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2008年1月23日 (水)

消しゴムの雑学

水曜日は7時からフジテレビで「ヘキサンゴン」で脳みそをアホ方面に下げて、8時からテレ朝の「クイズ雑学王」で雑学方面に修正するという、なんだかよく解らない状態になっている。


ずっと雑学を扱ってきて、最近困っているのが「一般的な知識の水準が解らなくなっている」という事かもしれない。
この水準の見極め方が物を書く時に重要で、少し緩くすると「そんなの誰も知っている」と言われ、ちょっと難しめの物を出すと「何を言いたいのか全然解らない」などと、どっちにしてもクレームをされちゃうのだ。
だから最近は「雑学の人」とバレているので色々な場所で雑学を垂れ流し、そこでの反応で「これは常識に近い雑学」「これは結構驚いて貰える雑学」というのを探っている。ウザくてゴメンね。

という事で「クイズ雑学王」を見ていたのだが、その中で「消しゴムが登場する前に鉛筆の字を消していたものは?」という問題が出た。
この流れだと答えは「パン」だなぁと言う事は解ったけれど、その中で劇団ひとりが「パン」という解答をして、さらにうんちくを語り出した
「そもそも食パンをなぜ「食」パンと言うようになったかというと、もともとパンは(鉛筆を)消す物として日本に入ってきて…」
で、会場はおぉぉぉ!と盛り上がり、答えの解説が始まった。

「消しゴムが登場する前のイギリスで鉛筆で紙に書いた字を消す物に使われていた物とはパンです。」さらに「当時は売れ残ったパンの耳を取って鉛筆を消す事に使っていました。そこで消すための消しパン、食べるパンを食パンとして言われるようになったのです」
凄く解りやすい解説で、納得出来る物なんですが、実際には微妙な答え。
確かにデッサンなんかでパンを使うというのは昔からあるけれど、現在市販されているパンはバターなどが多く含まれているので消しゴムの代用にはならない。

そもそもゴムが鉛筆で書いた物を消す事が判明したのが1770年イギリス。それが市販されたのが1772年。それから100年後は消しゴムもかなり進化してデッサンなどでも多いに使われるようになっている。
日本に鉛筆デッサンなどの西洋画の勉強が正式に入って来たのは、明治時代以降なので1868年以降。この時に消しゴムも一緒に入ってきている。
で、問題なのは「食パン」という言葉は日本語でありまして、大昔のイギリスの話はまったく関係なく、「消しパン」との差別化ではないという事。

日本でパンが最初に焼かれたのは伊豆の代官だった江川太郎左右衛門によって「軍隊食」としての実験で焼かれた物が最初。この江川さんは、観光地となっているお台場の名前の由来になっている砲台を設置した人(これも今晩の「クイズ雑学王」で出ていましたが)。
でも日本人の中で定着したパンは「あんパン」を始めとした「饅頭の代用食」みたいな状態。
そこでそれら「菓子パン」との区別をする意味で「本食(主食)用のパン」ということで「食パン」という言葉が誕生している(明治時代末期とも、大正時代とも言われる)。
これに関して山崎製パンを始めとしてパン製造メーカーは「主食用パン」説を採用しており、消しパンとの差別化というものは俗説としている。
だから「鉛筆を消すための消しパン」と「食べるための食パン」みたいな説明は間違いなのだ。

確かにパンを使って鉛筆の線を消すというのは間違いではないけれど、食パンの語源となってしまうと正しくなくなっちゃうのだ。
あれを見て「そうかパンで鉛筆を消せるのか!」と実際にやってしまう人もいるかも知れませんが、実際にはパンに含まれるバターなどで真っ黒になったり紙がボロボロになってしまいます。古くなって油分がとんでしまった物なら少しは使えますが。

ちなみに現在は「消しゴム」は一般的にはほとんど使われずに、プラスティック製になっている。名称として「プラスティック消しゴム」と呼びがちですが、ゴムじゃないので正式には「プラスティック字消し」。
このプラスティック字消しを開発したのは1959年、日本の「シードゴム工業」。
人々の前に大々的に出てきたのが1967年にトンボ鉛筆が高級鉛筆として発売した『MONO』にオマケとして付けた物が最初とされている。これがよく消えると話題になったので、1969年に単独商品として発売を開始して大ヒット商品となった。


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