« 少年隊「仮面舞踏会」 | トップページ | 石川秀美「Hey!ミスター・ポリスマン」 »

2008年9月 9日 (火)

フィンガー5「個人授業」

フィンガー5「個人授業」
作詞.阿久悠/作曲.都倉俊一/編曲.都倉俊一
1973年/¥500
フィリップスレコード/FS-1757


2008090901ジャケ違い盤です。
1枚目は見開きジャケットで裏面にフィンガー5の写真があります。おそらくこちらが初期盤で、2枚目はジャケットが1枚の紙になった為、裏面の写真を表にもってきたという感じです。
しかし、なぜ水島新司なんですかね?
このシングルが出たのは1973年で、前年より「ドカベン」が始まっていて(まだ柔道マンガの頃?)、1973年から「あぶさん」が始まった頃なので、とりあえず人気があったんだろうけれど、なぜフィンガー5に水島新司なんだろうか。
見開きジャケットの内側には、水島新司がこの兄弟の誕生からデビューに至るまでのストーリーを10コマ漫画にしている。
もっとも、最初は「ベイビーブラザース」という名前でデビューしたとかの話は無く、フィリップスからデビューする前に「フィンガー5」名義で(キングレコードかな?)「キディキディラブ」というシングルを出しているという話は一切なしで、長いレッスンを経てついにこのシングル「個人授業」でデビュー!という話になっている。
ちなみにこのシングルの時点でメインボーカルのアキラはトレードマークの眼鏡をかけていない。

2008090902で、このシングルなんですが、出だしがシュワシュワシュワという感じにベースに思いっきりフェイザー(フェイズシフター)を掛けていて、その音色だけで気分が高揚してくる。
子供の頃、このレコードを聴いた時に何か異質な感じを受け、それがずっと引っかかっていたんですが、後にそれが判明した。
このシングル、録音技術が異常に高いんですよ。今聞いても凄いんですが、この時代の歌謡曲としては異例のドラムが完全にステレオ録音になっている。
1973年と言ったら、歌謡曲は「わたしの彼は左きき:麻丘めぐみ」「色づく街:南沙織」辺りがポップな曲なんですが、ドラムはおそらくモノラル録音。特に「わたしの彼は左きき」なんて出だしがドラムソロでドッドスドドドッと始まっているのに、完璧にモノラル。でも当時はこれが当たり前だったんですよ。
ところが「個人授業」ではドラムのタムがスタッタムタッと右から左に流れる。ちょっとリズムがモタっている感もあるけど、なんでこんな録音がこの時代に出来ているのだ?と思ってしまう。

さらに重厚なブラス(当然、生ホーン)もステレオで左右に広がりフィンガー5の後側からうわぁぁんと被さってくる。もちろんフィンガー5のコーラスも「何故に?」と思うぐらいにステレオ感を感じる。
数年前に出た「Finger5 Golden★Best」というCDでは、オリジナルカラオケも収録されていて音だけに集中して聞くことが出来る。
その演奏と録音技術、そしてミキシング技術はいったい何?という感じで、ほとんどオーパーツを発見した冒険家のような心持ちで何度もカラオケだけを聞き直してしまうのであります。

が、「Finger5 Golden★Best」には他にも「恋のダイヤル6700」と「学園天国」のカラオケも収録されているんですが、こっちはドラムはモノラル録音。「恋のダイヤル6700」は他の楽器はそれなりのステレオ感なんですが、「学園天国」に至ってはステレオで聞く必然性まったく無い録音になっている。完奏部分ではドラムソロもあるのに、普通にリバーブが掛かっているだけで「個人授業」の様な高揚感のあるフェイザーなんてどこにも無い。(逆に「恋のアメリカンフットボール」のドラムには掛けすぎていて、腰がないフシャッフシャッという音になっている)
うーむ、この「個人授業」だけが何もかも異常にレベル高いってのは何なんだろう。
そして、それに応えるようにアキラのボーカルもテンション高く、完奏部分でのシャウトが当時12歳だったとは思えないほど完成されている。

