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2007年12月 5日 (水)

萌え萌え用語の萌え知識

自分の中には、いわゆるオタク的な「萌え」要素はあんまり無い。おそらく。


1992年にパソコン通信(パソ通)何てものに参加しはじめた時に、それまで遠くから傍観していたオタクと呼ばれるジャンルの人と接する事になったんですが、そこで展開される濃密リビドー的なものに対して、全然琴線が触れる事はなかった。
確か、去年あたりに流行語として登場した「萌え」という言葉は、自分的にはその90年代初期から知っている言葉だったんだけど、自分的にはギャグとして言う事以外では使うことがなかった。

ずっと知っていたし、インターネット時代になって2ちゃんねるなどを中心に、いまだに「萌え」という単語が生きている事は確認出来ていたけれど、ドラマ「電車男」の中で言葉として俳優が「萌え〜〜〜ッ!」と叫ぶのを見て「うわぁ生理的にダメだぁ」と思った。
それまで言語として存在していない言葉だったので、現実的に声に出しちゃうと生々しくてイカンですよ。
その後、アキバなんかでインタビューされるその手の人が、そのドラマで言われていたような発音で「萌え〜〜〜〜ッ!」と叫ぶのも何度か見たことあるけど、あれは局が仕込んだ物っすよね?(ちなみに秋葉原をアキバというのは、1992年の段階ですでにパソ通では言われていた)

2007120501オタクとかそーゆー物ってのはメインストリームに出てこないからこそ、コアな部分で熱を持つものだと思っているので「萌え」とかが一般的な言葉になってしまった段階で、それらは本来の意味を終了させてしまったのかもしれない。
大昔に書いていた『現代用語の基礎的ではない知識(略称:現基ない)』で流行語という項目で
「朝日新聞やタモリが使い始めた段階で役目を終える物」
みたいな事を書いたけれど、そんな物でしょ。

特に最近は、年末に流行語大賞で「今年の受賞はこの言葉です!」とか叫ばれる事が恒例になってしまったけれど、あれで選ばれたって事は「流行している」ではなく「流行していた」という事で、はいはい今年も終わりですね、じゃ今年流行っていた言葉を選び出して、もう来年はその言葉は古くて恥ずかしいので押入にしまって使わない事にしましょうかね、的な感じがしちゃうのだ。

そんな中、Bookoffの100円コーナーで、その名も恥ずかしい『萌え萌え用語の萌え知識』という本を購入した。書いているのは「萌え用語選定委員会」、発行がイーグルパブリシングというそっち系の本ばかり出している所で、2005年8月刊のオールカラーで1400円。
とりあえず、最近は週1回のペースで「Bookoffで予算約1000円で本を買う(基本100円本)」をやっていて、趣味の本からちょっと趣味からズレるけれど資料的な物になりそうな本を選んでいる。新刊とか超古書じゃなくても、自分が読んだ事のない本はすべて面白い。この10年以上に渡って忙しかった反動で、最近は異常な程、本を読み続けているのだ(仕事もしておりますが)。
で、これは普通の人としては痛い内容羅列で「この本で萌え用語を勉強しよう」じゃなく「この本に書かれている用語は人前で使わないようにしよう」って感じなのだ。ま、意識しなくても使わないけど。

でも、この本を買うのってどんな人なんだろう?と購買層について考えてしまった。どっぷりその世界に入っている人は買わないだろうし、かといって一般的な人は手にも取らないだろうし、その世界の入り口に立って何が何ンやらと思っている人向けなのかなぁ しかし1400円は高いような気もする。
でもって、その内容なんだけど普通に用語解説しているだけで、ざっと見ただけで新しく知る知識はなかった。う〜む。ある意味、そっち方面のディープな雑学があるかと思ったんだけど、残念。
でもいくつかの項目で「これを取り上げるのなら、これを書いた方が…」と、ついつい書く方の目線でみてしまう勿体ない物もあった。

