« 人生最大のピンチ | トップページ | PLUTO(プルートゥ)5巻:浦沢直樹×手塚治虫 »

2007年12月 1日 (土)

コンプレックスBANZAI!!

てなワケで、誰でもコンプレックスという物を持っているワケで、そのコンプレックスとのつきあい方で、前に進めるか、立ち止まってばかりになるかって大きく変わってしまうのだ。
と、長く生きてきてやっと解った気がする。前向きに行こうじゃないですか。


00asakabanzai自分の場合、もともとそんな裕福な家庭に育っていなかったので、普通レベルにパパママがいて、クリスマスや誕生日にはプレゼントとケーキがあってという当たり前を、横目にスルーし続けてきた。
ここできっと人生色々な方向に変わっていくのかもしれないけれど、たとえば「世の中は全部敵だ!」と世に背を向ける人間になるとか、「いまに見ていろ」とガムシャラに儲けを追及して金持ちになるのとかあるんだろうけれど、自分の場合は「無い物はしょうがない」という姿勢と「でも無いことを悟られたくない」というエエかっこしいの部分があって、普通そうなポーズをとり続けてきた。
今言えるのは、自分の内面を見せたくないって部分だったのかも知れない。

そう言う意味で、何か高価なオモチャを持っていて「これ凄いだろ」と見せびらかすタイプの人間はあんまり好きではなかった。
そして自分は学生時代は「絵を描く」とか「ギターを弾く、曲を作る」とか、ゼロから何かを作ってそれを発表する事を延々とやっていた。(金掛からないので)
ギターだって10歳以上年上のイトコから貰ったボロボロの物を使っていた。

でもそれが結果として今に繋がっているのかも知れないので、あながち悪い事じゃなかったのかも知れないのだ。
他に、毎日のように学校の図書館で本を借りて読みふけり(タダだから)毎年「学年で一番図書館の本を借りた人」なんて地味な順位に名前があったし、学校帰りに本屋で立ち読みをして、小説本も読破し…。本当に金を使わない子だったのだ。(その時の「本を買う金がない」「レコードも買えない」という反動がその後続いているワケですが)

この数年、ネットを中心に文章などを書いてきて、それまで逢ったことがない色々なタイプの人と会う機会が増えてきて、そこでコンプレックス的な物を自分の中に感じる事がある。
世間的にも、仕事的にも、自分は「なんでも知っているね」という扱いを受けているワケですが、そんな自分が感じているのは「自分の知識には核(CORE)が無い」という事なのだ。
15年以上前にパソコン通信に参加した時ぐらいから常に感じている事なんだけど、そっちの世界は果てしなくディープな知識を持った人、世間的にはいわゆる「オタク」というジャンルの人がゴロゴロしているんだけど、自分はそこまで熱く語ることが出来るジャンルを持っていないなぁという事。

いわゆるパソコン通信時代からネットに参加し、インターネットに精通していて…、という連想から自分もソッチ方面に思われがちなんですが、アニメは中学に上がる前に卒業しているので雑学的ネタ以外ではまったく興味がない(宮崎アニメすらほとんど見ていない)し、特撮なんかに関しても同じ。
TVゲームも数年触った事もない(PS2辺りまで持っていたのは友人が遊びに来た時用)。
とりあえず漫画は読むけれどマニアックな物はあまり読まない。
アイドル系の曲は聞くけれど、あくまでも楽曲への興味だけで歌っている人に入れあげるなんて事は今まで無かった。
実につまらないヤツなのだ。

ライター的な物で言えば、映画の話題だったら誰にも負けない!とか、アニメの話題だったら誰にも負けない!とか、何かしらの売りがあるんだろうけど、自分はなんかそこまで明確な物が無いのだ。
なんか、どのジャンルに関しても「普通の人よりちょっと知っている」レベルなので、1つのテーマで文章を書く時にどうしても浅いよなぁと感じてしまうのだ。
それ故に毎回必死に調べ物をして、ソッチ方面の人に突っ込まれないような状態に仕上げようとするのかも知れない。あるいは、違うジャンルのネタと組み合わせ、ワザとハズして逃げを打ったりするのだ。

先日も某雑誌で「戦国時代、それも武田信玄についての雑学を書いて欲しい」という依頼があって書いたワケですが「とりあえずこの雑誌、ソッチの方に詳しい人が多いんですよね。そんな人を驚かせるようなトリビアを」という但し書き付きがあったのです。
ムチャ言うなぁと思いつつ、逆に戦国時代マニアの人が気付いていない部分での雑学なんかをひねり出して原稿を書いて、その場をなんとか切り抜けた(マニアじゃないからひねり出せたのかも知れませんが)。

とりあえず、70〜90年代の音楽なんかは普通に詳しい人より詳しいレベルなのかもしれませんが、もっと売りを見つけないとダメかなぁ
というのが現時点でのコンプレックスなのだ。
もっとハッタリを利かせて「俺様は◎◎◎については誰よりも負けないぜ」と言えるような人になりたい・・・・というワケでもないんだけど。

と、ライターというヤクザな商売に足を突っ込んでしまった私が、自分の売りの無さと押しの弱さに愕然としている今日この頃なのだ。

コンプレックスの雑学

イタリアの画家ミケランジェロは先輩のレオナルド・ダ・ヴィンチが美男だった為にそのコンプレックスを原動力として芸術にのめり込んだと言われている。(若い頃作品のことでケンカになり鼻の骨が曲がってしまった事がコンプレックスの最大の原因だったそうで)

大陽王ルイ14世は色々な業績を残した人だが、背が低い事がコンプレックスでハイヒールの靴を履いていた。しかしルイ14世がハイヒールを履き始めたため、周囲の人も最新のファッションとして真似をしたため、自分だけこっそり背が高くなるという事にはならなかった。(文献によってはハイヒールではなくシークレットブーツだと書いてある本もある)

フランス料理のコックがかぶる帽子が高い理由もオーギュスト・エスコフェという料理人が背が低いコンプレックスから高い帽子を被っていたのがキッカケという説がある。

柔道は「柔よく剛を制す」として、体が小さくても相手の力を利用し投げ飛ばす事が出来る。その事を聞いた学生時代のプーチン(現ロシア大統領)は背が小さいコンプレックスを克服するため柔道を始めた。

もともと江戸時代までの柔術を改良して「柔道」を作り上げた講道館柔道の祖・嘉納治五郎は貧弱な体がコンプレックスで、それを改善するために東大在学中に柔術から理論的な柔道を考案した。


|

« 人生最大のピンチ | トップページ | PLUTO(プルートゥ)5巻:浦沢直樹×手塚治虫 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。