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2008年9月25日 (木)

麻丘めぐみ「悲しみよこんにちは」

麻丘めぐみ「悲しみよこんにちは」
作詞.千家和也/作曲.筒美京平/編曲.高田弘
1972年10月/¥500
ビクター/GAM-5


2008092501『悲しみよこんにちは』と言うタイトルはよく出来たタイトルで、この短い字数の中に色々なドラマを喚起させます。淡々と悲しみを受け入れる様子が、泣き叫ぶような悲しみよりその痛みの深さを感じさせるのかも知れません。
それ故に、何度もこのタイトルは歌謡曲に流用されている。
1972年に麻丘めぐみが、1986年に斉藤由貴が、1989年には高岡早紀が同名タイトルの曲を歌っている。
ついでに1982年に川田あつ子が「秘密のオルゴール」というシングルのB面で「哀しみよ今日は」というタイトルの曲を歌っている。川田あつ子と斉藤由貴の両方の詩を書いているのは松本隆。
って事ですが、元々「悲しみよこんにちは」と言ったらフランソワーズ・サガンの小説のタイトルなのだ。
自分はサガンの小説は読んでいないけれど、映画「悲しみよこんにちは」を見ている。
で、その映画の中でシャンソン歌手ジュリエット・グレコが主題歌「悲しみよこんにちは:Bonjour Tristesse」を歌っている。つまり「悲しみよこんにちは」というタイトル曲の元祖はこれなのだ。

斉藤由貴Ver.「悲しみよこんにちは」
2008092502映画「悲しみよこんにちは(1958)」の主人公セシルを演じたジーン・セバーグはショートカットのカワイ子チャンで当時20歳。1979年に40歳でちょっと謎のある亡くなり方をしている。
自分が初めてこの映画を見た時すでにこの世に居なかったのですが、セシルの自由奔放で可憐で強くて弱い姿にドキドキしました。
そのセバーグが演じたセシルから、ベリーショートの髪型を「セシルカット」と呼ぶようになりました。
その後日本では九重祐美子がセシルカットで「コメットさん」を演じ人気者になっていました。(時代的には9年ほど経過していますが、コメットさんはセシルカットですよね?)でもって、そのコメットさんの髪型を真似していたのかは不明ですが自分の通っていた幼稚園の保母さんがまさにそんな髪型で、自分の中で「コメットさん=保母さん」が繋がっていて、その後のショートカット好きに自分の中で昇華していくのだ(って、そんな自分語りは聞きたくないって?)

高岡早紀Ver.「悲しみよこんにちは」
2008092504_2で、麻丘めぐみの「悲しみよこんにちは」ですが、デビュー曲「芽ばえ」がヒットしたのを受け、この2ndシングルは路線として同じ曲調を踏襲している。
イントロは「芽ばえ」と同じく軽やかなストリングスで始まっているが、この編曲をした高田弘はストリングスを使ったアレンジを上手く使う人で、桜田淳子の「天使も夢みる」「わたしの青い鳥」ちあきなおみ「喝采」などが代表曲。
麻丘めぐみはデビュー曲の「芽ばえ」が大ヒットして、この曲が発売された年末もまだそのヒットの余韻が続き、そのままレコード大賞最優秀新人賞を「芽ばえ」で受賞している。そのためなのか、この「悲しみよこんにちは」は余計に印象が薄くなっている。
そして、年明け早々の1973年1月に「女の子なんだもん」という、前2曲とはタイプの違う曲をリリースしている。しいて言えば「南沙織タイプの曲で、しかも声量が無くても歌える曲」という感じなのだ。
麻丘めぐみと南沙織、共に作曲を担当しているのは筒美京平ですが、その辺の計算はあったと思うのは、「女の子なんだもん」の編曲は高田弘に代わり筒美京平が担当している。
しかも「女の子なんだもん♪」という女子力を前面に出した振り付きの曲で、「芽ばえ」「悲しみよこんにちは」で歌われていた受け身の女の子をさらにパワーアップした「積極的に受け身を相手に押しつける女の子」としてイメージを増幅させている。それが「わたしの彼は左きき」などのヒットへと続いていくことになる。

川田あつ子:B面が「哀しみよ今日は」
2008092503そう言う意味でこの「悲しみよこんにちは」は地味で、あまり記憶に残っていない曲かもしれない。
そして疑問なのが、歌詞を読んでいても「悲しみよこんにちは」というタイトルにあまり繋がらない内容だという事。逆に歌詞の最初が「ちいさな幸せつかんだら、悲しい想い出捨てましょう」と幸せに対して前向きなのだ。
いわゆるタイトル先行の企画として考えられたのかなぁ。
ちなみに、この時代の女性アイドルはストレートロングが多い。前述の南沙織、アグネス・チャン、小林麻美、奈良富士子、そして麻丘めぐみ。それと逆らうように、同時期始まったスター誕生出身歌手はショートが多いのも特徴的。森昌子、桜田淳子、山口百恵など。
特に麻丘めぐみはストレートロングにアクセントとして、サイド部分を頬辺りでカットして少し前に流している。これを当時「お姫様カット」と呼んでいたのですが、小学校の時、同級生で髪型を真似た子がいたが男子の間では評判が悪かった。お姫様カットが評判悪かったのではなく「麻丘めぐみとは全然違う」という事で。

自分は南沙織派で「芯があってちょっと気が強そう」というタイプに惹かれていたワケですが(だから自分の趣味の話はいいって)、「か弱そうで守ってあげたい」というタイプに惹かれる男子には麻丘めぐみはかなり人気があったワケです。

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コメント

やっぱり女子はロングでしょう。
梶原一騎の愛と誠、早乙女愛(お姫様カット)に始まり小林まことの1、2の三四郎の志乃ちゃんで終わる。
ショートカットで思い出すのはツイギーか紅井雪居出(べにいゆきいで)あたりかな。

音楽夜話に筒美京平氏の名前がたくさん出てくるんですが、オマージュや日本人ごのみの曲作りについての考察まいど関心して読んでいます。

投稿: ばら太郎 | 2008年9月27日 (土) 17時06分

麻丘めぐみ「悲しみよこんにちは」音のみ
http://jp.youtube.com/watch?v=FCMRmpkGFmg
斉藤由貴「悲しみよこんにちは」
http://jp.youtube.com/watch?v=7FP9dqDt_hM&feature=related
高岡早紀「悲しみよこんにちは」
http://jp.youtube.com/watch?v=5x6b132fiaU

おまけ:川田あつ子「秘密のオルゴール」ビックリするぐらいに歌が....
http://jp.youtube.com/watch?v=RiARwu2htoc

投稿: ようつべ | 2008年9月28日 (日) 10時59分

 「悲しみよこんにちは」はタイトル先行の企画曲ですね。曲の内容とはあまり関係がないようです。
 プレミアム・ボックスの中の記載によりますと、「女の子なんだもん」はアルバムの中にあったものを麻丘めぐみさんご自身がヒットソングにと推したそうです。見事な見識でしたね。

投稿: 大朝 (オオアサ) | 2009年8月30日 (日) 23時25分

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