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2006年10月24日 (火)

サディスティック・ミカ・バンド「NARKISSOS:ナルキッソス」

サディスティック・ミカ・バンドのニューアルバム「NARKISSOS:ナルキッソス」が発表された。


000micaba今年の春先に「木村カエラがボーカルで復活!」とブログでもネタにして、そこでミカバンドの歴史なども書いたワケですが、さらに歴史に1ページが加わりました。
キリン・ラガーのCMでは春から代表曲「タイムマシーンにお願い」が流れていたんですが、そこでの加藤和彦の声で「時代は変わる、ラガーは変わるな」とキャッチコピーを言うのも「あぁぁぁぁぁ」と自分的には毎回ゾクゾク来ていたワケっす。

加藤和彦がCMでこんなふうのキャッチコピーを言うのは、1970年代初期のモービル石油のCM。藤竜也と鈴木ヒロミツがエンストした車を手で押している物で、マイク真木が歌う「♪の〜んびり行こうよ俺たちは」のメロディーの最後に「車はガソリンで動くのです」とあの独特の口調で語るもので、これが少年期に刷り込まれているので、今でも加藤和彦の声を聞いているだけで幸せな気分になるでやんす。

加藤和彦とCMというと、1970年の富士ゼロックスのCMで加藤和彦が手に「BEAUTIFUL」と書いた紙と花を持ち、ただただ街を歩いている物があった。音楽も加藤和彦がこちらもただ「ビューティフル、ビューティフル」と繰り返すだけの物で、何のCMか全然判らない状態で延々と続き、ラストに「モーレツからビューティフルへ、XEROX」という文字が出る。というだけのものがあった。
ハッキリ言って、まだ小学生の低学年の時に見たCMなので印象には残っているけれど、一体何のCMなのかは不明だった。(というか、この文章を書くためにネット検索して初めて富士ゼロックスだと知った)
当時、加藤和彦は「フォーククルセダーズ」と「ミカバンド」の間の時代で、世間ではヒッピームーブメントやフラワーチルドレンなんて言葉の中心にいたハズです。

で、今回の木村カエラ版ミカバンドのアルバムなんですが、一言でいって「時代を超えちゃってますな」という感じ。初代ミカバンド自体が時代なんかとは関係ない場所にいたんですが、まさにそのミカバンドの「新作」という感じでもあるし、「前作の続き」って感じでもある。
新曲は加藤和彦作曲が3曲、小原礼作曲が3曲、高橋幸宏作曲が2曲、高中正義作曲が2曲で、それぞれの持ち味がバリバリに前面に出ていて、クレジットを見なくても誰が作曲したか判ってしまうんですが、それでも「ミカバンド」という音になっている。
CMでも使われ、先行発売(ネットのみ?)されていた「タイムマシーンにお願い」の音造りを聞くと今の時代っぽいミキシングを感じるけれど、その骨になる部分は70年代と変わっていないような気がする。

高橋幸宏の軽くて重いドラム。ややツッコミ気味だけど、ロールを多用するけれど、なんでこんなに自己主張がなくて存在感があるんだろうか、と、改めてその特殊性に感心する。
高中正義のクールで押しつけがましくないテクニック満載のギターフレーズ。
小原礼のドッシリと屋台骨を支えるベース。その裏でこっそりと縦横無尽に音を走らせて色を加えている。
加藤和彦はソロで弾くと味があるギターを抑えめにしてサイドに徹していますが、作曲とボーカルはどこに行っても加藤和彦。さすがトノバンなのだ。(トノバン=加藤和彦の70年代の愛称で、イギリスの60年代ヒッピームーブメントの代表歌手ドノヴァンが好きだった事からのネーミング)

で、木村カエラのボーカルがソロの時より格段に良い。メインボーカルとして歌っている時ではなく、高橋幸宏がメインで歌っている時に絡むコーラス的な歌い方とか、抑える歌い方も良い。
桐島カレン版のミカバンドは、良くも悪くも「桐島カレンという素材でミカバンドを作ってみました」という感じだったのに比べ、今回のミカバンドは完成度が高いと思うのだ。

売れる売れないを別にして自分的には2006年の名盤となりました。
ちなみにバンド名は「サディスティックミカバンド」ですが、ジャケットには「Sadistic Mikaela Band」となっている。(初代がMIka、二代目はMIca、三代目はMIikaelaですか)
※7曲目「Tumbleweed」の2分25秒の所で一瞬、音が震える状態になるんですが、最初iTunesに取り込んだ物を聞いたのでそのせいかと思ったんですが、CDもそんな感じ。これって意図的なアレンジなんですかね?

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コメント

次はワールドツアーだ。

投稿: おおつぼ | 2006年10月28日 (土) 16時09分

こんにちわ。
私CDはまだ買ってないけど、着うたフルで全曲ダウンロードして聴きました。
確かにカエラちゃん抑え目のヴォーカルですね。
私はソロの元気いっぱいの方が好きかな・・
おじさん達はシブ過ぎって感じ。
私は高中フリークだったので高中らしいギターを聴けてある意味満足ですが、新しさ不足がちょっと不満。

投稿: ぶく | 2006年10月30日 (月) 10時00分

イギリスにいるカエラのおじいちゃん(加藤和彦と同年齢ぐらい?)が電話で「あのバンドに参加する事になったのか!」と喜んでくれたという話らしいので、イギリスでも一部のロックファンの間では今だにミカバンドは有名みたいっすね。
あの当時「ワールドツアーが」と言っていたのは、実際には前座だったので、今回はワールドツアーもあり得ない話ではないっすね(カエラが英語を喋れると思うし)。
高橋幸宏も高中正義もそれとは別に世界中にファンがいると思うので。

今回のコンセプトは「元気なおじいちゃんと、おじいちゃん思いの孫」という事です(ウソ)。
良くも悪くもミカバンドという事で(良い部分が多いっすけど)、自分的には懐かしくもありという部分が大歓迎っす。

投稿: 杉村 | 2006年11月 4日 (土) 17時32分

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