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2006年6月 3日 (土)

美味しんぼ:95巻

って、飯喰って能書き垂れてぐだぐだ言っているだけの漫画が95巻っすか。


01495確かに、食ってのはすべての根元になるので物語を作ろうと思えばいくらでも作ることは出来るんだろうけれど、それにしても95巻まで続くような漫画ではない気もするんだけど(と言いつつ全巻所有)
1巻が発行されたのはまだ昭和で、1985(昭和60)年。当時山岡史郎は27歳、栗田ゆう子は新入社員の22歳(つまり4年生大学卒って事ですな)だったので、リアルタイムに時間が過ぎているのなら48歳と43歳なのだ。
他のキャラ、たとえば文化部部長なんて、定年はどうした?状態ではありますが。


01401とりあえず最新刊では、ゆう子さんが次の子を妊娠している事が判明し育児と家事に専念するため退社か?という感じになっている。
さらに究極のメニューはほぼ完成で、その引き継ぎの仕事が出来そうな後輩が育ってきたり、と完結に向けての話がいくつか立ち上がってきている。
この流れからしたら、もしかしたら100巻完結という状態なのかもしれない。


01402連載のあった20年間、世の中は激しく動いた。連載開始時は、グルメなんて言葉は一部の人の物で、料理評論家なんてアホな肩書きの山本益弘なんてオッサンがいたレベルだった。
その後、バブルを経験した日本は変に舌が肥え(たふりした人々)、料理に屁理屈をこねくり回す人々が増殖した。その手の人間の事も漫画の中で批判的に書いたりする事もあるんだけど、この漫画がその手の人を煽ったという面も多大にあると思うんだけどね。


014031巻を今読み返すとかなりトンでもない漫画で、特に海原雄山のキャラがかなり違っている。
フランス料理店で鴨を出された時、海原雄山はシェフが作ったソースを拒否し、持参したワサビ醤油で食べ「鴨肉はそんなソースで食べるのよりこっちのほうが純粋に鴨を味わえるのだ」などと、おいおいだったらそんな店に招待されたからって行くなよ的な展開があったり(ただの営業妨害)、フランスから来た料理評論家が「おぉ何という味なんだ、この味の秘密を教えてくれないか!」と叫ぶ話ではオチが「醤油を使った」という、当時読んでいて「今どきの海外の料理評論家が醤油を知らないってあり得ないだろ?」とかが多かった。(ソイソースはもう有名だったハズだし、ルイ14世の時代にはすでに醤油を使ったフランス料理が存在している)


01404パターンとしては海外の(特にフランス料理批判は多かった)料理より、素材を大切にする和食は素晴らしいというケースが目について、偏っているなぁと思いつつ読んでいた。
途中から、いきなり原作者の雁屋哲がオーストラリアに移住しただとかで「日本の農業はもう終わりだ、これからはオーストラリアだ」みたいな展開になったり、世界の料理を東西新聞関連の雑誌社で連載して行こうという話で「第1回目オーストラリア編」を延々と展開して、結局「第2回」がなく終わったり、流れを見ているとしょうがないんだけど原作者の趣味でかなり内容が左右されている感がある。


13140こんな大長編になるような内容じゃないと思うので、そろそろ潮時だとは思いますが.
しかし最近の漫画はなぜこんなに長編なんだろうかと思ってしまう部分がある。かつて「ついに100巻超え!」と騒ぎになった『ゴルゴ13』と『こちら葛飾区亀有公園前派出所(以下略称.こち亀)』がありますが、『ゴルゴ13』は現在140巻、『こち亀』に至ってはついに前人未踏の150巻を超えました。


0000t01かつて手塚治虫全集が発行されはじめた当初「個人の漫画家で300巻も出す事が出来る人はまれである」みたいな事をかかれていたんですが、『こち亀』は単独作品で150巻ですから、それはとにかく凄い事なのだ。(1976年連載開始、今年30周年)

それ以外にもいくつも100巻超え漫画があるみたいで、かつては「大長編」と言われた50巻超え漫画に至っては普通にゴロゴロ存在している。
これは結局、読者が漫画を卒業しなくなったってのが大きいのかも知れない。


0000k150『ゴルゴ13』なんかはもともと大人向けで、物語もある意味毎回読み切りで、主人公ゴルゴ13は毎回出ているけれど社会情勢が変わればいくらでも物語は作れるので長編でも短編でも問題ない。
それに比べて少年漫画というのは読者の年齢というものがかつては絞られていた。

1970年代には「最近は大学生にもなって漫画を読んでいる人が増えている」などと大人には言われ、さらに1980年頃には「サラリーマンがスーツ姿で通勤時に電車の中で漫画を読んでいる」という事が新聞の社説などで取り上げられてもいた。
今ではそれも別段、何かを言うようなレベルでは無くなってしまったみたいで、恥ずかしい事でもなくなっている。


0000asもっとも長すぎると新規の読者を開拓しにくくなる為なのか、途中で「新」とか「◎◎編」と名付けて、単行本の仕切直しをするケースもある。
少年マガジンで連載している『コータローまかりとおる!』という漫画は単行本で59巻まで出した処で話に一区切りつけ、仕切直しで『新・コータローまかりとおる柔道部編!』で単行本27巻を刊行し、さらに『コータローまかりとおる!L』で現在8巻まで出ている(作者体調不良で休載中らしい)つまりこれなんかも単行本で言えば94巻。

(話はちょい脇道へ)この作品はほとんど読んだ事ないんですが、かつて本屋で高校生の会話を聞いて愕然とした事がある。
「これ俺好きだったんよ、まだやってんだ」「俺も読んでた」「でさ、まかりとおるってどういう意味?」「まかりが通んじゃね?」「ギャハハ受ける」といいながら去っていった。
好きで読んでいた漫画のタイトルが意味解らなくても、もう記号的な物で、意味なんて関係ないんですな。英語のタイトルなんかもそんな感じなんだろうなぁ。


000dokaあと長編といえば「ドカベン」も。高校野球を描いていた時は48巻もあって「ずいぶん長い漫画だよなぁ」と思っていたんですが、そこから10年以上経過して書き始められたた「プロ野球編」が52巻。つまり両編を合わせてちょうど100巻。そして現在は新しい架空チームを加えての「スーパースターズ編」が12巻まででていて、あれもすでに通巻112巻となっている。

確かに好きな漫画は永遠に読み続けていたいとは思うんだけど、そこまで長編だとなかりツライ感がある。個人的には長くても10巻前後で、物語の全体像を見渡せる程度の長さがベストだとは思うんですけどね。
ちなみに大人になっても漫画を辞められない種類の人間に、国会議員もいる。


2006012902安倍晋三は選挙で初当選した新人議員時代、議員会館へ登庁する際、かばんと一緒に途中で買った「少年ジャンプ」を小脇に抱えていたため、かつて家庭教師をしていた平沢勝栄に「政治家としての自覚を持て」と怒鳴られた事がある。

ぼんぼん育ちの麻生太郎は、アメリカ留学していた大学生時代は「マガジン」「サンデー」を、父親の秘書に頼んで船便で毎週送ってもらっていた。

麻生太郎は現在でも月曜日は「ジャンプ」「スピリッツ」水曜日は「マガジン」「サンデー」木曜日は「ヤンジャン」「モーニング」「チャンピオン」を欠かさずに愛読しているらしい。その漫画を購入するのは運転手の仕事の1つで、移動の車の中に常備してあるとの事。

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