猫「雪」
猫「雪」
作詞.作曲/吉田拓郎
1972年/¥400
CBSソニー/SOLA 39-0D

「猫」というグループが歌う「雪」という曲です。
この「猫」というグループは1970年代初頭に吉田拓郎のバックバンドをしていて、メンバーは「海も失恋すんのかなあ/涙をいっぱいためるのかなあ/だけどあふれだしたら困っちゃうな/だってオレ 泳げないんだもん」というセリフで売れた「海は恋してる」を歌っていた「ザ・リガニーズ」の内山修&常富喜雄、そして「ジ・アマリーズ」の田中清の3人。って共にグループ名は「ザ」をつかったお遊びで付けられているのか。(ザリガニ&字余り)
どうやらグループ名を付ける時に、ビートルズを始めとして動物や虫など生き物系が多いということで、最終的に「猫」という物に決まったらしい。
1971〜1972年の1年半ほど吉田拓郎のバックバンドを勤めているが、その次の吉田拓郎のバックバンドが浜田省吾がドラムを叩いていた「愛奴」。そういう意味で、拓郎がバックバンドを引き連れ、徐々にロック寄りになっていく手前のグループなのだ。
そういう関係でこの「雪」という曲は吉田拓郎の作詞作曲で、ややフォークロックぽい仕上がりになっている。
凄くいい曲なんですが、曲はバリバリ拓郎節で「拓郎のカバー」という感じで、同じ拓郎作詞作曲のモップス「たどり着いたらいつも雨降り」みたいな、オリジナリティはあまり感じないのが残念。いや、ボーカルの田口さんの声は好きで、解散後に出したソロも好きなんですが、なんか拓郎色が濃すぎで。
で、演奏の方はというと、やはりバックバンドなので良い感じ。ギターの音色とかハモンドオルガンとか気持ちいい。と思っていたのが、調べてみるとイントロのニュオ〜ンという感じの印象的なギターフレーズはゴールデンカップスのエディ潘が弾いていて、オルガンは松任谷正隆が弾いている。
う〜ん。
この曲の歌詞についてはかつて『もとまろ「サルビアの花」』でストーカーソングだと書いています。
猫は今年の3月に久々の再結成をして「猫5」というアルバムを出している。
というのも、実は1991年にメインボーカルを勤めていた田口清さんが自転車で坂道を降りている時に、つまずいた際、一緒に乗せていた子供をかばうために無理な体勢で倒れた時、頭を強打して亡くなっているのです(享年42)。
そして2004年に十三回忌法要があり、メンバーが集まった事がきっかけとなって再結成に至ったという。
自分はその再結成アルバム発売の時にはじめて田口さんが亡くなっている事を知りショックを受けたわけです。なんせこの「猫」はリアルタイムでは聴いてなく、田口さんがやっていたオールナイトニッポン(曜日は忘れたけれど二部です)の放送でだったので、自分の中では「猫=田口清」となっていたので。
そんなこんなで、寒い冬、風にエリを立てて居る時に、ふと思い出して口ずさんでしまう曲でやんす。
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