« 韮 | トップページ | カレーのモニター募集 »

2010年9月12日 (日)

一皮被った『悪人』

9月8日に女優・深津絵里が『悪人』という映画でモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を獲得した。
そして11日に日本で映画公開。そんな超忙しいスケジュールの中「月曜日、来てくれるかな?」と金曜日に言われて、その場で「いいとも!」と即答出来るというのは芸能界というのは凄い世界だなぁ
という事で、最近は「笑っていいとも」のテレフォンショッキングはフジテレビの番組&映画の宣伝の場として大活躍しているワケですが、そう言う意味では昔と違って俳優も女優もバラエティ慣れしなくちゃいけないので大変だ。


Dscn4091その映画『悪人』なんですが、文庫本は去年の暮れに発売されていたけれど、今年の6月にかなり目立つようにリニューアルされて増刷された。
去年の暮れの段階で本屋でその文庫本を見て手に取った記憶があるんですが、実に地味な表紙だった。
上巻がクリーム色ベースで赤い印刷、下巻が黒ベースで赤い印刷、もうちょっとポップでもいいんじゃないかという位の質素っぷり。
が、リニューアルされた表紙は、映画のポスターにも採用されている主演の妻夫木聡と深津絵里が振り向いている写真をそれぞれに分割した形で上下巻にして、さらに『9.11Roadshow』とか煽りのキャッチコピーとかが書かれている。

Dscn4092普通ならそれは帯に書くべき部分だろ。表紙にそのまんま煽り文字とかを書くのは松岡圭祐の催眠シリーズとかでみて「うわぁ趣味悪い」と思ってウンザリした経験がある。
だって購入して本棚にあるときもずっと宣伝文句とか書かれているワケだし、しかも今回のは映画の宣伝だから、公開時期が過ぎたらその表紙はかなりマヌケになっちゃうよとか思っていたのだ。
しかしそれは大いなる間違いだという事にその後気づかされるのであった。

Dscn4094なんと、そのリニューアルされた表紙だと思っていた物は表紙ではなく『帯』だったのだ。
普通、帯というのは表紙の3分の1ぐらいのサイズで、なるべく表紙のデザインを邪魔しないように煽り文章『○○先生絶賛!』とか『衝撃的な結末、未だかつてこのような驚愕の展開はあっただろうか?』とか、こそばゆくなるような事が書かれているというのが定番だった。
ここ数年はその帯がでかくなって、表紙半分を覆っていたり、帯がデザインの一部になったりする事もある。

Dscn4095例えばエンターブレインから出ている山川直人のシリーズなんかは表紙の3分の2近くが帯で隠されている。その帯を取り払った状態でも別のイラストが出てきて2重に楽しめるようにはなっているんだけど、これなんかは帯が掛けられた状態が完成品なんだと思う。帯に使われている紙の材質も硬めで保存する前提になっている。


Dscn4096あと、浦沢直樹の『BILLY BAT』の帯なんかも下のイラストの一部を帯に残しておきつつ、煽りのコピーなどを加えた帯を採用している。
島本和彦の『アオイホノオ』なんてのもそのパターン。
他では藤原カムイの『雷火:ライカ』の新装版なんかは、逆に表紙の一部が切れていて下が見える状態となっている。
とまぁ最近は帯も書籍という完結した作品の一部として、ただの宣伝媒体ではない状態で考えられている。

Dscn4093で、この『悪人』なのだが実は表紙と思われた文庫本全体を覆っている妻夫木&深津の写真の下に、旧来の地味な表紙がこのまま残されているのだ。
つまり、リニューアルしたと思った表紙をめくると、以前のままの表紙が隠れている。
そしてその一番上の帯なのか表紙なのかという物を外すと、見返し部分には『映画「悪人」特別割引券』というのが付いていて、その裏面には原作者と映画監督の対談が上下巻続けて書かれているのだ。完全にオマケの小冊子レベルの密度で映画になった事に関しての情報がそれには書かれている。
つまり本来の帯としての役割『宣伝媒体』に徹しているのだ。
だから、この妻夫木聡と深津絵里がバッチリ登場しているのは表紙ではなく『帯』だということなのだ。
ついに表紙占有率100%の帯が登場したというお話でした。
(追記、実際にはカバーの方が2mm程度小さいので、この大きさが「カバーではなく帯」という差別化なのかと)

|

« 韮 | トップページ | カレーのモニター募集 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 韮 | トップページ | カレーのモニター募集 »