除草趣味
お盆間近という事でお墓の掃除などに出かけて来た。
そう信心深くもなく、日頃はすっかり祖先がどうしたこうしたを忘れているワケですが、こうやって年に1度2度ぐらいは先祖孝行しなくちゃと思うのです。
てなわけで、伸び放題になっている夏草をワッセワッセと刈り取っていく。
基本的に墓の敷地内は玉砂利が引いてあって、細かい雑草チョビッとある程度なんですが、敷地外が伸び放題となっている。誰の敷地でもないって事でそのまんまになってしまうのだ。
もっとお盆が近づくと檀家が終結して一斉草刈り&掃除大会が開催されるワケですが、それ以前に少しでも自分家の墓周辺だけは…という感じで、草刈りを続けた。
しかし、草刈りみたいな作業は無心になれるので、時にはいいなぁなどと思ったりする。もう汗だらだらで、時間も忘れて作業を続ける。
そんな中で「でも雑草っていうけれど、それは人間の単純なるエゴなワケでして、人間様が勝手に邪魔な物は雑草と名付けているだけで、そこで雑草と呼ばれている奴等にも種族を保存させなくちゃいけないという切羽詰まった事情があって頑張っているのではないか?」などと考えてしまう。
基本的にすべての事が人間目線で動いているような気になっている。
たとえば食べ物で「発酵食品」という物があるんだけど、システム的に対して変わらない物に「腐敗」という物がある。これなんか、人間が食べて大丈夫な物は「発酵」、駄目な物は「腐敗」と勝手に線引きしているだけなのだ。
雑草だって必死に頑張っているんだぞ・・・・・と思いながら、ワッセワッセと雑草を引っこ抜いている私がいる。
時々、この手の物で不思議だな?と感じてしまうものに、「除草剤」という物がある。いわゆる雑草を全て殺してしまうという植物界のリーサルウェポンなのだ。
ただその地にぱぁぁぁと蒔くだけで、数日後にはそこにあった雑草が死滅していう恐ろしい物なのだ。
いわゆるベトナム戦争なんかでアメリカ軍が使った最悪な兵器に枯れ葉剤という物がありました。これは基本的には人間を攻撃する兵器ではなく、ジャングルに隠れているゲリラ兵を見つけ出すために、一気にジャングルの木を枯らす!というのが目的で使用された物です。
その結果、ベトナム戦争が終わった後に人体に多大な影響を与えてしまい、日本にも来たベトちゃんドクちゃんなどのような悲劇を沢山生み出しました。
そこで使用された除草剤はとにかく毒素が強い物で、現在は使用禁止になっています。
で、現在、稲や芝などに使われる除草剤はかなり意味が違う物になっています。
稲など人間が食べるものに対して使ってもまったく影響がでない、自然界にもともとあるモノを使って除草剤が作られている。
よく考えると「雑草が枯れるのに、なぜ稲とか芝は枯れない?」と考えてしまうんですが、実はそこで使われる2,4-Dというのは基本的には植物の成長ホルモンなのです。
植物は、その生育のなかで成長ホルモンを発生させ「このタイミングで上に伸びる」「このタイミングで成長を止めて実をつける」と変化していきます。そのタイミングというのが植物のタイプによって違うのです。
稲や芝というのは「単子葉植物」といって、1枚の葉から芽が出て、葉先はまっすぐになります。
それに対して雑草の多くは「双子葉植物」といって、双葉の葉から芽が出て、葉っぱは全体的に丸く広がります。
つまり、現在、稲や芝に使われる除草剤は「単子葉植物」にはまったく影響がない成長ホルモンで、逆に「双子葉植物」にとっては成長を邪魔してしまう成長ホルモンなのです。
だから、雑草の中でも芝のような種類の成長は邪魔されないので、伸びてしまうのです。
なんてことをぼーっと考えながら、ただただ草を刈っていく理科的な夏の日なのであった。
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コメント
今日も朝から暑いですね。世間ではお盆(ウラバンナ)って事でお休みに入っていくんですね。商売がらお盆が休めないんでご先祖さんにはすっかりご無沙汰しちゃってます。
せめてお盆期間中には墓参りくらいはしたいんですが。
皆さんにおさらい雑学をお聞きしたいんですが、迎え火と送り火は、何日のいつ頃の時間帯にするもんでしたっけ?、地域差があると思いますんで「こんな事もやるよ。」って各地情報も教えて下さい。よろしくお願い致します。
投稿: 花屋は休まずウラバンナ | 2007年8月10日 (金) 08時48分
お盆なのか夏祭りなのか、ごっちゃですが三島市では8月15日夜7:30より大文字焼があります。とりあえず今のところどの地域の大文字より大きいと言うことになっています。
投稿: 三島市在住 | 2007年8月12日 (日) 10時42分
かなにすると変だぞ?
・・・「じょそうしゅみ」
投稿: たこさん | 2007年8月18日 (土) 16時13分