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2008年5月25日 (日)

定年と寿命

ここ数年、いわゆる大量退職者を生み出している団塊の世代が「退職後に何か…」という事で、習い事産業がかなり好調らしい。
確かに(流行っているかどうかは別として)あちこちで「○○教室」という看板を見かけるようになり、「最近ソバ打ちをはじめて、それが楽しくて」とか「昔やっていたベンチャーズのコピーバンドを再結成しようと思って」などという60オーバーの方々の声を聞く。


そもそも『団塊の世代』って言葉は堺屋太一が1976年に発表した小説の中から生まれた言葉で、その段階で戦後、大量に生まれた世代(1947〜1949年生まれ)が29〜27歳になっており、社会を動かし始めたタイミングに出てきた言葉と言うことになる。
その時点で言葉の考案者・堺屋太一は41歳。
その段階では「これから社会をぐわぁん!と動かしていく世代」で、ちゃんと高度経済成長期の日本を盛り立てていたワケですが、現時点では「一気に定年退職を迎える世代」になっている。技術畑などマニュアルだけじゃ伝承し切れない細かい技術はどうなっちゃうの? みたいな部分も抱えつつ、それでも退職というシステムの中で色々な事が巻き起こっている。
逆に大学生などはこれまでの就職難が一気に解消されたという利点もあるんだけど。

退職後に習い事に精を出す人もいるけれど、「悠々自適なんて言ってられないよ、まだまだ仕事しなくちゃいかんのだ」という人も多い。
確かに、今の60歳なんて「隠居」というイメージではないので、昔ながらの定年の年齢制限はかなりズレているのでは? とか思ってしまうのだ。

定年という事が近代日本で言われ始めたのは1902年、明治35年の「日本郵船」が一番最初って事で、その時の定年の年齢は55歳だった。
それが現在は、だいたい60歳って事になっているワケですが、この年齢設定はどこから来た物なのだろうか?
実は、この明治30年代ってのは男性の平均寿命は42.8歳、女性の平均寿命が44.3歳って頃なのだ。
今と比べたら乳幼児の死亡率は段違いだったので、単純に平均寿命って事で語れない部分もあるけれど、「定年で辞めてもらうよ」と決められたワケですが、実際には最晩年まで仕事を続ける事が出来るシステムだったのです。

とりあえず自分が地味に構築し続けている著名人の誕生日データで、この1900年頃の著名人の没年齢を拾い出してみる。
黒田清隆 (1900/08/23没:59歳)第2代総理大臣
伊藤圭介 (1901/01/20没:97歳)植物学者
福沢諭吉 (1901/02/03没:66歳)啓蒙思想家
早矢仕有的(1901/02/18没:63歳)丸善創業者
星亨   (1901/06/21没:51歳)政治家
中江兆民 (1901/12/13没:54歳)啓蒙思想家
西郷従道 (1902/07/18没:59歳)軍人・西郷隆盛の弟
長与専斎 (1902/09/08没:64歳)医学者
正岡子規 (1902/09/19没:34歳)俳人
高山樗牛 (1902/12/24没:31歳)評論家
高橋泥舟 (1903/02/13没:67歳)剣術家
古河市兵衛(1903/04/05没:71歳)古河財閥/創始者 
滝廉太郎 (1903/06/29没:23歳)作曲家
市川団十郎(1903/09/13没:64歳)俳優:9代目
尾崎紅葉 (1903/10/30没:34歳)作家
近衛篤麿 (1904/01/02没:40歳)政治家
斎藤緑雨 (1904/04/13没:36歳)作家
小泉八雲 (1904/09/26没:54歳)作家:日本人じゃ無いけど

正岡子規や高山樗牛、滝廉太郎みたいな本当に若くして亡くなった方もいますが、平均すると54歳。これらの著名人はそれなりも医療を受ける事が出来た人が多かったと思うので、当時の一般人よりはちゃんとした状態で亡くなっていると思うんですが、それでも54歳。
つまり、当時、日本郵船が設定した「定年55歳」というのは、かなり一般的な寿命に近かったのでは無いかという事なのだ。

現在の定年60歳では、男性の平均寿命79歳、女性の平均寿命85.8歳までの20年、いったいどーやって生活していけばいいって事なのだ?
実際、自分なんかが爺さんになる時代にはちゃんと年金貰えているかすら怪しい。それだけじゃなく、医療費もその頃はどんな状態になっているか全然予測できないのだ。そう考えると「定年60歳ってどーよ?」と思ってしまうのだ。
掛け捨てのような年金を納めるより、タンス貯金した方がマシなんじゃないか?と思えちゃうような現状では、どーすんの?俺たち、って感じ。

と言いつつ、フリーになってしまった私はそんな時の話よりまず「明日のおまんまの心配」をしなさいって事なのだが。

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