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2013年3月15日 (金)

佐野元春 ヤングブラッズ

似ている曲というお話を時々していますが、佐野元春は色々なアーティストにインスパイヤされて、色々なエッセンスを曲の中に散らし続けてきた。


佐野元春 ヤングブラッズ

それを聞いていると「あ〜ルーツはここにあるのね」的なニヤニヤ感が止まらない。
そんな感じはどのアーティストにだってあって、桑田佳祐も時々モロに出ていたり、山下達郎とか大滝詠一なんかもルーツミュージックをどのように構築し直すかという部分で自分の音楽を創り上げてきた。
それらを人は「パクリ」という時もある。
でもそれ言いだしたら音楽なんて存在しないじゃんとか思っちゃうのだ。やはり音楽を始めた動機の一つに「あんな音楽やってみたい」という部分の純粋なガキ時代が存在しているんだからしょうがない。
でも佐野元春の場合、ある時「え?それあり」と思ってしまった事がある。今でも佐野元春は好きで新譜もリリースの度に買っているアーティストなんだけど、それは……と思ったのは「ヤングブラッズ」という曲。

The Style Council「Shout To The Top」

この曲、聞いて貰うと分かるんだけどポール・ウェラーのユニット「スタイルカウンシル」の「Shout To The Top」にかなり似ている。インスパイヤと言っていいのか不明ぐらいの感じで、当時かなり物議を醸し出した。
で、何故か当時、佐野元春はスタイル・カウンシルに御執心だったのかアルバムのイメージまでソックリにしてしまった。しかもタイトルまで似せて…

佐野元春『カフェ・ボヘミア』スタイル・カウンシル『カフェ・ブリュ』
20130315
それ以前はブルース・スプリングスティーンだとかポリスだとか色々言われていたのが、ここに来ていきなりポール・ウェラーかあと思った。
当時、佐野元春の熱狂的だったファンの女の子は「Shout To The Top」を聞いて、あまりのショックにファンを辞めてしまったというのを間近で見た。そういう意味でかなり衝撃的な激似曲ということになる。
もちろん「ヤングブラッズ」にはヤングブラッズなりのカッコイイ部分もあるし、ポール・ウェラーでは出せないニュアンスも持ち合わせているとは思うけど、どうしちゃったんだ佐野ちゃん!と当時マジに思っていた。

ビートたけし・松方弘樹「I'll Be Back Again... いつかは」

そしてそこからさらにインスパイヤされたのが「元気が出るテレビ」の中でビートたけし・松方弘樹が歌った「I'll Be Back Again... いつかは」という曲。
作詞は作詞:関口敏行&伊藤輝夫(テリー伊藤)で 作曲はBABAと言う、なにやら覆面作曲家っぽい人。コノ手の企画盤のクレジットでは時々名前を隠して曲を作る人がいるけど、そのパターンかも知れない。
こっちは、テレビの企画のお遊びって感じでそんなに叩かれたり話題になったりはしなかったけど。

佐野元春「インディビジュアリスト」

佐野元春のポール・ウェラー趣味はそれだけに収まらずに、アルバム『カフェ・ボヘミア』に収録された「インディビジュアリスト」もちょいと物議を醸した。
「インディビジュアリスト」は直訳すると「個人主義者」っつー事なんですが、スタイル・カウンシルのアルバム曲に「インターナショナリスト」という正反対の「国際主義者」を意味する曲がある。
この辺りになると、確実に「ネタ」として分かり易いようにタイトルまで意味を持たせている感じがある。こっそりパクろうとするのならもっと巧妙に違う方向にニュアンスを向けると思うので。でも真意はよく分からない。

The Style Council「Internationalist」

ポール・ウェラーはかなり左な発言が多かった人らしいんだけど、佐野元春的にはそれを批判的に捕らえていたのか、それのアンサーソング的なイメージもある。
でも改めて聞き比べると「う〜〜〜〜ん」と考え込んでしまうような感じ。佐野ちゃん、どーしちゃったのさ。

米米CLUB「KOME KOME WAR」

で、実はその「Internationalist」を別の形で料理したのが米米CLUBの「KOME KOME WAR」という曲。この曲はPVもデタラメに凝っているんだけど、曲の邪魔になるぐらいに凝っているのでライブ映像で。
しかし見事なくらいにバブリーだよなあ。
ちなみにこの曲を「夜のヒットスタジオ」恒例の他の歌手が歌って紹介コーナーで、細川たかしが「コメウォーコメコメウォーコッコメウォー♪」と歌うべき箇所を「コメウォーオメコメウゥーオッコメウォー♪」と関西では大騒ぎになるような歌い方をしていました。

でも今流行っている曲に似てしまうのはインスパイヤとは言わないかもね。

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コメント

英国のユース・トライブ「モッズ」が、その初期に「インディビジュアリスト」を名乗っていたから、佐野さんはそれにあやかって使っていたのかと思っていました。

投稿: discussao | 2013年3月27日 (水) 08時05分

うんうん、そんな感じだよね
佐野元春さんが強い意志を持ってインスパイヤしたって情報はちょっとうるうる

投稿: ちーちゃん66 | 2016年10月 4日 (火) 15時49分

この記事へのコメントは終了しました。

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