沢田研二「時の過ぎゆくままに」
沢田研二/時の過ぎゆくままに
作詞.阿久悠/作曲.編曲.大野克夫
ポリドール/DR 1965
1975年08月21日/¥500
1967年にグループサウンズ(GS)のタイガースでデビューした沢田研二。
ジュリーという愛称と共にGSを代表するアイドルになっていたが、そのGS人気も1970年代に入るといきなり下火になって1970年12月07日にタイガース解散(ソロアルバムはその前年の1969年12月01日にリリースしている)。


そして表題の「時の過ぎゆくままに」は1975年8月に発売された曲だが、この時代はアイドル的な要素も強く、前年1974年に放送されたドラマ「寺内貫太郎一家」の中で悠木千帆(現.樹木希林)が壁のポスターに向かって「ジュ....ジュリ〜〜〜〜」と叫んでいた事に象徴されるような時代だったのだ。

さらに、それまで沢田研二はドラマのゲストや単発ドラマなどの出演があったが、初の連続ドラマ主役として話題になった「悪魔のようなあいつ」というドラマの主題歌でもあった。
その話題性も十分あったとは思うけれど、この曲は盟友・大野克夫の珠玉の名曲で、出だしのギターフレーズから哀愁路線どっぷりで、さらにジュリーのボーカルがGS時代より格段に色気をましてしっとりと抑え気味に歌うという物。大野克夫が沢田研二という稀代のボーカリストの声質をいかに生かせるかという研究の末に作られた曲という雰囲気なのだ。

が、好事魔が多いということで、1976年に新幹線の中で暴言を吐かれ、それで暴行事件を起こし、しばらく謹慎となったワケです。
もっとも、復帰後は「アイドル沢田研二」ではなく「エンターテナー沢田研二」として1980年代までどんどんエスカレートして突っ走っていく事になるわけでやんす。

ちなみに演奏は「井上堯之バンド」で、PYGの井上堯之・大野克夫・岸部修三(岸部一徳)が参加している。今は俳優だけのイメージの岸部一徳は、この「悪魔のようなあいつ」に俳優としても出演していますが、70年代までは同時にベーシストとしても活動していたのであります。

主題歌はヒットしたんですが、実は視聴率的には思ったほどいかなかったらしく、本当は年末まで放送して、窃盗事件の時効7年の1975年12月10日前後にクライマックスを持ってくる予定だったらしいが、その前に打ち切りになったという。

東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅で原爆を作ったけれど、目的が見あたらない犯人が「とりあえず今見ているナイター中継を最期まで放送しろ」と政府を脅迫したり「ローリングストーンズを来日させろ」と要求したりという、これも名作でやんす。
三億円事件の豆知泉

☆1968年に起こった「三億円事件」で盗まれた正確な金額は294,371,510円。あの犯人は562万8490円分のぬれぎぬを着せられたことになる。
☆奪われた金額を語呂合わせで読むと「にくしみのない強盗」
☆給料を銀行振り込み型にした第1号は1941年の大蔵省。貯蓄額倍増計画の一環としてだったが民間会社はほとんど実施しなかった。振り込み型が一般的になるのは1968年に三億円事件で給料輸送車が狙われたのがキッカケ。
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