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2008年11月10日 (月)

フランク永井「WOMAN」

フランク永井「WOMAN」
作詞.山下達郎/作曲.山下達郎/編曲.山下達郎・乾 裕樹
1982年/¥700
ビクター/SV-7222


200811100110月27日にフランク永井が亡くなったというニュースを聞いて、不謹慎ながらまだご健在だったのか!と思ってしまった。
1985年に愛人問題のもつれから自殺を図った事により言語関係に障害を抱えるようになり一線を退いて23年。昭和の終わりからずっと療養生活だったそうで。
自殺未遂からの20数余年は色々あったみたいですが、その後はどうなっているかは不明だった。
牧伸二を数年前、久々に見た時に「♪フランク永井は低音の魅力、牧伸二は低脳の魅力♪」と歌っているのを聞いて「未だにそれかい!」と思ったんですが、確かに「フランク永井=低音の魅力」は代名詞だったよなぁ。

この山下達郎が1982年にプロデュースした「WOMAN」は、凄く軽快で気持ちいい曲。
この曲がリリースされたのと同じ年、山下達郎は近藤真彦に「ハイティーンブギ」なども提供しており(ついでに竹内まりあと結婚)、自分で歌う以外に他人をプロデュースするという方向を考えていたのかも知れない。
でも山下達郎とフランク永井は全然違うフィールドの人という印象だった。

2008111002どちらかというとフランク永井=ムード歌謡のイメージばかりで「有楽町で逢いましょう」を始めとしてしっとりと歌い上げる曲がすぐ思い出されるんですが、実はフランク永井の音楽はジャズから始まったという事で、ポップスも得意としている。
代表曲「君恋し」もちゃんと聞くとロカビリーぽい味付けがされているのだ。この曲のオリジナルは昭和4年に二村定一が歌ったモノで、フランク永井Ver.ではバックのピアノがちゃんとロカビリー系三連を刻んでいるし、ベースがスタッカート気味で凄く気持ちいい。ちゃんと聞くとムード歌謡なんて小さなジャンルで収まってはいないのだ。
しかしフランク永井の歌は低音の魅力もありながら凄く軽い。この重さで軽いってのは才能なんだろうなぁ。
そういう意味でちょっとミスマッチのようでもあるけど、山下達郎とフランク永井の繋がりは無理がないのかも知れない。

2008111003でも、贅沢な事を言えば「WOMANという曲は、なんかイマイチお互いの魅力を出し切っていない」という感じ。
山下達郎の高揚感のあるポップス趣味と、フランク永井の低いけれど軽快な歌声が完全に融合していない。互いに探り探りやっているような気がしてしまうのだ。
まだ1982年当時、山下達郎は大御所にまで上り詰めていない新進気鋭のアーティストだったので、超大御所歌手フランク永井を徹底的に作り直す事は出来なかったって事なんじゃないかなぁ。(ジャケットデザインは遊び倒していますが)

ちなみに「ムード歌謡」というジャンル、未だに当時から引き続いて活動中のグループはいますが、世間的には終わったジャンルのような扱いなんでしょう。しかし実際には形を変えて生き残っている。
それがビジュアル系と呼ばれているバンドの曲。
とりあえず連中にとってはスローバラードのつもりなんだろうけど、明らかにロックテイストが希薄で、演奏でドラムを倍速で加えたり、ディストーションでギュゥィンと入っても、そこにコーラスでも入れば一瞬にして夜のネオン街のムードになってしまう曲が異常に多いのだ。
とりあえずメイクをしているので「ビジュアル系」とか言われているけれど、80年代末から90年代初頭は『耽美派』と呼ばれていた。が、それらを支持する人々が「耽美」という言葉を読めないし意味も理解出来ないので「ビジュアル系」という名前に変わっていったもの。
あと、70年代末、高校時代に友達が「演歌とかムード歌謡ってダサイよな」とか言いつつ、当時流行っていたヤマトの主題歌「真っ赤なスカーフ」を歌っていたのを「それがまさにムード歌謡なんだが」と指摘した事もある。なんだかんだ言ってみんなムード歌謡好きなんだよ。
自分は嫌いだけど。

2008111004ちなみにフランク永井の代表曲「有楽町で逢いましょう」は、関西系だったそごうデパートが東京進出の際にメディア戦略として、大映で映画『有楽町で逢いましょう』を制作した時に、その主題歌として創られた曲。
しかも最初は、当時・西鉄ライオンズにいた豊田泰光が歌う企画だったモノが、色々あってフランク永井になった。
推測でしかないけど、そごうデパートが讀賣会館のテナントだったので西鉄の選手はダメって事だったのかな?
筒井康隆が『笑犬樓』シリーズ(〜よりの眺望だったか、〜の逆襲だったか)で歌詞の「濡れてこぬかと気にかかる」が「濡れて小糠と気にかかる」に聞こえると書いていたけれど、どうやらあそこの歌詞はもともと「小糠雨」との掛詞になっているらしいです。

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