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2006年7月 4日 (火)

『Digi@SPA!:デジスパ』デジタルとは何ぞや

「週刊SPA!」の扶桑社からデジタル系のあれやこれやを扱う『Digi@SPA!:デジスパ』と言う雑誌が臨時増刊された。
発行:扶桑社(http://spa.fusosha.co.jp/digispa/
定価:¥650
発行日:2006年7月30日(実際には6月30日)


Digispa色々事情があって雑誌レビューをする事になったわけなんですが、実際の事言って2006年現在「デジタル」というジャンルはもうジャンルでは無くなっているような気がする。(いきなり雑誌コンセプトの否定ですかい)
前世紀末にはデジタル関連やインターネット関連は大きなジャンルになっていたけれど、あの時点では確かにまだ普通の生活における「デジタルとは?」という特殊な意味があったり、ちょい「俺って最新なんだぜ」的な選民意識もどっかにあったかと思う。
それがたった5・6年で、急激にデジタル野郎が世間に幅を利かせはじめ、逆にいまやデジタルって日常的すぎて、あえて「デジタルとはなんぞや?」なんて考える時代は過ぎちゃったんじゃないかとも思う。

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Dscn3105『デジタルを否定しても無駄さ、だって地球はみんなデジタルなんだもん♪』
「俺はデジタル嫌い、なんつーかぬくもりとか暖かみとか、人間性が感じられないしさ」という人はいると思うし、「やっぱアコースティックな音はいいねぇ」なんて言っている人もいると思うけれど、CD音楽を聴いている限り、デジタル化された記号を再生しているワケで、それ以前に録音の段階でデジタル録音だったり、さらに突っ込んでいけば「アコースティックギター」と思って聴いている音がデジタルで作られた音の可能性もある。そこまで技術革新は進んでいるんだよね。

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Dscn3107映画だって、昭和30年代を扱った作品『3丁目の夕日』でもアナログ時代を再現するために、現代のデジタル技術が不可欠だったわけで。もう80年代初期にあった「CGで作りました!」と声高に宣伝していた『トロン』なんて時代はすでにカンブリア紀並の過去になっている。(もっともあの映画、予算などの関係で「CG」と言っていた部分が、クロマキーというアナログ撮影技術で手書きの「CG風」風景の中で演技していたり、似非CGだった事が後にバラされたけど)

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Dscn3106『やっと雑誌レビュー』
そんな中、増刊号として発行された『Digi@SPA!:デジスパ』をパラパラめくって見る。
いきなり写真ページで「エアギター」が4ページに渡って紹介されていますが(楽器を持たずに音楽に合わせて演奏しているパフォーマンスをする物)これを写真だけで見せるって無理があるんじゃないかと思うわけなんですが...。
様々な記事がこれでもか!という感じで並んでいる。あきらかに「デジタル」という切り口が多用すぎてコアが無い状態ではある。もしかしたら、もっともっと混沌としたら80年代初期の勢いがあった時代のサブカル雑誌『宝島』レベルの特殊な世界を呼び起こせるかも知れないという予兆も含んでいるワケですが。

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Dscn3108『インターネットTV宣言2006』
ネットでのTV画像配信という事で、GyaOを運営しているUSEN社長・宇野康秀氏が登場したり、その辺りの現在見る事が出来るネット配信TV一覧が解りやすく解説されていて結構実用的かも知れないっす。
(個人的には「ワシMacなのでGyaO見られないけどな」と思いつつ)

ダットサンスポーツ DC-3(1952)
Dscn3167『You Tubeは確かに面白いけれど...』その続きで今、色々と話題になっている「You Tube(ユーチューブ)」に関しても袋とじで記事がある。
You Tubeとは利用者が動画を勝手に登録して共有するシステムで、そこに登録されているのは、オリジナルビデオもあるけど、大半がテレビや市販映像作品の無許可コピー。激しく違法なのだ。
キーワード検索で色々な映像に遭遇する事が出来、伝説となっている初期「笑っていいとも」での観客が勝手に椅子に座る事件とかもある。こんな20年程前のビデオを後生大事に「俺お宝映像持っているんだけど」という人もいるのだなぁ。

フェアレディZ S30(1969)
Dscn3168これらに関して、各メディアは削除依頼を出していて、それにシステム側もかなり真面目に対応しているんだけど、消えたと思っても再びアップされるので、イタチごっことなっているとも記事に書いてある(アップに関しては制限なし/エロ系は削除依頼なくても即時消去らしい)。
なんか、片方で正規の配信メディアを社長インタビューまでして取り上げて、その横で違法状態でも楽しめますよと取り上げるってのは、なんか変な感じ。(You Tubeに関して袋とじになっているのは良心の部分なんすかね)

実はYou Tubeに関して以前ブログに書こうと思った事があるけれど、建前的な「著作権に関する部分どうよ」と、個人的に「見たかった映像が見られてラッキー」の相反する部分を自分の中で納得出来る答えが出せずに、断念した事がある。

フェアレディZ 300ZX Z32(1989)
Dscn3169その関連で漫画家もりいくすお氏が大昔のビデオを編集した物をアップするレポ漫画を書いているんですが、録画してあった番組の間に入っていた当時は注目していなかったCMの事も書いてあって、そっちには色々と共感する部分が多く面白かった。
自分も80年代からの録画物(99%が音楽番組)が何100本もビデオテープに残されていて、数年前からジワジワとDVDに録画保存しなおしているので「あぁこんなお宝映像をみんなに見せたい!」という部分がある。
まだYou Tubeにアップするか?という部分には踏み切れないけど。

