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2006年8月31日 (木)

太田裕美「九月の雨」

000_18太田裕美/九月の雨
作詞.松本隆/作曲.編曲.筒美京平
1977年/¥600
CBSソニー/06SH-205


明日から9月ということで(とか書いてますが、更新するのは週末になるんですが)、太田裕美の「九月の雨」。
太田裕美に関しては個人的には「あまりにも歌謡曲界における評価が低すぎるのではないか?」と思っているので、小出しに色々書いていこうと思います。
前に、松田聖子に関して「時代とリンクした」みたいな事を書いたんですが、実際には松田聖子の楽曲が登場する裏には太田裕美の功績があるんじゃないかと。

太田裕美「木綿のハンカチーフ」
000_20彼女はデビュー時から、ピアノ弾き語りだったり、自作詞曲を作っていたり、TVにも出ていたけれど年間100本以上のコンサートを行っていたり、さらに「学園祭の女王」的な事を言われた元祖だったり、歌謡曲とニューミュージック的な物の中間で活動を続けていた。
以前「一発屋」を特集した雑誌の中に「木綿のハンカチーフを歌っていた太田裕美」という文章を見て、マジに生まれて初めての投書をしたろかい、われッ!と思った事もあったほどです。

ポールモーリア「オリーブの首飾り」
000_21と、テンションを勝手に上げてますが、その太田裕美の「九月の雨」をこうして取り上げたワケですが、自分は「太田裕美の曲の中で一番苦手」な曲であります。
というのも、この曲は作曲者の筒美京平が意図的に「ポールモーリア」を引用しているという部分。自分がポールモーリア的なイージーリスニングが苦手というのが一番大きな理由なんですが、メロディは「シバの女王」、アレンジ的には「オリーブの首飾り」をモチーフにしているようで、それまでのウエストコーストを意識した太田裕美=筒美京平サウンドの中では異質な感じがするわけです。

庄野真代「飛んでイスタンブール」
000_19この曲は筒美京平の狙い通りにヒットしたわけですが、その後の太田裕美の楽曲の中にはポールモーリアの影響はあまり無い。この曲が収録されたアルバム「こけてぃっしゅ」は名盤なんですが、この曲だけがどうしても浮いている印象がする。
確かに、ボーカリストとしての太田裕美は歌詞の中にある切ない恋愛をやや無理したファルセットで切々と歌っていて、単独で聴くと名曲だとは思うんですが。

ジュディ・オング「魅せられて」
0000_22筒美京平は「ポールモーリア的」をこの曲でモノにして、その翌年(1978年)岩崎宏美「さよならの挽歌」、庄野真代「飛んでイスタンブール」、そして1979年の大ヒット曲、ジュディ・オング「魅せられて」へと展開させて結実させていくのだ。

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