ザ・タイガース「シーサイド・バウンド」
ザ・タイガース「シーサイド・バウンド」
作詞.橋本淳/作曲.編曲.すぎやまこういち
1967年05月/¥370
ポリドールレコード/SDP-2004

この時代のGSなのに、ベンチャーズの影響をまったく感じさせず、ラテンテイストのリズム楽器が入り、軽やかなニュアンスで暑苦しさを感じさせない曲なのだ。
ベンチャーズの影響がないのは、作曲&編曲をしているすぎやまこういちがバンド出身でないからかも知れない。
すぎやまこういちは専門の音楽教育を受けたことがなく、すべて独学で音楽を作り始めたんだけど、初期からクラシック音楽的ニュアンスをポップスに入れることを積極的にやっていた。(ガロの『学生街の喫茶店』なんかもクラシック趣味出ているし、後に『ドラクエ』の交響曲シリーズなども)
そんなこんなでこの曲、ちょいとリバーブが掛かりすぎなんじゃないの?と思うけれど、アップテンポで軽快なメロディと、ジュリーのクセのある歌い方が実に気持ちいい。
岸部修三&シローの兄弟アルバム「サリー&シロー」

岸部修三は現在「岸部一徳」と名乗って、俳優活動をしているけれど70年代中期まで、俳優活動と並行してバンド活動もやっていて、「井上堯之バンド」に参加してジュリーのバックバンドも務めていた。さらにかの後藤次利にベースの手ほどきをしたのも岸部修三。
タイガースの後、ジュリー&ショーケンのWボーカルの「PYG」というバンドに参加しているけれど、ここではもっと円熟味を増している。
レッド・ツェッペリンが1971年に初来日した際、ジョン・ポール・ジョーンズが「TVで演奏していたPYGというバンドが俺たちの曲『I Gonna Leave You』をコピーしていた。ボーカルはどうしようも無かったが、ベースは俺より上手かった。」と語っているほど凄いのだ。それがザ・タイガースの2ndシングル「シーサイド・バウンド」でも遺憾なく発揮されている。

とりあえず一人でこのステップを一通り練習してみたんだけど、イマイチ理解していないので訳の分からないステップになってしまったのだが(ステップ楽譜の読み方がよく解らない)
ちなみにこの曲のタイトルにもなっている「バウンド」というのは、弾むとかの意味ですが、当時ゴーゴーを始めとするダンスミュージックが盛んで「ニューリズム」というのを考案するブームが巻き起こっていた。
たとえば、橋幸夫なんかがやっていた「スィム」とか、ラテン系の「ブーガルー」などもあったし、日本考案の物では「ドドンパ」とか、そしてこの「バウンド」も阿波踊りをベースに考案されたと言われている。実際にはどんなリズムなのかよく解らないけど。
レコード裏の解説には「全員、京都出身で年齢は18才です。現在は同じ家に住み、合宿生活を送っています」と書いてある。が、実際にはリリースした1967年5月には
1946年09月22日:瞳みのる(ドラム)20才
1947年01月09日:岸部修三(ベース)20才
1947年11月18日:森本太郎(ギター)19才
1948年02月04日:加橋かつみ(ギター)19才
1948年06月25日:沢田研二(ボーカル)18才
なのだ。
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コメント
自分もタイガースの「シーサイドバウンド」好きです。
最近はあまり「夏の曲」という特集で流れる事が無いですが、やはり夏の曲というとこの曲が自分のベスト10の中に入ります。
知泉さんの音楽話はいつも知らない話題が満載で楽しみにしているのですが、それより凄いのは、どんなジャンルの曲でも現物のレコードを持っているということです。
「八月の濡れた砂」に続いて「シーサイドバウンド」まであるとは…。恐るべし!
知泉さんは否定するかも知れませんが、知泉さんこそ、良い意味でのオタク&雑学王です。
これからも期待しています。
あまり無理をせず続けて下さい。
投稿: ズミ | 2008年8月21日 (木) 22時34分
ザ・タイガース「シーサイド・バウンド」シャボン玉ホリデー
http://jp.youtube.com/watch?v=ovQR-4nKj4U
投稿: ようつべ | 2008年8月28日 (木) 08時39分
オタクなのかは解りませんが、ただの道楽者です。
音楽と名の付く物がただ好きで、レコードも集まってしまっただけです。
ただ最近は中古でレコードを扱う店も少なくなり
徐々に収集が難しくなって来ています。
残った専門店はやけに高い値段設定をしていたり...
それでも地道にレコードを買いあさっている今日この頃です。
これからもジワジワと音楽ネタを続けて行きますので
御期待下さいませ。
投稿: 杉村 | 2008年9月 3日 (水) 08時25分