、画像だけでも楽しいっす。
★「UHF」とにかく色々なビデオクリップや映画のパロディ満載。Talking HeadsやZZ Topなんて懐かしい所もやっているけれど、個人的にはチラっと出てくる武闘派のガンジーが壷でした。
★「UHF Rampo」ビデオクリップではなく映画ランボーのパロディ、くだらなさすぎ。
★ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカの「Lump」を「Gump」にしてフォレストガンプにしているのも良いッス。
★「Saga Begins」ではスターウォーズのパロディ。
★マドンナの「Like A Virgin」→「Like A Surgeon(外科医のように)」
★ジェームス・ブラウンの「Living In America」→「Living With A Hernia(ヘルニアで暮らそう)」
とか… きりがない。
この文章を書き始めたついでに、アル・ヤンコビックのクリップを見始めて、延々と時間が経ってしまった。
※「Yankovic」で検索、「UHF」の場合は「Yankovic UHF」などで検索。
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