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2010年3月 5日 (金)

職業は……

金曜日の午前中は来週分のラジオ原稿をガシガシとまとめる作業がある。
とりあえず前々からネタなどは仕込んであって全体像などは出来ているのだけれど、最終的にラジオの尺にまとめて、全体が流れるような状態に成形する作業をする。


と、そいう時に限って「なんとかファイナンシャル」だとかの勧誘電話が掛かってくる。この手の電話は基本的に信用しないので「間に合っています」とか言って切ることにしている。
こちとら、頭の中に色々付箋紙を貼ったような状態で煙を出して作業をしているのでジャマスンナ!という感じなのだ。
以前は、母親の参加している趣味サークルから「来週の集まりの時間が変更になりました」というお知らせ電話が掛かってきた時に、ちょうど作業の〆に取りかかっている最終だったので、むげな感じで電話を切ってしまった事があった。

と、今日も作業をしていてちょうど「自分で定めた〆切時間の午前11時」直前、あとチョイで終わり、というタイミングでチャイムがピンポーン!と鳴ったのだ。
平日、金曜日の11時前後に普通尋ねてくるような知人はいない。恐らく何かの勧誘だ。電話と違ってこの手の勧誘はとにかく面倒臭い。これは無視するしかない。
が、しつこくピンポーンピンポーンとチャイム連打なのだ。さらに男の声で「杉村さーん、ご在宅ですか?」などと声がする。
うーーーーーんしつこいなあ、と思いながら玄関が見える窓からそこにいる人物を……、警察だ!
なんだ?なんだ?と慌てて玄関に出る。

「あ、ご在宅でしたか。今こちらの地域を担当しています◎◎◎です」と、50を超えているその警察官は何やらノートのページを開きながら挨拶をしてくる。
基本的に国家権力に逆らうような反骨精神を持ち合わせていない従順な私は「はあ」と生返事をしてしまうのだ。
「えっと杉村さんの家族構成は…」などと個人情報を無遠慮にしゃべりはじめるのだが「で、あなたは杉村……喜光さんですね、会社は……」と、3年前まで務めていた会社名を言い始めたので「今は退職してフリーでライターのような仕事をしています」などと思わず正直に言ってしまう。
「え? フリーライターというと雑誌とかに書いているんですか?」などとその警察官は突っ込んだ部分を聞いてくるのだ。
ここで強く出る事が出来る人なら「てめえにそんな個人情報を晒す義理は無ぇ!」と凄んだりするんじゃないかと思うのだが、とりあえず波風立てずに生きる、風が吹いたらそっちへなびいてみます、という信条の自分は「あ、雑誌とかではなくラジオやテレビの方で……」などと答えてしまうのだ。

そこで終わりではなくさらに「へえ、ラジオとかの台本を書いているんですか?」などと掘り下げてくる。
ここで曖昧な事をしゃべって「この家に住んでいるこの男はよく判らない仕事をしている」と烙印を押されて、地域要注意人物リストに名前を連ねても嫌なので「SBSラジオで1時からやっている『らぶらじ』という番組で2時ぐらいから毎日、雑学とかを喋っています」「喋っているって出演しているんですか」「まぁそういう事になりますね」「テレビも出演ですか」と思いっきり職務質問の域を超えたような事を聞き始める。それは有りなのか? 
いや拒否権も当然あるんだろうけど、なんとなく喋ってしまう。大っぴらにやっている仕事なので世間に対して秘密は無いので構わないんだけど「静岡の雑学を紹介するコーナーなんですけど、週1で…」「え、そうなんですか!その番組は何曜日の何時に?」などと、テレビに出ているという話をした瞬間、キラリンと表情が嬉しそうに替わり、メモ帳にその曜日や時間帯などを書き記すのだ。
「今度、是非見ますの!」などと明らかにさっきまでの「フリーライター?」という訝しげな表情から興味津々という感じになってしまった。
そこまでテレビとかラジオとかに出ているって凄い事なのか?

でも、その警察官が「イブニングeye」の『ラブいぜ!しずおか』のコーナーを見ても、この玄関に立っている男を発見出来ないかも知れない。まさかシリスギ仙人何て言う被り物をしているとは思わないだろう。あるいは逆に「要注意人物」としてマークされてしまうかもしれないのだ。

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