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2006年9月 2日 (土)

アラジン「完全無欠のロックンローラー」

0001アラジン/完全無欠のロックンローラー
作詞作曲.高原茂仁
1981年11月/¥700
キャニオン/7A0135


一発屋といったら、まずこの人。派手なパフォーマンスで出現し、それなりに話題になりヒットした「完全無欠のロックンローラー」。そして二曲目の「ロックンローラー大放送」という曲で玉砕して、それ以降はほとんど知られていない。
と言いつつ、島田紳助と交友があったお陰で、鈴鹿の8耐で毎回トークショーなどを行ったり、島谷ひとみのデビュー曲の作曲をしたりと、現在でも時々チラッ程度に名前を聞く。
本職は、富山県の高雄電設という電気工事会社の社長との事。

このデビュー曲は、ヤマハの「ポプコン(ポピュラーコンテスト)」でグランプリを獲得し、その流れで「第12回世界歌謡祭」でグランプリを獲得している。
ポプコンはアマチュアミュージシャンの登竜門として70年代は有名で、「中島みゆき」「チャゲ&飛鳥」「長渕剛」「ツイスト」「八神純子」「あみん」「クリスタルキング」「辛島美登里」などなど、多くのアーティストを輩出している。
もっとも、70年代から裏で悪い噂が流れているコンテストで「最初からグランプリが決まっている」などと言われ続けていた。

現に、上田正樹が出場した際はグランプリを獲得した直後に辞退したり、佐野元春が出場した時も最終選考のステージでプログラムとは違う曲を演奏して、ステージを降りている。
自分もかつて関わった事があるんですが、そこでも出場する前に「○◎○さんが優勝するらしいよ」と知り合いだったスタッフに予選会の際に聞かされ、実際にその通りになった。

さらに、この大会でグランプリを取ったアーティストは、レコードデビューの資格と同時に、世界歌謡祭の出場資格を得る。
「世界歌謡祭」とか言ってるんですが、これにも裏が色々あるらしく、こんなふざけた「完全無欠のロックンローラー」なんて曲が、そこでもグランプリを取っている。

0002_1で、この曲がヒットした後、2曲目の「ロックンローラー大放送」という、前曲の続編とも言えるようなコンセプトのシングルをリリースしている。
が、この曲は見事に売れなかった。というのも、テレビでほとんど歌う事が出来ず、ラジオで掛ける事も難しい曲だったのだ。
ロックンローラー大放送」は判明している限りでは「夜のヒットスタジオ」で1度歌われたきり、TVで歌われていない。

というのも、この曲はロックンローラーがDJをやっている放送局で、リクエストに応えるという設定になっている。その中で「♪たまには演歌もかけてよ」「それは出来ない相談だぜ、ロックンロールの曲だけだぜ!」と歌われている。
夜のヒットスタジオという番組は色々なジャンルの歌手が出演している番組だったんだけど、その時、演歌界の大御所も出演していて「演歌はダメとは何だ!」と怒り、その後、どの局でも掛ける事ができなくなったと言われている。
そりゃ、一発屋に成らざるを得ないワケで。

同じような例ではシブがき隊の「演歌なんて歌えない(1987)」という曲も物議を醸したらしい(放送できなかったかは不明)

P.S.
「榊原郁恵/夏のお嬢さん」の時のコメント欄で「NHKあなたのメロディから出た曲の権利は全部NHKが...」というのは、著作権ではなく出版権の事だと思われます。
たとえば「およげ!たいやき君」は作詞.高田ひろお/作曲.佐瀬寿一ですが、ポンキッキから出た曲なので(c)フジテレビということで、フジテレビが出版権を所有しています。
これは著作権を持っている人と言えども、無許可でどこぞに詩を掲載したり、メロディを使う事が出来ないって契約。コンサートで自分の曲を歌う時も、出版権を持っている所に許可を得ないとダメってモノ。
普通は、レコード会社が持っていたり、所属事務所が持っていたりするモノで、レコード会社を移籍した後、しばらくはライブで過去の曲を歌えなかったり、ベスト盤を出す時に移籍前のモノを入れる事が出来なかったりします。

自分がポプコンの地方大会に出場した際、ヤマハ側から契約書を書かされたんですが、それの内容は「コンテストが終わるまで出版権はヤマハが所有するので、その間はコンサートなどでも勝手に契約した曲を歌うなよ」というモノでした。
(あっちのコメント欄に書こうと思ったんですが、ちょい長い文章になってしまうので、こちらで書きました)

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コメント

この曲の社会人編があるのだけれど、みんな知らないって言うんですよね。

投稿: | 2006年9月13日 (水) 16時33分

その話は初めて聞きました。1枚出ているアルバムにもそれらしい曲は無いので、その後、出した物なんでしょうかね?
ちなみに発売早々プロモーションする事も出来なくなった2曲目は、それでも3万枚ほど売れたそうです。(完全無欠〜は29.9万枚)

投稿: 杉村 | 2006年9月13日 (水) 17時54分

発見しました「完全無欠のロックンローラー(社会人編)」
アラジンを解散した後、ボーカルの高原氏は「高原兄(けい)」と名乗って、細々と活動をしているんですが、出身地の富山県高岡市の青年会HPに「地元のスター」なのか、プロフィールが掲載されていて、そこにソロになった後に出したシングルCDとして掲載されていました。
同CDには「フォーク編」がカップリングされているみたいです。
http://www.toyama-shinsei.net/memonly/event/konshin4.html

しかし、アラジンで3枚目のシングルが出ていたのも初めて知りました。

投稿: 杉村 | 2006年10月14日 (土) 09時17分

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