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2009年6月 3日 (水)

うわー参った!雑学は水物....(ロープウェイの雑学)

2007年4月から「らぶらじ」というラジオ番組で平日毎日『2時のうんちく劇場』と称してうんちくをダラダラと喋っています。
2009年5月から「イブニングeye」というテレビ番組で毎週金曜日『ラブいぜ!しずおか』というコーナーで静岡県の雑学を語っています。


その数年前から単行本も何冊か出させて貰っているのですが、基本的に自分は「昔から雑学とか、こまかい部分の話が好きで、それらを収集している」というのを趣味としてやってきていた。パソコン通信を1992年から、そして1998年からネットで書き殴ってきた。
当然、そんな事が仕事になるとは思っていなかった。
だから、ある意味凄く気楽な気持ちで始めてしまった部分もある。今、そのパソ通で始めた当時に自分が書いた文章を読んだら「何テキトーな事書いているだ、このトンチキ野郎め」と怒り、勢いに任せてガセ検証サイトでも作っちゃうレベルだったかも知れない。

基本的には雑学なんて、先人達が書いた雑学の焼き直しが多いので、やっぱり最初は雑学本を読んで「これマジっすか?」という素直な驚きを、素直なままに「人に教えたい」と思っていた。だからパソ通で書いていた当時なんてのは、書いた文章はその元ネタの雑学本に書いてあった事から1歩も外へ踏み出さないような内容だった。
パソ通時代は読者も多くて100人とか200人(もっと多かったかな?)レベルだったワケですが、インターネットに移行してさらにメルマガを発行すると、読者数は一気に1万人を超えてしまった。ネットでもそれを読むことも出来たので読者はもっともっと多かったと思う。
そうすると、ちょっと医学系の雑学を書くとプロのお医者様から「先日のメルマガで書かれていた件ですが」と訂正や補足メールなどが届くようになってきた。事件や法律ネタの時は警察や裁判所関係の方から、芸能系では実際にタレントの方から、出版関係からでは作家の方からも。プロの方からメールを頂く事が多かったのです。(訂正ではなく、自分が知っているネタが出て嬉しかったのでというのも多かった)
そこで「こりゃ迂闊な事は書けないぞ」という事で、当時サラリーマンだった自分は日曜日に図書館などへ出かけて調べ物などをするようになっていったのです。基本的に調べ物が好きなので、それは苦にはならず逆に楽しかったのですが。

そこで、それまで大量の雑学本で読んでいた雑学ネタが「なんでそこまでしか書いてないんだろう、もう少しツッコメばもっと面白くなるネタが転がっているのに」と思うようになっていったのです。もうその時点で色々メールを下さった方々に大感謝なのです。
そんなこんなでメルマガを発行している間に、ネット内でそれなりに有名になり、ネットで読者をしていた編集者の方から「出版しませんか?」というお誘いを頂き、最初の本『知泉』、そしてかなり好評だったらしく半年も待たずに『知泉2』を発刊したのです。
その時点でも自分は普通の会社勤めをしていて、心の中では「雑学は趣味」という部分が強かった。もちろん人様に向けて発信しているし、単行本は金を払って貰うという前提なので、楽しんで貰いたいし、間違いがあっちゃいけないという心づもりはあったのですが。
それがヒョンな事から、雑学のプロとして仕事をする事になってしまった。

それでも、それまでの延長があるので「アマチュアに毛が生えた程度」という気持ちもどこかにあった。でもラジオのイベントなどで逢う人々は当然自分の事を「プロの雑学師」と思って接してくれるワケです。そう言うことで段々プロ意識を持つようになってきた。
しかし雑学というのはやればやるほど難しい。
実際には凄く複雑な話でサラッと説明出来ないような事例でも、面白い要素があるのでなんとか伝えたい!という事で文章の細かい部分を端折ってコンパクトにする事もある。が、コンパクトにしたために「それ説明不足です」という指摘も受けた事もある。うんうん、御免よ御免よと謝るしかないのだ。
あと時代によって変化してしまう雑学もある。
そんな事を今さっき経験した。

先週ロケにいった「舘山寺のロープウェイ」に関する雑学なのですが、このネタは元々2007年に発行した『静岡県の雑学』にも掲載した物で、すでにこの雑記を更新している時点では放送済みなので書いてしまいますが
☆舘山寺にある浜名湖パルパルにあるロープウェイは浜名湖の湖上を横切る「水上ロープウェイ」ですが、実は現在日本に水上ロープウェイはたった2つしかありません。そのもう一つが伊豆にある淡島に渡る海上ロープウェイなのです。つまり水上を渡る2つのロープウェイはともに静岡県にあるのです。
という事で、これに関して「他にあったらどうしよう」という事で、数週間前からこの件に関して徹底的に調べていった。過去にあった水上ロープウェイも解る限り調べていった。