2008090903この曲は阿久悠・都倉俊一コンビなんですが、この二人は山本リンダ→フィンガー5→ピンクレディという流れで日本中にディスコ歌謡を浸透させていくのですが、実は「個人授業」には元ネタがあって、山本リンダの「狂わせたいの」のB面「もっといいことないの」という曲が、あきらかに同じメロディ、同じコード進行で作られている。ベースなんかも少し大人しめだけどそのまんま。
B面と言えば「個人授業」のB面「恋の研究」は長男・玉元一夫の作曲で、こっちもムチャクチャ良い曲。
ジャクソン5の影響受けすぎって感じではあるんですが、単純にアキラのボーカルを活かすにはどうしたら良いかという事を前提に作られた曲で、出だしのフッフゥンヒッゥ〜♪というフリーキーなボーカルにやられちゃいます。録音はA面と同じように高水準で、今聞いても全然古くない。

このブログでは、普通に音楽を聴いている人に楽しんでもらいたいので音楽技術的な話はあんまし書かないつもりなんですが、この曲に関しては興奮してしまいます。いかんいかん。
今回これを書くために聞き直した時も、10回以上リピートしてしまった。
自分はこの曲を小学校の時に聞き、その後の70年代ソウルブームも経験しているんだけど、この曲以上に音も歌もカッコイイ曲は無いんじゃないか、と今でも思っているのだ。

|

« 少年隊「仮面舞踏会」 | トップページ | 石川秀美「Hey!ミスター・ポリスマン」 »

コメント

あんた凄えよ、どっかの雑学王に爪の垢でも飲ませたい。

投稿: カダ | 2008年9月11日 (木) 22時53分

フィンガー5「個人授業」レコードより
http://jp.youtube.com/watch?v=qvHO23Hf1Jc&fmt=16
フィンガー5「個人授業」当時の映像
http://jp.youtube.com/watch?v=AI205AOLFFs

投稿: ようつべ | 2008年9月14日 (日) 10時19分

うぉぉ~っ!
なつかしぃ~っ!
そーそー、最初のジャケットはこれでしたね~。
なぜか水島新司さんでしたよね~。笑
「個人授業」のイントロが初めてテレビから流れて来た時の衝撃と感動は、今でも忘れません。
当時、自分が卓上レコードブレーヤー使ってたんで、残念ながらステレオ録音だったことには気がつきませんでしたが(笑)とにかくめっちゃ斬新で時代の先を行く思ったことは確かです。
個人授業も学園天国もその後、いろんな方にカバーされていますが、やはりオリジナル(特に晃の歌声)に叶うものはいまだにお目にかかっておりません。

実は、先週の9月21日に浅草で行われた晃さんのライブを34年ぶりに見に行ってきたんですー。
そのことを自分の日記に書こうとして、個人授業について調べようと検索していたらこちらにヒットしたので、懐かしさのあまり、ついコメントさせていただきました。
晃さんはすっかり大人になっていて、声もすっかり変わってましたけど、往年のヒット曲を交えてのライブはとても楽しかったですよ~。

投稿: まゆっち | 2008年9月29日 (月) 00時11分

投稿: まゆっち | 2008年9月29日 (月) 00時12分

「個人授業」は本当に凄いレコードでした。
単純に曲がいいとかフィンガー5が上手いとかいうだけではなく、1つのパッケージとして、曲と歌と演奏が奇跡的に融合してます。たしかにこんなカッコイイ曲はめったにありません。

フィンガー5は「個人授業」で頂点を極め、次の「恋のダイヤル...」でかろうじて面目を保ち、「学園天国」で決定的な劣化が始まったという感じでしょうか。
それが今では「学園天国」以外は忘れられているのは、どうしたもんかと。

あともう1つ、「個人授業」に迫るカッコイイ曲として、桜田淳子の「黄色いリボン」を聴き直してほしいですね。

投稿: gemankio | 2008年10月27日 (月) 03時51分

そういえば「個人授業」のジャケットは、
ロゴがおんなじで水島新司の絵を使っていない、
5人の写真だけのバージョンもありましたよね?

投稿: gemankio | 2008年10月27日 (月) 04時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 少年隊「仮面舞踏会」 | トップページ | 石川秀美「Hey!ミスター・ポリスマン」 »