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2008年9月20日 (土)

中山千夏「あなたの心に」

中山千夏「あなたの心に」
作詞.中山千夏/作曲.都倉俊一/編曲.大柿隆
1969年9月/¥370
ビクターレコード/SV-1056


2008092001別段、秋は関係ない曲です。
でも、空気がサラサラして風が気持ちよくなってくると、ついつい風通しがよい曲を聞きたくなってくる。という事で、ふと口ずさんでしまったのが「あなたの心に」。
自分的にはあまりリアルタイムではないのですが、中学時代に手にした歌本に掲載されていたこの曲は好きでよく歌っていた。
中山千夏の声は物心付いた時にはすでにテレビから流れていて、「ひょっこりひょうたん島」のハカセの声としてもっとも深い記憶に刷り込まれているせいなのか、この曲を聞くとメロディの優しさと同時に声だけで幸せな気分になってしまう。
この曲は何人もカバーしていますが、どの曲もなんか違う。中山千夏の「♪私ひィッとりで〜吹かれッてみたいなぁ♪」のフレーズで聞くことが出来る微妙に笑っているような声質を超える事は出来ないと思うのだ。

「ひょっこりひょうたん島」は1964年から1969年まで1224回も放送されたけれど、現存しているテープはたったの8本。同じように名作と言われているのにDVD化も出来ない中山千夏主演ドラマに「お荷物小荷物」という作品がある。
1970年の作品で、志村喬が演じる軍国主義に凝り固まったじいさんが中心となった男尊女卑あたりまえの家庭に沖縄からやってきたお手伝いさん中山千夏が巻き起こすドタバタ喜劇で、当時のヌーベルバーグ映画ジャン・リュック・ゴダール「彼女について知っている2、3の事柄」などに影響を受けて『脱ドラマ』を目指していたそうです。
自分はまだ小学生だったので、なんか記憶の片隅で「なんじゃこりゃ」ぐらいの印象しか無かったんだけど、ドラマの最中に突然出演者がカメラに向かって独り言を言ったり、ストーリーもその場限りのような部分もあった(ような気がする)。
「お荷物小荷物」は主人公が沖縄に帰った所で話は終わる。しかし翌週も主人公が居なくなったままドラマは続いていて、そこに中山千夏が今度は北海道から来たアイヌの娘として登場し、続編「アイヌ編」として続く。(この辺は記憶に無いのでその後読んだ資料から)

脚本は佐々木守なので左翼的な部分も多分にあり、実際の事件「よど号乗っ取り」などもドラマの中で話題として出てくる。
このドラマの中で中山千夏が演じた主人公が沖縄出身だったり、アイヌ出身だったりするのは、アイヌ民族解放や琉球独立運動にも佐々木守が多大なる関心を寄せていたからで、アイヌ編では中山千夏の部屋には『北方領土返還』などの張り紙があったらしい。
その事もあったのか(当時のドラマは残っていない物が多いですが)現存しているテープはアイヌ編の最終回だけ。
中山千夏はこのドラマの打ち上げで「もうドラマには出ない」宣言をして、その後はタレント的活動をしながらエッセイ執筆や言論活動を始め、ウーマンリブ・反差別・反戦などの市民運動に傾倒していく。もしかしたら、このドラマが影響しているのかも知れない(このドラマの音楽担当・佐藤允彦と結婚→離婚もしている)。

政治的な事はよく解らないし、女優としての活動もよく知らないけど、自分にとって中山千夏は「あなたの心に」とアニメ「ドロロンえん魔くん」の主題歌を歌っていた人なのだ。あとアニメ「じゃりン子チエ」のチエちゃんもあるか。
しかし歌詞を読み返すと、恥ずかしくなるほど素直でまっすぐな内容。自分のひねくれた部分が恥ずかしくなってしまうのだ。
色々面倒臭い事は世の中に多いけれど、もっと素直でいいじゃないか、前向きに希望を語ってもいいじゃないか、と思ってしまう。

ちなみに編曲の大柿隆は初期かぐや姫で編曲なんかもやっているけど、一番有名な編曲は「ゲゲゲの鬼太郎」の一番最初のVer.、熊倉一雄が歌っている主題歌の編曲をやっている。

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コメント

ううっ、またやられた。路線からシュガーベイブや大貫妙子かと思ったら「千夏っちゃん」でしたか。
「お荷物小荷物」覚えています。自分(千夏)の部屋から出るとき地図らしき物を見ながら「よしっ!」と言いながら(うろおぼえ)戦いに出る感じだった。いい加減な兄ちゃん(林隆三)と泣き虫の弟(佐々木剛)が印象的でその後仮面ライダー2号になった佐々木氏を見たとき「えーっ、なんでー?」と思ってしまった。
志村喬がバリバリの侍で、「根性たたき直してやる!」と自分の部屋に千夏ちゃんを閉じこめた所、いきなり脱がれてへなへなになった志村喬が部屋を飛び出してきた。小学生のわたしゃ鼻の下がびろ〜んと長くなっていた事を思い出します。
いやいや、歌の話でしたね。
あのさび部分でヒュッとあがる歌声、さわやかでしたよね〜。(ってそれだけかい!)

投稿: じゃりんこテツ | 2008年9月23日 (火) 10時17分

中山千夏「あなたの心に」
http://jp.youtube.com/watch?v=oo-TRCeMxrA

投稿: ようつべ | 2008年9月23日 (火) 10時38分

Re:じゃりんこテツ
あ、仮面ライダー2号はこのあとでしたっけ^^?
たしか佐々木(一文字隼人)がピンの場面で、最後に変身のポーズを決め「トウッ!」と言いながらカメラから消えるギャグがあったように覚えているけど、あれは「アイヌ編」だったか・・・
あと中山千夏の突然の結婚発表がオープニングにあったとも記憶してるんですが、まちがいかな?
だいたい同じ時期に『天下御免』に出演していた林隆三、ダメ長男ぶりを魅力的に演じた河原崎長一郎、姑息な浜田光夫といまからみると豪華なキャスティングでしたね^^

あと、中山千夏の歌だと、中学生日記(でしたっけ?)の『なかま』ってのがある年代まではポピュラーだった気もします^^「あいつが、ときどき、大人びて・・・・」という歌いだしのやつです。
まだ大学に在籍中だった都倉俊一は、「あなたのこころに」でポルシェを買って通学していたそうですね(阿久悠談)。当時本人は歌謡曲が嫌いでツェッペリンのような音楽を好んでいたそうです(中山千夏談)

投稿: discussao | 2008年9月24日 (水) 02時43分

「お荷物小荷物」「仮面ライダー」ほとんど同時期だっかもしれません。ギリギリ「お荷物小荷物」が先(70年10月)だった様です。当時「本郷猛(藤岡弘、)が骨折したから仮面ライダー終わるらしいぜ。」と小学生の間で噂されていた所へ一文字隼人(佐々木氏)の登場「えぇーっ」となった訳です。
まっ、地方人の悲しさで「それ2週間前に観たー。」と東京チャンネルの映るブルジョアな同級生も数人おりました。

投稿: じゃりんこテツ | 2008年9月24日 (水) 09時10分

洋楽も邦楽もさっぱり馴染めなくなって、
最近は60〜70年代の曲を聴くようになりました。
中山千夏の声は好きでしたね。
ちょっと年代があとになりますが、
本田路津子や、やまがたすみこなんかも今聴くと心に染みます。weep

投稿: ハシモト | 2008年10月14日 (火) 12時51分

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