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2011年11月23日 (水)

『談志が死んだ』

立川談志師匠が亡くなった。
20111123


その芸については多くの人が語っているでしょう。
自分は語るほどのめり込んで好きだったワケじゃないので、あまりそこについて語る事は出来ない。凄いなぁと思う部分と、どうも自分の肌に合わない部分も多々あった。その人を選ぶ部分っても含めて唯一無二の人だったんだとは思う。
おそらく死去した事が公表されてから現在「日本でもっとも多く語られている回文」は『談志が死んだ』だと思うけれど、これ自体、立川談志が自らネタとして言いだしたモノらしいし、2003年には『談志が死んだ 立川流はだれが継ぐ』という本も出している。
この回文をさらにバージョンアップさせたものとして『余談、談志が死んだんだよ』という作品もある。おそらくこの数日、もっとも多くネットで語られ、ブログのタイトルになる回文だと思います。
という事であえてベタに使用してみました。

で、談志が亡くなったという話題が一番最初に出たのは22日の夜、Wikipedia『立川談志』の項に「2011年11月22日死去」というのが最初なのではないかという事。(実際に亡くなったのは21日)
まだマスコミも一切報道していない状態で、何者かによって書き込まれている。
実は立川談志の死は極々近親者にしか知らされておらず、弟子である立川流一門にもこの事は知らされていなかったらしい。とりあえずこの半年かなり状態が悪く、数日前に入院したという事は知らされていて、お見舞に行った人もいるらしいけれど。

その事から、立川流のお弟子さんの所にも22日の夜「談志師匠が亡くなったらしいですが」と一報が届けられているが、たとえば立川キウイさんなどはブログで死去の話を振られたが確実な通達が無かったので「どうせまたガセでしょ」と書いている。
その時、寄席にいた立川左談次さんも知らなかったらしい。こちらも翌日23日の11時の段階でブログに「デマ・ガセ」と書いている。

そして23日の午前中にWikipediaの「2011年11月22日死去」の書き込みは消去されている。
この時点でどのマスコミもこの事に触れていなかったので、Wikipedia側も「悪質なデマ」みたいな扱いとしたのかも知れない。
それが動き出したのは午後2時を過ぎた辺り。
週刊金曜日のTwitterが「知人からの連絡によると、談志師匠が今朝亡くなられたそうです。謹んでご冥福を祈ります。師匠の噺は絶品でした(浩) 」と呟いた。この事からtwitter内では「マジ?」「ガセだろ?」が飛び交い始めるようになる。
自分はそれのRTを見て「マジっすか?」と驚いたクチ。
でも共同通信を始めとしてどこもこのニュースを取り上げていなかった。さらに調べて見ると立川流一門のお弟子さんたちが一切、談志師匠の死に触れていなかったし、キウイ氏はブログで完全否定しているし、というなんやら不穏な印象を受けた。

これまで何度もガンによる入退院を繰り返し、その都度「談志が死んだ」という自ら考案した回文がデマとして流れているので「またかよ」状態であったのは確か。
ただし今回はtwitterという情報拡散ツールが存在しているために、またたくまにこの話題はネット内を駆けめぐるようになる。
以前ならガセがどこかで発生した場合でも、まずはその周辺だけで盛り上がり、一般的に広まる時は「というガセが」と結論や色々な経過が付随しているものだけど、今はレアな状態で一気に広まっていく。
自分なんかはその時点で「昨日Wikipediaに書き込みがあって、今は消されている」などの事実も確認した上でガセだと判断して『談志師匠に関するデマが広がっている。その勢いで回文「ダンスは済んだ」「余談:談志が死んだんだよ」「わたし負けましたわ」。現時点で立川キウイさんなどは否定しているのでガセでしょう。』とtwitterに書き込んでいる。

そんなこんなで2時間ほどネット内で「マジか、ガセか」で人々が右往左往していたワケですが、午後4時直前になって共同通信社のネットニュースに『立川談志さんが死去』が書き込まれ確定となってしまった。
もっとも自分は「基本的になんでも疑っちゃう」という性質の持ち主なので「でもそのニュースには亡くなったとは書いてあるけど、亡くなった日付が書かれていないってどうなのよ?」とこの時点でも何%かの疑いを持っていた。
が、夕方5時台から始まったテレビのニュースでは「21日に亡くなっていた事が判明しました」との報。これで否定しようがない事実になったのです。
死去に関しては本当の身内だけで内々に済ませようという談志師匠の意志で、一門のお弟子さん達にも一切知らせていなかったという事だったらしい。それが最大の混乱を招いた原因。
今回、リアルタイムでこの混乱を目の当たりにし、ついでに自分も巻き込まれて「ネット社会の情報の高速化・即時性による混乱って面白い」と思ってしまった。

談志師匠の芸風や言動に対して色々な意見はあると思うけれど、昔ながらの寄席芸とテレビを始めとするメディアの関係性や、古典と現代風俗との向き合い方など、自分流を、悪く言えば我を通し続けたウルサイ人の姿勢には大いに共感する、リスペクトする部分があります。
敵を作ることを厭わない、そんな精神を自分も心のどこかに1%でも持ち続けたいと思っています。
談志師匠、お疲れ様でした。

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