« 「学習」と「科学」廃刊 | トップページ | TVロケと公開放送というダブルブッキング »

2009年12月 7日 (月)

昔は良かったかい?

自分が高校生だった時に思っていた事。


当時、80年代直前でちょうどグループサウンド(GS)と呼ばれていた音楽が懐メロになり始めた時代だった。
その関係なのか、ラジオでも盛んにそれらの曲が流れるようになり、FM-NHKでは今では考えられないようなプログラムで、最初と最後に曲紹介をするだけで後は延々と毎晩2時間ひたすらリクエスト順位1位から500位(1000位までだっけ?)を数日かけて流し続けるという物をやっていた。
その時、必死に録音したものは長く愛聴テープになった。かなりマイナーでバンド名すら聞いたことないようなグループの曲も流れていたので、かなり勉強になった。
現在GSの研究書とも沢山出ているので、今の世代の方がすぐに「GS博士」みたいになれるんだけど、あの当時はブームから10年後で、そんな近過去の音楽についての資料はほとんど見向きもされず、ただのマニアック趣味で終わっていた。だからこそ必死に情報を雑誌や過去の本で調べていたのだ。

おそらくGSのメンバーから放送局に就職した人、あるいはファンだった人がちょうど番組を作るようになったというタイミングもあって、70年代末頃から放送局主体のGSリバイバルブームがジワジワと盛り上がりつつあったんだと思う。
自分はその時に流行っていたベストテン的な曲も大好きだったけど(ノートに順位をメモしていた)、同時に過去の音楽も凄く興味があって音源を集めていたので、その手の番組が嬉しかった。
が、その反面「ケッ」と思うような部分もあった。

リバイバルブームが起こると、実際に60年代末にGSをやっていた人々が再集結して歌うような番組が時々放送されるようになってきたのだ。そこにはジャケット写真でしか見たことが無かったような人々が、かなりガッカリするような容姿になりつつ、ニコニコしながらかつてのヒット曲を楽しそうに歌い、演奏をしていた。
それを中途半端にトンガっていた自分は「オッサン共が過去の栄光にすがって」という醒めた目でみていた。楽曲としては大好きだったけれど、なんか同窓会的に「あの頃はよかったな」と思っている人はなんか自分的に受け入れちゃいけないような気がしていた。
前しか見えていない18歳そこそこの若造だったからしょうがないのかも知れないけど。

それを見て、その時に自分は「自分は30代になっても、40代になっても、あんな風に『あの頃はよかったね』なんてニヤけた顔で集うオヤジになりたくない」と思った。
そんな青臭い思いを抱いて早幾年、感慨に耽るべき過去は山盛りになっていますが、オッサンになって思うのは10年前も20年前も自分の中では繋がっていて「過去」ではないという事なのかも知れない。意図的に「想い出の」という感じではなく、昨日好きだった物は今日も好きというニュアンスで30年前の曲も聴けてしまう。
う〜む、そういう事だったのか。

でも同世代とカラオケに行った時に、みんなで甲斐バンドとかチューリップとかツイストなんかで合唱してしまう時に「これでいいのか?」と思ってしまう部分はまだ持ち合わせている。
でも、過去はしょうがねえなと思う。それは本人にとって血であり骨である部分なんだもん。

問題なのは、その血となって骨になった部分が大事なせいなのか、現時点で流行っている物を否定的な意見で語るオッサンなのだ。
最近の音楽は個性がないとか、一過性の物だとか、オリジナリティがないとか、「否定するほどちゃんと聞き込んでいるのか?」と思ってしまうような事を言うのは、ちょっと勘弁。言いたくなる気は解るけどね。
でも、ハッキリ言って70年代の音楽、80年代の音楽に比べて今の音楽はクオリティ高いと思うよ。オリジナリティの部分で言ったら、過去の曲だって「あれって洋楽のアレを参考にしていたのか!」という発見が異常に多かったして、しょせん音楽というのは過去作品のインスパイヤ無しには成り立たない物だという事がよく解るのだ。

過去の曲が一過性じゃなかったなんて、どのクチが言うんだか、という気もする。一過性であるからこそ「ザ・ベストテン」という番組が存在出来ていたのであって、でも好きな人の心の中には残る物は残るというだけの話。(記憶に残っているのは名曲だけで、当時も今もどうしようもないB級Z級の曲は沢山あった)
一過性だったハズの90年代の小室メロディなんかも今聞き直すと、あの時代の記憶が鮮やかに蘇ってくるもん、これなんて一過性であるからこそ時代の記憶とともに永遠に残されていく音楽なんだよ。
そんな事をビートクルセダーズとかフジファブリックとか聞きながら思ったりするのだ。

最近の曲はダメ!というのは、ただ単に時代について行けなくなっただけだと思うよ。それが良い悪いは別として。

|

« 「学習」と「科学」廃刊 | トップページ | TVロケと公開放送というダブルブッキング »

コメント

 『大人のロック!』という雑誌の恐らく団塊世代周辺を狙っているであろう企画意図が大嫌いで、バカヤロー、ビートルズやツェッペリンばかりじゃなくて、昨日デビューしたてのバンドでも大人(何をもって大人なんだか。経済力?)が聴ける音楽を演ってる連中はちゃんといるんだぜっ!と、本屋でWネックを持ったジミー・ペイジを見るたび悪態をついてしまいます。
 むしろこの雑誌、ロックに興味を持ち始めた中学生あたりが読んでいると面白いのに、とも。相対性理論を初めて聴いたとき、これを作ってる人は新しい音楽と過去の音楽を上手く取り入れて、CD再発でいろんな時代の音楽を並列に聴いて育った人だなと思いましたが、ムーンライダーズの鈴木慶一氏はそれを「ヒップホップの手法、いわゆるエディット」と読み解いていて、なるほどと思いました。

投稿: 雷蔵Я | 2009年12月15日 (火) 07時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「学習」と「科学」廃刊 | トップページ | TVロケと公開放送というダブルブッキング »