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2010年5月27日 (木)

ふぞろいの文庫たち

去年の4月頃だと思ったけれど、早川文庫が「文字も大きくして読みやすくなりました!」という事で、その勢いで文庫のサイズも若干大きめにした。


2010052701って、文庫サイズは大きくしなくてもいいんじゃないの? と思ってしまうワケですが、こんな風に大きくなった。
今までの高さが15.1cmで、新しいサイズが15.7cm。6mmも大きくなっている。そして確かに本文に使われている文字も級数が上がっている。
でも冷静に考えてみれば、06mm本のサイズを大きくする必要はなく、本文の天や地の余白を少なくすればいいじゃないかと考えてしまうのだ。
そのサイズの変化というのは色々な問題を抱えている。なんせ早川だけがチョコンと背が高くなっちゃっていて、本棚でカッチョ悪いのだ。でもそれだけならまだいい。人によっては文庫本専用の本棚という事で文庫がキッチリ収まるような高さの棚を使っている人もいるんじゃないかと思うわけで、そういう人にとってはこのサイズ変更は「本棚に収まらないじゃん」という感じになってしまうのだ。

さらにこのサイズになって不具合はまだある。一般的なブックカバーを架けることが出来ないのだ。自分は黒い革もどきのカバーを時々使っているけれど、それを架ける事が出来なかった。
とりあえずずっと古くから続いているペリーローダンみたいなシリーズ物に関しては、統一感を考えているのか昔のサイズで新刊が出続けている。しかし、それ以外の作品は全部、縦長のトールサイズで発行されている。つまり同じ作家を買い続けている人は、いきなり新刊からサイズが変わってしまうので本棚に並べた時の統一感は全然無くなってしまう。
文字の大きさを変えるだけで、本のサイズを変える必然性は無かったんじゃないかと。

とりあえず手元にあった早川文庫の1ページ文の文字数を調べた所こんな感じ。
縦43文字 横19行 1971年発行「ミクロの決死圏」アシモフ
縦42文字 横18行 1988年発行「アシモフのミステリ世界」
縦39文字 横16行 2009年発行「ノーフォールト」岡井崇
単純計算でいくと、1971年の1ページには817文字、現在は624文字。400字詰めの原稿用紙2枚と1.5枚。つまり、今まで300ページだった文庫本はそのまんま400ページの文庫本になっちゃうというワケなのだ。となると、同じ内容で値段が高くなっても値上げした感はあんまりないワケで。
それでなくても最近は長編小説が多くなっているので、上下巻に別れる物も多くなっていくんだろうなぁ(「このミス」の文庫は上下に分ける必然性を感じないけど)。

2010052702確か去年、サイズが変わった時に「背が高いトールサイズにする事で本のデザイン的な美しさがどうこう」言っていたような気がするけど、それだったら新書にしちゃえばいいのに。早川は昔からのHPB(ハヤカワ・ポケット・ブックス)という伝統があるんだから。
文庫サイズといえば、幻冬舎はハヤカワとは別の意味でトールサイズ的な特殊なサイズで刊行し続けている。高さは他の文庫と同じなのだが、逆に横幅が短い。
普通の文庫の横幅が10.6cmだとすると、幻冬舎文庫は10cmしか無いのだ。奇しくもこれも6mmの差。
でもって本文は横16行で他の文庫と同じ。つまり行間などの微調節でその程度ならなんとかなるって事。
本棚も特別に気を使わなくてもすむ。ちょっと並べた時に幻冬舎文庫だけ奥に引っ込んだ感じになっちゃうけど、気にならないレベルなのだ。

という事を「数年後に紙媒体の出版物は無くなるんじゃないか」なんて報道をされいるときに考えてみた。

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