しかし、たとえば「ツンデレ」なんて言葉があるけれど、この言葉が登場しマスコミで取り上げられた時に「最近の男女関係では…」みたいな事を言っていた番組もあったけれど、いわゆるツンデレ状態は遙か昔から多く存在していて、それこそ江戸時代に書かれた作品の中にもツンデレ女子に翻弄される男子の話もある。
要は「ツンデレ」という記号化された言葉が誕生した事によって、それがライト化されてピックアップしやすくなったと言う事なのだ。

2007120502手元に「VOW」の1巻があるんだけれど、その巻末に景山民夫氏が
「塀の中の懲りない面々」という本がバカ売れした事で、それまで表現する時に躊躇してしまう「刑務所」「ムショ帰り」などと言う言葉が「塀の中」とか「懲りない面々」という言葉で置き換える事が出来るようになって記号化されるようになった。
と書いている。記号化されると、それに付随した意味などが簡略化されて集約されていくので、それまで多用だった部分がマニュアル化されて単純になっていくし、言葉の意味も希薄になっていくのかも知れない。

ちなみに「VOW」1巻は1987年発行なんだけど、その巻末の言葉で景山民夫氏はギャグとして「私を怒らせるとカワカツさんの比じゃないよ。知らない間にお宅にクーラー送りつけるくらいのこと平気でしちゃうよ。私をあなどってはいけない」と書いていて、それから数年後のあの事件を彷彿とさせちゃうのだ。

この数年は明らかに「オタク」という物が商売として成り立っている状態なんだけど、そうなるとそれまでの定義だった「オタク」という物はもう役目を終えたんじゃないかと思ったりする。
かつて「不良」が商業主義に飲み込まれた80年代初頭。なめネコと横浜銀蝿がブームになり、ツッパリがファンシーに変容し、ツッパリロックが解りやすい図式のなかで商業主義の中でチャートの中に組み込まれた。
確かにあの瞬間、ツッパリ=不良はブームになったんだけど、同時にそれはパロディとして機能し始め(なめネコはリアルな不良にも支持されたけど、同時にパロディだった)、結果としてブームの終焉と共に絵に描いたようなツッパリは死滅した。
オタクに関しては元々消費行動と密接な部分があるから商業主義的な流れには飲み込まれないって感じもするけれど、明らかに「オタクをターゲットとした商売」が仕組まれているし、芸能系でも差別化をするために「オタク」を打ち出すアイドルがあれやこれやと出てきている。

百花繚乱というより、飽和状態という感じで、そろそろ淘汰と拡散の時期なんだろうな…、とソッチ方面は全然興味がないながら、そんなこんなで『萌え萌え用語の萌え知識』をぼーっと読みつつ、色々な事を考えてしまう私がいるのであった。

おたくの豆知泉(再録/手直し版)

1983年「漫画ブリッコ」6月号から12月号にかけコラムニスト中森明夫が「おたくの研究」という連載を始め、そこで「オタク」と言う言葉を発明しその種の人々の研究を開始した。
正確に言えば6月号なので5月発売、原稿を書いたのは少なくとも4月。

一部では「オタクの語源は初期コミケが大田区民会館で行われた事があり、大田区が語源」というデマもあった。(雑誌「OUT」による説)古参のマニが自慢げに「そういえば大田区でやっていた頃にさ」と語る事からとの説。

おたくと呼ばれる人たちが、コミケなどで初対面の相手に名前を聞かずに「お宅はどちらから?」などと話しかけるのが定番だった為に、オタクと呼ぶようになったと言うのが定説。

彼らが二人称で「お宅」を使った理由には、その当時流行っていたアニメ『超時空要塞マクロス』の登場人物がそのように喋っていたからだとされている。

今は世間で認知され普通名詞となっている「オタク」が『イミダス』に掲載されたのは、かの幼女連続殺人事件犯人・宮崎某が逮捕された年。


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コメント

秋葉原のことを「アキバ」というのは、大昔からですよ。

投稿: | 2008年4月 6日 (日) 17時59分

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