« クイズ番組の裏取り | トップページ | 水谷豊「カリフォルニア・コネクション」 »

2008年12月 1日 (月)

アグネス・チャン「冬の日の帰り道」

アグネス・チャン「冬の日の帰り道」
作詞.作曲.小泉まさみ/編曲.竜崎孝路
1975年12月/¥500
ワーナーパイオニア/L-1280W


20081201現在のアイドルが良くも悪くも「隣のお姉ちゃん」的な親しみやすさを武器、というか作られた部分が皆無の状態で親しまれているのに対して、70年代の「アイドル」は現実社会に存在しない架空の生物的な意味合いがあったのかも知れない。
とりあえず「隣の真理ちゃん」や「隣の美代ちゃん」はいたが、いわゆる「アイドルとはトイレにも行かない存在」と冗談めかして言われていた時代もある。

それ故に「香港からやってきた」アグネス・チャン、「沖縄からやってきた」南沙織、というのはある種ストレンジャー的な存在として有効なセールスポイントだったのかも知れない。
特にアグネスはその特徴のあるしゃべり方があったが、ウワサでは普段の打合せではごく普通に流ちょうな日本語をしゃべっていたとも言われているけど。
このストレンジャーな存在が国際化の進んだ70年代後半は段々通用しなくなり、ベトナム出身の「ルーフィンチャウ」や、フィリピン出身の兄弟グループ「クリッパー」などもデビュー時に少し話題になる程度で、それが80年代にパロディ的に究極のストレンジャーとして「宇宙からやって来た3人組アイドル・スターボー」みたいな所までエスカレートしてしまうのだ。

で、アグネスですが彼女は来日した時は本当に日本語を全然理解できておらず、歌詞を全部ローマ字にしてもらい、言葉の意味が理解できないまま、純粋に「音」として歌っていた。
それ故に単語として歌詞を流して歌うことも無かったので、あの特徴的な「オカノウエヒナゲシノハナデ♪」という発音というか、ニュアンスの歌い方になっている。
つまり、日本古来の演歌的な情緒を込めたり感情を込めたりする事もなく、余計な物を挟み込む余地のない純粋音楽が誕生したのだ。
とりあえず歌われている内容については教えられてはいたと思うが。

彼女はその後、上智大学国際学部からカナダのトロント大学へ留学するほどだったので、おそらく早い段階で日本語はマスターしたと思うが、その特殊な発声法の歌は捨てることなく、歌い続けている。
この「冬の日の帰り道」はデビューから4年目、12曲目なので「ニホンゴ、ヨクワカリマセン」の時期ではないが、ファンの期待通りに「ユウヤケ〜カエリミチ♪」とカタコト日本語的発音で歌っている。
実に芸能人としてイメージを大切にしている感じなのだ。

作詞作曲の小泉まさみはポプコン出身(の前から活動していたけど)で「小泉まさみ&こんがりトースト」として人気があった人。
で、この曲のB面には小泉まさみ作曲の「ハロー・グッドバイ」が収録されている。
そう、あの柏原芳恵が歌ってヒットした名曲です。
このアグネスVer.がオリジナルで、その後「ギンザNOW!」に出ていた讃岐裕子がカバーして、それをさらに80年代に柏原芳恵がカバーしたのだ。
ちなみに小泉まさみはアグネスでカタカナで歌う曲という前提の作曲を学んだからなのか、その後、オースマン・サンコンの演歌『アフリカの女』の作曲もしている。

|

« クイズ番組の裏取り | トップページ | 水谷豊「カリフォルニア・コネクション」 »

コメント

僕にとってアグネス・チャンといえば、
「白いくつ下は似合わない」(作詞・作曲/荒井由美)ですね。

とあるブログで、歌詞の内容について、
「白い靴下を履いていた彼が社会人になり、
紺か黒の靴下を履くようになって、
青春が終わっちゃったみたいだ」
という解釈をしている人がいるかと思えば、
「大人の恋に破れた女の子が、もう友達と違って、
白いハイソックスなんか履けないわ」
という解釈している人もいる。

いったいどっちなんでしょ?
(僕は、後者だとずっと思っていましたが…)

投稿: ハシモト | 2008年12月 5日 (金) 12時54分

「白いくつ下は似合わない」の歌詞は
恋に破れた女の子が、もう昔みたいに何も知らずに屈託無く笑うことが出来た少女時代には戻れない
という内容だと思います。
「白いくつ下」は、デビュー当時のアグネスの重要アイテムでしたので、それからの卒業というコンセプトでユーミンが作詞したとか。

「白いくつ下は似合わない」も名曲なのでその内取り上げたいと思います。
ユーミンと松任谷正隆の話や、コーラスワークに関する話題もありますので。

自分にとってアグネスの曲と言えば「恋のシーソーゲーム」ですかね?

投稿: 杉村 | 2008年12月 5日 (金) 14時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« クイズ番組の裏取り | トップページ | 水谷豊「カリフォルニア・コネクション」 »