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2008年11月 2日 (日)

ちゃんちゃこ「空飛ぶ鯨」

ちゃんちゃこ「空飛ぶ鯨」
作詞.作曲.みなみらんぼう/編曲.萩田光雄
1974年/¥500
フィリップス/FS-1808


2008110201この1970年代初期は何故か鯨という生き物がよく空を飛んでいたみたいで、1972年に大滝詠一がソロシングルとして「空飛ぶくじら」という曲を出し(BEATLESのYour Mother Should Knowにかなり似ている)、1974年イルカがシュリークスというグループで「くじらのスーさん空を行く」という曲を歌い(アルバム曲で旦那の神部和夫&吉田拓郎の曲)、そしてこのちゃんちゃこが「空飛ぶ鯨」という曲を歌っている。
なぜ? と言うことで、この時期にイマジネーションを刺激するような物があったのか? と調べてみたんだけど、イマイチ確信が持てる物がなく断念。
ということで、あんまり世間的に知られていない「ちゃんちゃこ」というグループのお話。

60年代から始まった中津川フォークジャンボリーに代表されるプロテスタントソング、メッセージ性のあるフォークが70年代初頭の学生運動終焉と共に、真逆にある「四畳半フォーク」に変質していったワケですが、その「軟弱」を煮詰めたような「やさしさ」がキーワードの2人組。
この時代、自分はアコースティックギターを弾き始めた事で、しかも小学校高学年から中学に掛けてという、目も当てられないぐらいにちょっぴり知った世の中の仕組みだけで「俺はもう何ンでも知ってるんだもんね」とばかりに増長してしまう、リアル中二病が発症中だった。
基本的には「やっぱ拓郎だよな(岡林信康や加川良とか友部正人なんかにはまだ手が出せない)」とか思っていて、いつでも心の中では「人間なんてララララ〜ララ〜♪」という感じだったワケですが、残念な事に「ギター弾いてるのは女子にもてたいため」という大前提があったので、女子の前では「かぐや姫が好き」とか、もっとポリシーを曲げて「NSPっていいよねぇ」とか言っていたのだ。この軟弱者が。

2008110202おそらくほとんどの人が「ちゃんちゃこ」というグループを知らず、残りの人も「空飛ぶ鯨」「黄色いカラス」あたりをうっすらを記憶している程度かも知れない。
同時期の同傾向グループでは「とんぼちゃん」とか「ふきのとう」はそこそこ売れて知名度もあった。
そんな中で「ちゃんちゃこ」というグループを知ったのは、当時自分にとって生活の中心だった夕方の情報番組『ぎんざNOW!(TBS)』に何度か出演していたからだった。
とりあえず、この「空飛ぶ鯨」は環境問題を歌っていて「昔々くじらは森の中で暮らしていたが次第に追いやられて海に沈んだ」という設定で、「そのくじらたちが今では海でも暮らせなくなってついに空に逃げ出した」という事を歌っている。しかも二番の歌詞では「50年時が過ぎ宇宙を夢みているくじらたちは次々に墜落され、魂だけが飛んでいった」という救われない終わり方をしている。
そのメロディとアレンジがすごく軽いのでよけいに悲しみを誘うって感じなのだ。
作詞作曲のみなみらんぼうはこの時点ではよく解らない痩せたオッチャンだったが、1976年に「山口さんちのツトムくん(歌.齋藤こずえ)」で大ヒットを飛ばすことになる。

で、「空飛ぶ鯨」や「黄色いカラス」はギターで弾くのも簡単な曲でチャラチャラ弾いていた記憶もあるけれど、当時自分が必死に練習していたのが、先ほども出てきた『ぎんざNOW!』に時々出演していた甲斐バンド。2枚目のシングル『裏切りの街角』はイントロや完奏部のコード進行が無茶苦茶カッコイイのでとにかく指がボロボロになるまで練習していた。今思うと「アコースティックギターで演奏するのには無理があるんじゃないか」という事だったんですが。
そんなこんなで中学時代の自分は『ぎんざNOW!』が作り上げたと言っても過言ではない。
この番組は関東ローカルの番組だったので、知らない人も多いかもしれませんが、インターネットが無く情報がとにかく少ないあの時代。毎日毎日、夕方5時までに家に帰る事がなによりも大事だった。月曜から金曜まで、濃厚な音楽・ファッション・文化・お笑いの最新情報が詰め込まれていて、それを片っ端から吸収していた。(でも、暴走族的な連中が「男とはこうあるべきっす!」みたいな硬派きどりのコーナーは苦手だった)
そこでデビュー当時の甲斐バンドが「かりそめのスィング」「裏切りの街角」なんかを演奏していた。
他にも「ダウンタウンブギウギバンド」とか「Char」とか「ハリケーン」「コンディショングリーン」「紫」などのかなりマニアックなバンドも出てました。素人時代の「シャネルズ」とかも。
他には「純アリス」とか「讃岐裕子」「三木聖子」「小山セリノ」「久我直子」とか、他の番組で見たことあったけ? という感じのアイドルも色々と。

2008110203なんか「ちゃんちゃこ」を聞いていると、自分の原点ともなる中学生時代の嫌な嫌な「俺って同級生の中で一番トンがってんじゃねえ?」と思いこんでいた時代が蘇って来る。気分が高揚するんだか萎えるんだか解りませんが。
で、ちょっと説明しなくちゃいけないのが、実は自分が生まれ育ったのが伊豆の付け根で、ここがテレビ放送に関しては特殊な場所なのです。一般的に静岡の放送局はこの当時はNHK2局と民放3局だけで、実はTBS夕方の「ぎんざNOW!」はネットされていなかった。
しかし自分の住んでいる地域は東京のチャンネルがケーブルで視聴できるエリアだったのですよ。
それ故に同じ学校の中でも「静岡チャンネル」を見ている人と「東京チャンネル」を見ている人と別れていて、情報量が違っていたワケ。
だから同級生が「今度始まった仮面ライダーってカッコイイよな」と言っているのを横目に「もう2号ライダーだもんね」と優越感に浸っていたのだ。他にもタモリがデビューしたテレビ東京「空飛ぶモンティパイソン」もリアルタイムで目撃している。
そこで自分は「ぎんざNOW!」で最新の情報を仕入れ、同級生に「これ知らないだろ」と自慢げに話していたのだ、嫌な嫌なリアル中二病患者。

てなわけで、そのうち『ぎんざNOW!』についても書かなくちゃいけないなぁと思ったりもする。自分の原点を見つめ直す意味で。マジにこの番組で自分のコア部分が形成されている。
だから、いくら世間がバカにしていようとも『ぎんざNOW!』の司会をやっていた、せんだみつおを今でも悪く思えないのだ。

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