もっとも古い記録が1914年に上野で開催された「大正博覧会」という展覧会で客寄せアミューズメントとして臨時に設置された「不忍池ロープウェイ」が不忍池の上をが渡った、というもの。
これは日本で2番目に設置されたロープウェイだと言われていますが、展示会終了と共に撤去されています。
日本初の正式な水上ロープウェイは戦後1956年になってやっと登場しています。それが鹿児島県にあった「さつま湖ロープウェイ」
これに関して調べていて引っかかってしまった部分が「2004年廃業」という記録。10年位前にすでに前述の雑学を知っていたので、その廃業年は本当か?と思っていたのです。色々調べて解ったのは1956年に運行開始して、14年後の1969年に運行が終了となっているです。しかし運営会社によるとそれはあくまでも休業という事で、休業から35年経過した2004年に正式に廃業となっているのです。
その次の水上ロープウェイが1958年の「豊島園ロープウェイ」。これは遊園地の遊具としてのロープウェイですが、1年ほどで終わっています。
で、次が今回ロケをした1960年運行開始の「舘山寺ロープウェイ」
その後は1962年運行開始の「奥多摩湖ロープウェイ」ですが、こちらは1966年に運行停止。
そしてもっとも新しいと思われるのが伊豆にある「あわしまマリンパーク海上ロープウェイ」。
このロープウェイの運行開始年が調べても不明だったのですが、とりあえず自分も子供の頃から記憶にあるので1970年より前からあると思います。
この何年か不明ってのを「でも他には無いって事が解ったし、いいか」と放置しておいたことが、後々面倒な事になっていくのです。

そしてかつて聞いたことがある噂話なのですが「水上ロープウェイってのが新しく出来ないのは、80年代に法律が改正されて新たに設置出来なくなったらしいよ」という物がありました。
それ故に、現在運行中の「舘山寺」と「あわしま」が日本にたった2つしかない水上ロープウェイで有り続ける事が出来るって事なのかも知れない。
ロケをする前にその辺を調べようと思っていたのですが、色々とゴチャゴチャしていた事から「ロケが終わった後で調べて、その部分はナレーションで追加しましょう」という事になっていた。
と言うことで、今週になってロープウェイなどの管轄は現在は国土交通省という事で電話をして聞いてみた。
そこで帰っていた答が「ロープウェイを水上に作ってはイケナイという法律はありません。しかし国土交通省としては、ロープウェイはなるべくそのケーブルの下には道や湖や海がない処を選んで下さいと指導をしてます」という事だった。
たとえばロープウェイは切れてゴンドラが落ちた場合、そこまで行かないとしてもストップして宙づりになった場合の救出作業の時、下に道路があったり水面だったりすると作業が困難になるし、二次的な災害も起こりかねないので、水上ロープウェイはオススメ出来ないという事。
さらに、水上ロープウェイの場合は途中に中継の鉄塔が建てられないケースが多い(実際舘山寺のロープウェイはそれなりの距離なのですが、途中に鉄塔は何もない)ので、技術的に難しい部分もあるのでオススメ出来ないという事も大きな理由だそうです。
ま、そんな無理をしてでても観光地に作りたいのなら作ってもいいけどさ。
というのが国土交通省の見解だそうです。そうかぁ。
と言うことで、そういう調べもすんで後は放送を待つだけだなと安心していた。

放送2日前の水曜日にみのりんから電話が掛かってきた。
「伊豆淡島に渡るロープウェイの資料映像があるかなと思ってSBSの映像センターをチェックしたんですが残念ながらありませんでした。そこで淡島ロープウェイに電話をして写真だけでもお借りできないかと思ったのですが、そこでとんでもない事が解ってしまいました。なんと、淡島のロープウェイは今年の2月に運行終了して鉄塔などもすでに撤去してしまったそうです!」
なんてこった!ロケ先でしっかりと「その2つは共に静岡県にあるんです!」と強調して喋ってしまったのに、もう今からじゃ取り直しなんて出来ないっす!あの片道4分しかないロープウェイの中でNGを出しちゃダメだという恐怖と戦って撮影したってのにぃぃぃ!
あぁ前に調べた時に「あわしまロープウェイの運行開始年が解らない」って時にもうちょっと突っ込んでいれば良かったのに!!! 実は去年の暮れに野暮用でこのロープウェイの場所を通った時にはちゃんと運行していたのにぃぃぃ!!!
と後悔先に立たずなのだ。とりあえず放送の方はみのりんがロケ映像が流れた処で上手に「ところが残念な事にあわしまのロープウェイは今年2月で運行が終了してしまったんです」という訂正をサラッと挿入して、何も問題なく展開していたのだ。
感謝感謝!こっちの中途半端な雑学をフォローしてくれてありがとう。

事前のチェックはやりすぎぐらいが丁度いい。これからはシリスギ仙人のヤリスギ調査でいくのだ。

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コメント

水上ロープウェイの調査すばらしいです。
まるで「悪魔の証明」みたいですね。
悪魔はいないという事を証明するのには、世界中をくまなく調査しなくてはいけないという無謀な証明。
水上ロープウェイの事を徹底的に調べて始めて今回の雑学が発表出来るワケですから、たった1行の雑学のために大量の調べ物をするという事が解って、実にためになりました。
それと法律に関した話も、国土交通省に電話をして調べるというのもプロならではですね。
ヤリスギ調査があってこそ、あのような雑学が発表できるワケで、御苦労様です。

投稿: 田端 | 2009年6月13日 (土) 07時58分

大昔のネタに反応していまさらですが、水上ロープウェイは、他にも1970年開業「千羽展望台ロープウェイ」(徳島)、1974年開業「天草海上ロープウェイ」(熊本)、1977年開業「御荘湾ロープウェイ」(愛媛)もあり、御荘湾は海に支柱が建っています。また、正式なロープウェイではないですが、和歌山の有田観光ホテルでは、海上に架かるロープウェイ内に浴槽があり、入浴しながら海上散歩という浴室がありました。現在は、すべて廃止になっていますが。

投稿: | 2015年12月22日 (火) 23時09分

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