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2006年10月11日 (水)

ありがとう

すでに先々週の土曜からの話。


母方の最長寿になる親戚のおばあさんが入院したと言うことで、土曜日にお見舞いへ言った。
これまで何度か体調を崩して入院をしたけれど、その都度元気を取り戻して自宅へ戻ってきていた。しかし今回はいつもとは違って、病室で酸素マスクをして、うっすらと眠っているような状態だった。
もう意識が朦朧としているのか、母の問いかけに少し反応を示したような感じもあるが、それ以外は時折、寝言なのか言葉にならない声を発する程度だった。

母曰く、昔はふくよかな人だったんだけど、本当に痩せて小さくなっちゃったとの事。自分が知っているのはすでにお婆さんとなってからなので、小さく痩せているという印象は元々だったが、それでも確かに小さくなってしまった感があった。
病室では親戚が何人か集まり、ぼそぼそと想い出話や、当たり障りのない近況報告などをして時間を過ごした。

お婆さんはその翌日の明け方に息を引き取ったのだが、自分たちがお見舞いをした日の夕方、一瞬意識を取り戻したとの事。
その時、何度も何度もかすれた声で「ありがとう、ありがとう」と繰り返していたという。

明治時代末に誕生し、第二次世界大戦中は台湾に移住し、終戦の混乱の中すべての財産を捨てて帰国し、なんとか生活が安定した昭和33(1958)年、伊豆を襲った狩野川台風で家もろとも財産を全て流され、波乱の前半生を送ったという。
語り尽くせないほど色々な苦労があったとは思うけれど、98年に渡る人生の最後に「ありがとう」と言って去ることが出来るって、本当に素晴らしい事なんじゃないかと思う。

長い間ご苦労様でした。そして、ありがとう。

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コメント

 小生の祖母も、5年ほど前に93歳でなくなりました。
 最後は、とっても小さくなってましたが、とても嬉しそうに毎日を過ごしてたようです。

 最後に「ありがとう」って言えるって素敵ですね。
 自分もそうありたい。

投稿: 清志朗 | 2006年10月21日 (土) 01時56分

自分は子供の頃、親が忙しくておばあちゃん子で育ったせいか、お年寄りを見ると「幸せになって欲しい」と思ってしまいます。

ついつい自分一人で生きているような気になってしまいがちですが、多くの人が存在しているから今の自分があるのだと「感謝の気持ち」を忘れずにいたいと思っています。

投稿: 杉村 | 2006年10月28日 (土) 10時24分

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