モビリオ郵便集配車(チョロQ)
Dscn3161『著作権と個人の勝手』
デジタル(インターネット)の功罪として、不特定多数によるデータの共有というものがある。それが大きく騒ぎになったのはWinny などの「ファイル交換ソフト」の登場なんだけど、それだけじゃなく「ネットを調べればほとんどの情報が手に入る」という部分はまさにそれ。
かつて、1980年代からバブル期に隆盛を極めたアルバイト情報雑誌なんかはすでに「ネットでの情報の方が即日性がある」という事でかなり出版的には厳しくなっていると言う。確かに情報は早いほど良いという状態なので、週に1回より、その日の内に!にはとうてい敵わない。
今、出版界は「雑誌が売れない」「本が売れない」という事で喘いでいるんだけど、それはしょうがないとは思うのだ。

TOYOTA Ractis (チョロQ)
Dscn3162もちろん、自分のその状態に加担している事は自覚している。
こんなブログやサイトで雑学を垂れ流しているってのは、雑学を求めている人にとっては「ワザワザ金出して本を買わなくてもいいじゃん」という流れを作っているのだろうし、時々ある評価で「知泉の雑学は出版されている雑学本なんかより、解りやすく密度も濃い」という褒め言葉は凄く嬉しいとは思うけど、紙媒体より利便性があるという部分で「なんか出版という好きなジャンルを否定している」ような気がしちゃって複雑。

MOVE
Dscn3164『マスなメディアとミニマムなメディア』
雑誌レビューって事なんですけど、考えれば考えるほど雑誌の現状は厳しいなぁと思ってしまう。
情報を発信するという行為、「マス(大量)」の「メディア(媒体)」は存在が難しくなって来ているとは思うわけです。
もちろんテレビという存在は1%の視聴率でも何十万人が見ている計算になるので、充分にマスメディアなんですが、利用者が「情報を能動的に得たい」と考えて行動する物に関しては、一般的に手に入る情報ではなく、いかにマニアックであるか?が要求されるんじゃないかと思うのだ。

PAJERO
Dscn3163昔から「こんな一点狙いの雑誌売れるの?」みたいな「月刊へらぶな釣り」とか「月刊きのこ」とか「月刊削岩機」とかがある。
業界誌ではなく、そっち方面のマニアが熱く語る雑誌なんですが(削岩機はすでに無いかもしれない)、そこの投稿欄はとにかく熱い。たぶん熱いんだと思う。というのも、読んでも何について書いてあるのかすら不明状態のマニアな熱さなのだ。

結局それに近い物が、現在ネット上で展開されている一般人の運営するブログなのかも知れない。
そこで扱っているネタ自体がマニアックな物じゃなくて、例えばニュースに関する物だとしても、それはそれでマニア傾向が強くなる。
そりゃ、グローバルな視点を持たない1個人が「ニュースを斬る!」とか言っても、所詮そのニュース素材はTVやネットで見つけた物で、メディアとして名乗るのはおこがましいレベルの物なんだけど、逆にグローバルな視点を持たないという事が実はネット内ではこれまでになかったメディアに成りうるのだ。
例えば、とある地方都市にいる中学少年Aがネット内で見つけた面白いサイトや文章を紹介するブログを始めたとする。そこで紹介している内容は実に偏っていて幅が狭い。ずっと見ていると「またその手のサイト?」みたいな物を延々と紹介し続ける。

MAZDA EUNOS ROADSTER NA6(1989)
Dscn3165たぶん出版社が「中学生が面白がるサイト特集」なんてのを組んだ場合、大人の視点から幅広く「こんなの面白がるに違いない」と選び出してバランス良く紹介するんだろうけど、それは無難で平均的で偏りが無いハズ。
それに比べ中学少年Aの偏りは、同時代を生きている他のリアル中学生BにもCにもとって「今一番自分の感性にジャストフィットする凄いメディア」になる可能性を秘めている。
つまり情報を欲しがる人と同じ感性の人が作っているメディア。

NISSAN CEFIRO A31 (1988)
Dscn3166『雑誌とネットの共存における二律背反』
雑誌の中では「デジタルが!」「ネットが!」と書かれていて、それぞれのコラムなどのラストにそれに関するアドレスなんかが記入されているんだけど、面白そうなサイトが紹介されていたのでアドレスを入力。なんか久々にアドレスを手動入力したなぁという気分。
実際の事を言えば、この程度の行為でも面倒臭く感じてしまうほどネットは「楽チン」が基本になっている。
例えば、雑誌のサイトにアクセスしてそこから記事ごとのアドレスに飛ぶ方式なんか出来ないかなぁと思いつつ、「でもサイト上で面白いサイトへジャンプするアドレスがあるんじゃ、雑誌買う必要ないじゃん」という、二律背反な事実に直面してしまうのだ。

雑誌がサービスとして行っている物で「?」と思ってしまう物で一番変なのがTVガイド雑誌が行っている「ネット番組表」ってのがある。TVガイド雑誌って、その基本的な部分は番組表じゃないかと思うんだけど。それゆえに雑誌の方は、読み物やアイドル雑誌化(ジャニーズ強し)を強化しているんだとは思うけど。
難しいなぁ。

なにはともあれ、『Digi@SPA!:デジスパ』という雑誌、混沌とするデジタルを取り巻く現状の中で、未来はどーなる?という事で、是非お手にとってみてくださいませ。
たぶん自分がこの手の雑誌を出すとなったら「どうしたらいい?」という部分で頭を抱えてしまうとは思うんですが、その難し現状を頑張ってまとめた混沌具合や、なんか迷走したり、模索している感が、なんか今を切り取っているなぁとは思ったワケですが。(って全然、雑誌レビューになってないや、ゴメンね)

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