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2011年3月24日 (木)

出版はどこへ向かうのか

ここ数年、日常的なキーワードとして出版不況という言葉が使われてきた。


おそらく最初に聞いたのは1990年代の中頃だったかも知れないけれど、あの時代はちょっと前の時代が異常に盛り上がっていたせいで、何もかもが不況に見えてしまっていただけで、実際には元に戻ったという感じだったのかも知れない。
その後、2000年頃に「深刻な出版不況」と呼ばれていた。でもまだ余力が残っていたと思う。
それが盛り返す事無くジワジワと下降線を歩み始める。それは世間一般の不況と同時にネット社会の広がりというのがあるんだと思う。

2000年頃にテレビなんかで「インターネットというのは」みたいな解説をよく聞くようになって(実際には1990年代中期からありましたが)、特に購買力のあるハズの若者世代が「ネットで情報手に入るし」みたいな形で流れていき「ケータイに金掛かるから本なんて立ち読みでいいっしょ」みたいな形が当たり前になっていく。

2005年頃にかなり深刻な出版不況となっていたワケですが、その後、経済が「底付いた、なんとなく経済回復の兆しが…」と言われ始めた、途端にリーマンショックで全世界的にドドンとすべてが落ち込んだ。
実はそのタイミングで自分は3冊の単行本企画が動いていて、原稿をガシガシと書き進めていた。が、ショックで「はいそれまでよ♪」という事になってしまった。
色々な所で「ライター業が立ちゆかなくなったので廃業」みたいな話を聞くようになっていったけど、それでも「オレは紙媒体が大好きなんだよぉ」と考えていた。

そんな息絶え絶えだったタイミングで、今回の東北大震災。
この震災で出版社やアマゾン関連の倉庫が大打撃を受けたり、あとこの先、印刷する用紙やインクなどの不足などが襲ってくると言われている。
出版不況でぐらぐら揺れて綱渡りをしていた中小の出版社なんて、ここでスイッチを押されたように一気に倒れてしまうかも知れない。

そして、この震災によって動き始めたのは「地震によって現在発売されている週刊漫画雑誌などを読む事が出来ない子の為に、ネット配信で公開します」という動きが出てきている。
それはあくまでも、毎号楽しみに読んでいた漫画の続きを読み逃してしまわないように、被災地にも娯楽を届けたい、日常的な楽しみを届けたい、という考えから。
でも、それと同時に電子出版のメリットが最大限に活用されるという事。そしてこの先の紙不足などに影響されない出版形態として凄くメリットがあるのが、実証されたという事になって、より早い速度で電子出版が一般化されていくんだろう。
以前から言い続けているけれど、やはり紙媒体の出版というものに思い入れがあるからなんとかしたいんだけど、そういう流れは仕方がない事だと思う。

紙媒体というのが完全に消滅するという事は無いと思うけれど、多くのものが電子化されるようになり、そっちがメインになってくると、ワザワザ紙で出版されるものは高級なものになっていくのかも知れない。
そうなると部屋が本で溢れるという事もなくなるので、住宅環境ってのも改善されていくよなぁと思ったりもする。今回の地震で本棚が倒れた!という話も沢山聞いたので、そう言う危険性もなくなるんだろうなぁ。
今、色々なものを見直すような時期に来てしまったのかも知れない。

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