自民圧勝、民主大敗
本日の衆議院選挙では自民圧勝、民主大敗となって、政権が自民へ戻った。
この結果は選挙前から予想されていたけど、ここまで極端な結果になるとはなあ。
果たしてここまで極端な物を国民は求めていたのかという気もする。政治というのは与党と野党のバランスが拮抗してこそ意味がある物で、ここまで圧倒的な勢力を持ってしまうと数の理論で自民のやり放題的な方向に行ってしまう恐れがある。
この大敗の一因はマスコミ主導という部分も強いんじゃないかと。3年前に自民が大敗して民主が政権を取った時も、マスコミは連日「自民がダメ、ここがダメ、あそこがダメ、何もかもダメ」と煽っていた。多くの人がテレビを通じて世の中の空気を感じちゃうので「あぁきっと自民はダメなんだろうな」と思ってしまう。
自分で判断しているつもりでも、実際にはそれらの印象操作により誘導されてしまう。
今回の圧倒的に民主が大敗してしまった理由。もちろんこの震災以降の民主の迷走ぶりはイタタタという感じで「ダメじゃん」と思わせてくれるものは十二分にあったけど、だからと言って自民が株を上げた要素はどこにもない。
現状の日本が抱えている多くの問題はこの3年間に産まれた物ではなく、それ以前の自民党政権時代の蓄積なんだから。
原発をガンガン作ったのも自民党政権下だし、ゆとり教育だって自民党政権下だし、ワケの判らない数十年に亘る公共事業を野放しにしていたのも。
いくら安倍晋三が「日本を取り戻そう」と叫んでも「バブルが弾けてから15年以上もそれを正常化出来なかったのも自民党っすよ」としか思えない。それ以前に民主党から政権を自民党が取り戻す事を「日本を取り戻そう」って表現するのってどうなのよって気もする。日本は自民党の物じゃないっす。
ついでに言うと自民党は1993年から1995年の間は非自民・非共産連立政権に座を奪われている。この時は結局、連立政権が核となるリーダーを作れずに短期間に細川護煕→羽田孜→村山富市と首相をコロコロと変えている。
そして自民が政権を取り戻すキッカケが1995年の阪神大震災。この時の対応の悪さが批判されて評価をドンッと下げている。つまり自民党は阪神の時も、東北の時も、政権を取っていないので「震災時の対応が悪い」と非難される側に立っていない。
恐らく多くの人が今回の選挙で自民にするか、民主にするか、あるいは維新にするか、その他にするか、で考えた時に「自民100%支持」ではなく「自民60%、民主30%、その他」みたいなバランスで考えていたんじゃないかと思ったりもする。
でもそんな感じで考えていた人が多かったので微妙な差だけど自民ばかりに投票、となってしまった。あくまでも自分の考えではそんな気がする。
今回の結果が国民の声かというと、そうでもないと思う。なんせ投票率が59.32%。過去最低だったワケで。
2000年当時、悪名しか残っていない森喜朗は総理大臣だった時に「無党派層は寝てしまってくれればいい」と発言している。無党派層ってのはバリバリの自民党支持者だったり民主党支持者だったりする人ではなく、その時の政局によって支持を変える、いわゆる浮動票の事。
これらの人の動きで政治ってのは大きく変化する。それらを抜いたバリバリの人は昔からの地盤やなんやらで自民党員が多い。つまり今回の選挙は、昔に森ちゃんが言っていたような政局によって支持を変える人があまり選挙に行かずに、もともとの政治党員ばかりが投票する事になり自民党が圧勝となってしまったという、国民の声はまったく反映されていない選挙とも言える。
でも別の言い方を変えれば、選挙にいかなかった40%の人は「政治がどうなってもいい」という考えだったので、どうでもいい結果になったという事かも知れない。
それを抜きに考えると、民主党は震災後のダメダメっぷりを晒した事で票を落とした。自民党はそれを批判する事で票を得たという事。民主は結果に対する票、自民は理想に対する票、という事で評価の意味が違う。
これは3年前の選挙も同じ。政権を取っていた自民は結果でダメと判断され、民主は掲げている理想で支持された。
とにかく自民党が勝ってしまったんだからしょうがない。民主に代わる前の政治や経済に戻るのではなく、もっと別なちゃんとした日本にしてください。
あと憲法を変な感じに改変して、徴兵制も復活するような流れは作らないで下さい。そして石原慎太郎みたいな爺さんには発言力を与えないで下さい。
自民党は支持されたのではなく、民主党の不支持が多かったという理由で勝ったという事は忘れないでください。
【選挙の翌朝のTwitter発言】
朝からこんな事を言うのもなんだけど「カレー味のウンコ」と「ウンコ味のカレー」を選ぶ選挙で「とりあえずカレーだから」と選ばれたような物。これから香辛料を全部入れ替えるような努力でカレー味になってください。
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