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2008年8月20日 (水)

南沙織「夏の感情」

南沙織「夏の感情」
作詞.有馬三恵子/作曲.編曲.筒美京平
1974年00月/¥500
CBS SONY/SOLB-153


2008082001夏のシングル第3弾として南沙織シンシアです。
作曲&編曲が私が尊敬する筒美京平先生なんですが、このグルーブ感がたまりません。
凄い疾走感を感じる。
この筒美京平という人、そのメロディの柔軟性はさることながら、何より凄いのは歌手の力量を的確に計って、いかにその歌手の気持ちよい声を引き出すかという技術力、いわゆるプロ作曲家として職人技を見せてくれる所なんです。

2008082006筒美京平が70年代に担当していた歌手は沢山いるのですが、
たとえば郷ひろみにはあの甘い鼻に掛かった声をいかに甘く聞かせるか、
たとえば岩崎宏美にはあの出だしからギューンッと張りのある声をいかにストレートに聞かせるか、
たとえば太田裕美にはあの舌足らずの声をいかにシャープに甘く聞かせるか、という事を凄く重要視していた事を感じる。
上記歌手が一見ずっと同じようなポップスを歌っているように聞こえても、筒美作品以外の場合はそのメロディによる表現力が違って感じるのだ。

2008082007そういう意味で、この南沙織「夏の感情」は編曲まで担当しているので、メロディだけでなくアレンジまで南沙織のグルーブ感のある歌声を生かし切っているのだ。出だしのホーンなんてもう70年代フィリーソウル的なカッチョ良さで(筒美先生は日本人向けの翻訳がやはり上手いのだ)
アイドル的な印象で聞いてしまうとびっくりするぐらいに南沙織の歌い方はファンキーで黒い。安易な言い方をしてしまうと「やっぱ沖縄育ちは子供の頃から環境が違うので、バリバリ日本人は敵わないよナァ」って事になってしまうのかも知れない。
サビに入った時の「♪お陽様の真下でぇ」という部分のキュンと音圧が上がるような歌唱法、ブリッジ部分の「ア、ア、ア、ア〜」という部分のファンキーさはなかなか出せないと思うのだ。

2008082008
で、このシングルの凄さはそこだけではなく、クレジット部分に作詞・作曲・編曲だけではなく「演奏/キャラメル・ママ」と演奏しているスタジオミュージシャンのグループ名まで入っているという事なのだ。
なかなか歌謡曲のレコードでそれはない。とくに1974年の段階で。
で、このキャラメル・ママというバンド。リーダーでベースが細野晴臣、ギターが鈴木茂、ドラムが林立夫、キーボードが松任谷正隆というムチャクチャ豪華なスタジオミュージシャンバンドなのだ。(後にティンパンアレイに改名)他にアグネス・チャンなども担当していた。

この時代、リズム隊は今より抑えめにミキシングされているんですが細野のベースがグイグイと疾走し続け、松任谷のキーボードがメロディの裏でウィーンとうなり続ける。
実際の事を言うと、筒美京平のアレンジがホーン中心なのでイマイチ細かい演奏は聞こえないけれど、細野のベースに引っ張られて全体が熱く、その疾走感は充分に感じる事が出来る。

2008082003ということで「夏の曲シリーズ」前2曲で「夏なのに熱くなるような曲やるな!」と言っていたのですが、この曲は熱くなってしまいますなぁ。
ちなみに歌詞の方はなんかヤケに積極的で開放的な内容になっております。
これまで付き合った全ての人を許してあげたいって事で「私のどこかを通り抜けた人たち」とか言ってますが。でもって太陽の下だったら誰でも受け入れてもいいわ、とか言っております。なんか冷静に聞くととんでもない歌詞だな。夏の出来事、みんな許せる〜♪と最後リピートしております。
(いつかアグネスの「恋のシーソーゲーム」も取り上げたいと思います。こっちはキャラメルママの演奏がバッチリでやんす)

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コメント

南沙織、いいっすねぇ…。lovely

リアルタイムで聴いていた当時は、
歌謡曲なんて…、とバカにしてたんですが、
今聴くと、とっても癒されます。

しかし杉村サンちって、国会図書館並みに、
雑誌のバックナンバーが揃ってますねぇ。

以前お邪魔した時も、
漫画喫茶のような部屋の佇まいと、
こんなビデオまであるのぉっ? という、
キョウガクの秘蔵映像に、狂喜乱舞したものでした。

個人レベルとしては、
良質のアーカイブと言えるのではないでしょうか。
また、お邪魔したいものです。

我が家のように、
ストリートビューに狙われませんようにsmile

投稿: ハシモトって言います。 | 2008年8月23日 (土) 00時34分

南沙織「夏の感情」
http://jp.youtube.com/watch?v=Rq9x6WjrPgs

投稿: ようつべ | 2008年8月28日 (木) 08時32分

南沙織さんは父親がベスト盤を持っていて知りました。
最初は「いい年こいて昔好きだったアイドルのCDかよ」とやや引いた気分でいたのですが
曲を聞いてファンになりました。
そして最近YouTubeで当時の映像を見るようになり、おそらくリアルタイムで聞いていたら熱狂的なファンになっていたんじゃないかと思うようになり....

女性の好みってのもDNAで遺伝するんですかねw

ちなみに母はまったく違うタイプです。

投稿: jun | 2008年9月 2日 (火) 21時32分

>ハシモトさん
南沙織はジャンルとしては歌謡曲・アイドルに分類されるんでしょうけど、とにかく歌は上手いです。
それを筒美京平という天才が上手く導き出して、数々の名曲が生み出されているワケです。

図書館並に検索能力を高めて行かなくてはいけないと、最近激しく思っています。さすがに本・雑誌・レコード・CD・ビデオ・DVDの量が増えすぎて、自分でも把握しきれなくなってきました。

>junさん
南沙織は自分にとっても永遠のアイドルです。
モジャモジャ頭の写真家と結婚した時はショックでした。

投稿: 杉村 | 2008年9月 3日 (水) 08時33分

初めまして、私は大学生です。最近、南沙織の事を知り、動画を見て大大ファンのなりました。

>作曲&編曲が私が尊敬する筒美京平先生なんですが、このグルーブ感がたまりません。

本当に凄いですよね。私なんて、昔の好きな歌が全部筒美さんの作曲した歌で、自分のことながら、驚いています。

>アイドル的な印象で聞いてしまうとびっくりするぐらいに南沙織の歌い方はファンキーで黒い。

本当に、歌が上手ですよね・・・・・それにしても、どうして、歌手活動を嫌がっていたのでしょうか?

投稿: 名無しのごんべい | 2009年9月19日 (土) 04時04分

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