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2008年3月15日 (土)

今は幸せなのか

自分が子供の頃、見たい映像があっても「テレビで放送される」か「映画館でかかるか」を待つしか方法はなかった。そしてそれがテレビで放送される時は、もう目を皿のようにして齧りついて、一瞬さえも逃さないように見た。脳内HDフル回転で記憶したのだ。
しかし逆に頭に血が上り、ほとんど記憶していないような状態にもなった。


ぎんざNOW!で小池聡行が紹介していた
2008031801自分の場合はそれは音楽系に集中していて、70年代まだMTVなんかが無かった時代、「今日WINGSの新曲のビデオを流します」なんて言葉に激しく反応していた。
当然、ビデオなんて無かったために一期一会状態で「今日これを逃したら一生見ることが出来ないかも知れない」という感じだっただ。
それが今や、YouTubeでいくらでも見放題。その時のプロモーションビデオどころの騒ぎではなく、イギリスの音楽番組に出演した際のビデオまで見ることが出来る。なんてこったなのだ。
あの「ラジオスターの悲劇」を歌っていたバグルスなんてレコーディングだけのバンドかと思っていたら、向こうの音楽番組に出て歌っているんだもんなぁ。

2008031802YouTubeについては賛否あって、自分の中でも矛盾する部分で「物を作る側としては反対」でも「有り難く貴重な映像を観賞させて貰っている」という形で、何とも言えないのだ。
映像ライブラリーという側面では、いままで本でしか見る事が出来なかった物を見ることが出来るという利点も確かにある(違法状態でアップされているんですが)
ポップな内容だけじゃなく日露戦争なんかに関する映像ですら即座に当時のニュース映像を見る事が出来る。(NHK特集などの映像がアップされている)
こちとらが20年に渡って「いつか役に立つかもしれない」と無闇に録画し続けてきた資料が手元にあるが、YouTubeの場合は検索で即座に出てくるから便利なのだ。困った事に。

2008031803自分が中学高校生だった頃、前にも書いたようにボブ・ディランを聞き始めていて、1976年にバックバンドをしていたTHE BANDが解散をしている。その解散時に行ったライブが「The Last Waltz(1978)」として映画になったというのを聞いて高校生だった自分は「見たい!」と思ったのだが、片田舎の地元ではその映画は上映されず、11PMで今野雄二が紹介する映像を「これかぁぁ!」と感激しながら見ていた。おそらく放送されたのは1分程度だったと思うが。
それが今や、YouTubeにポンッと「The Last Waltz」と入れれば、全編連続ではないがほとんどの曲を見ることが出来る。Bob Dylanが歌い、Ringがドラムを叩き、Ron Woodがギターを弾く「I Shall Be Released」なんかが家に居ながら即座に視聴可能なのだ。

あぁいい時代になったなぁ
と思うんだけど、自分の場合は「見たくても見ることが出来なかった」という前提が存在しているから思い入れが深くなっているため「最高の調味料は空腹」みたいな状態になっているんだろうなぁ。
今の高校生あたりが本で「へえそんなライブがあったんだ」と知り、パソコンでポンッと数秒後にその映像を見る。その内容の善し悪しって事じゃなく情報に対しての向かい合い方がもう全然違うんだろうなぁ(オッサンの愚痴ですか)どっちが幸せなのかは解らないけど。

2008031804で、困ったことに、今そっち方面の人はその事例についてまとめられた文献を読んで状況を俯瞰的に把握する所から入ってくる。
以前書いたけれど(Blog以前)BookOffでポリスの「シンクロニシティ」のCDを買った時に、そこに「ポリスのラストアルバム」と書いてあって「!」と思った事があった。
ポリスは当時聞き込んだバンドの1つなんだけど、このアルバムが出た当時はバンドが最高潮だったのでずっと続く物だと思って聞いていた。が、その後解散宣言をしてスティングがソロ活動を始めているが、2年後に復活してシングル出したりと、なんだか煮え切らない状態でいた。結局その後、アルバムを作らなかったので「シンクロニシティ」がラストアルバムとなってしまった。
が、自分の中では未だにラストアルバムという印象は無い。

でも、後から聞いた人にとっては「ポリス」というバンドはアルバムを5枚出して解散したバンドで、ラストアルバムは「シンクロニシティ」なのだ。
リアルタイムでどっぷりな人より、あとから情報が整理された状態で入って来た人の方が知識として正しい物を持っている。だから自分もつい記憶で「これってこうだったんだよね」とあの時代の事を書いてしまいがちだけど、ちゃんと調べて書かないといけないと思う今日この頃。
でも、Wikipedia辺りにも思いこみで書かれている文章山盛りではあるので、調べていく内に頭を抱えてしまう物も多々ある。

そんな事を思いながらニールヤングのHelplessを聞いてるのであった。(最近、聞く音楽が懐古モードになりつつある)happy02

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コメント

わたしも最近好んで聴く音楽は、
70〜80年代の歌謡曲とか、
ニューミュージックとか、イージーリスニングとか、
気が付けば、完全に懐古モードになってますね。

小林亜星のCM曲集やら、筒美京平の6枚組CDやら、
小椋佳のシングルコレクションやら、
グレープ・ラストコンサートのDVDやらを
買いあさっております。

投稿: えっち本改めハシモト | 2008年3月18日 (火) 12時57分

DVDが安くて幸せです。
大昔に「晩春」のVHSテープを2万5千円出して
購入したこともありました。

今は程よく古典になりかかった作品が¥1500
ぐらいで手に入ります。
(「ローマの休日」なら¥500だし)

安くなった文化財を大量に摂取して育った世代が、
これまでとはひと味違う物を創造するかもしれません。

楽しみです。

投稿: おおつぼ | 2008年3月23日 (日) 10時26分

そうですねぇ。

以前なら入手困難だった映像や音源が、
今や格安で、しかもデジタル技術で
記憶の中の映像や音以上に鮮明になって
入手できることを思うと、幸せですよね。

「俺たちの旅」のDVDを観てると、
70年代の吉祥寺界隈がひんぱんに出てくるんですが、
田舎で、東京へのあこがれをかきたてながら、
このドラマを観ていた記憶が甦ったりします。

でも享受するばっかりで、
何も生み出していないなー。

投稿: ハシモト | 2008年3月23日 (日) 17時26分

大丈夫。面白いものを繰り返して楽しみ、つまらん物を
無視するだけで、古典を生み出す手伝いはできてますぜ。

投稿: おおつぼ | 2008年3月24日 (月) 23時16分

↓ココ、イイっすよ。

http://pingpongkingkong.blog108.fc2.com/?all

投稿: ハシモト | 2008年4月 5日 (土) 19時45分

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