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2007年7月20日 (金)

企業の正しい由来

ラジオで喋る雑学を編集していてふと考えてしまう事がある。
「果たしてこれはラジオ的に喋っていい範疇のネタなのか?」
そりゃ、猥褻なネタとか(特に昼間2時台の放送ですし)差別用語に関するネタは圧倒的に不可って事ぐらい世間知らずの私でも分かっています。


本当はそっち方面に面白いネタが山積みだってのも知っているんですが、それを昼間喋って自分の行動範囲を狭めるほど私はラジカルな性格ではありません。いたって波風を立てずに、誰にも気づかれないようにどっかに佇んでいるレベルに生きていこうと考えて、ずっとやり過ごしてきました。
という訳で「これはどうか?」という物に、企業がらみの雑学がある。

先日「化粧品メーカー」の雑学を喋った時にいきおいで語った雑学でこんなのがある。
「コーセー」は現在はギリシャ語で「調和・美」を意味する「コスメティコス」が由来というのが公式な物ですが、本当は創業者・小林孝三郎さんの「孝」+誠実という意味の「孝誠:こうせい」が元になっている。
とりあえず会社側の公式見解があって、でも創業時にはこんな事でしたよ。というネタ。
このコーセーに関しては、別段そんな問題もある訳じゃないんだけど、会社としてビッグになったので、「なんかカッコイイ由来にしたいじゃん」という事なんだと思う。

以前、雑記で書いた物ではサンリオの由来もある。一般的には
サンリオの社名の由来はスペイン語の「聖なる河」san rioから来ている。
って事になっているんですが、一部で「山梨王という意味でサンリオウらしいよ」と言われている。

しかし、トリビアの泉の中では「山梨王」説を一笑し、「聖なる河」でいいんですよ。と否定したわけで、世間的には「なぁんだ、面白可笑しいガセだったか」で解決してしまったのですが、実際には違う。
1978年6月8日号「週刊現代」の中で『サンリオの奇跡』という特集で「元々山梨シルクセンターという会社が、もっと大きなビジネスを始める時に「山梨」をサンリと読み替えた名前を考案し、さらに末尾にはゴロをよくするためにオとつけた」とかかれている。
さらに1980年7月号「雑誌宝石」で創業者・辻信太郎みずからが対談で「山梨シルクセンターの山梨からサンリ、それだけじゃ恰好つかないからオをつけたんですよ」と語っている。ただし「王という説、いきおいづけのオーッではない」とそこの部分は否定している。
しかし1990年代に入っていきなり「聖なる河」説を自らの出版物で語り始める事になる。
そんな訳でやんす。

他に一般的に流布されている「社名の語源」が創業時と違っている物に「モスバーガー」がある。これなんかは一般的には
モスバーガーのモス(MOS)の意味。Mountain(山)、Ocean(海)、Sun(太陽)の頭文字からきている。
という、自然派志向の現代にはかなりジャストフィットした語源になっている。でもさぁ冷静に考えて見れば「これからハンバーガーチェーン店を創業するって時にいきなり「じゃ山海太陽の頭文字でモス!」って考えつくかなぁと思ってしまう訳で。

で、実際の事を創業時の話を掘り起こしてみると
モスバーガー本来の意味は「マーチャンダイジング・オルガナイジング・システム(Merchandising Organizing System)」
モスバーガーを創業した櫻田慧氏(現社長・櫻田厚氏の叔父)は、皮革問屋の社員から脱サラして商売を始めたのですが、とりあえず「これから儲かるのは水商売か飲食」ぐらいの考えで、まだハンバーガー専門のチェーン店などは考えていなかったみたいです。
そこで設立した会社に「この先どう転んでも使える名前」的につけた社名が「マーチャンダイジング・オルガナイジング・システム」。exeite翻訳だと「結団システムを取引します」って事ですが、分かりやすく言うと「商品を、適価で適切に供給する組織」みたいな感じですかね。

で、この会社名「Merchandising Organizing System」の頭文字が「MOS」って事なのです。
ま、社名の意味を尋ねられた時、恥ずかしいって事じゃなく、説明が面倒&面白くないって事で「山海太陽」のほうがネタになりやすいので、可なんですかね?

そんなこんなで「果たして公式表明ではない企業の語源はラジオで語ってもいいのだろうか?」と考えこむ今日この頃。

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コメント

以前メルマガでサンリオについての記述を覚えてたんで、ラジオで聞けなかった分スッキリしました。
よっちゃんイカのカラーひよこ、本で読みたかったっす。

投稿: はっぱ | 2007年7月20日 (金) 13時24分

山梨シルクセンターは詩集の出版社でした。当時はそれなりに一部の文学少年少女に知られていたと思います。昔、戸田書店(ローカルですいません)で見た記憶があり、今、国会図書館で検索してみたら一杯出ていますね。作家のセレクションがいかにもで、なるほどと思いました。

投稿: | 2007年7月21日 (土) 09時28分

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