« あのねのね「もうゲームはしないよ」 | トップページ | 5月29日の出来事(知泉) »

2006年5月29日 (月)

ザ・ヒットパレード〜芸能界を変えた男・渡辺晋物語

5月26日27日と2日連続で放送された渡辺プロダクションの創始者・渡辺晋のドラマ。


渡辺晋&オールスターズ(1960.12.28週刊平凡)
0000005この手の、戦後の復興期からだいたい1980年頃までのダイナミックに時代が展開していく物語は今までも数多くドラマ化されたり、小説になっている。
映画「三丁目の夕日」なんかもまさにその時代を切り取った物だけど、貧しいけれど幸せだった時代という事で、懐かしい近過去という感じなのかも知れない。
自分なんかは、その上昇している時代は体現していないので、ある意味うらやましいと思って文献などを読んで追体験をしている。
自分が物心付いた時はすでに、高度経済成長期のツケが廻ってきていた時代なので、その前の時代は幸せだったのかも知れない。

クレイジーキャッツHONDARA盤(2005.1.26)
0000001_1もっとも今回のドラマではまったく書かれて居なかったけれど、60年代の安保紛争などの重い空気があったんだろうけれど、自分的にはそれも含めて「出遅れた世代」的な気分で憧れて見ていたりする。
もっとも、自分的には「あんまり幸せな時代ではない」と思っていた1980年代も「何も残らなかった」と思っていた1990年代も、後の世代から見れば「あの時代がうらやましい」って感じなのかも知れない。

ここ数年の80年代リバイバルみたいな流れの中「あの何もかもが輝いていた80年代」みたいなキャッチが書かれているのを見て、常に時代というのは過ぎ去ると輝いてくるのだなぁと思ったりもするのだ。
「ザ・ヒットパレード」出演者&役名の一覧
↑一部、どの役を演じたのは不明な部分がありますので、ご存じの方は追加記入お願いします。

クレイジーキャッツHARAHORO盤(2005.1.26)
0000002_2渡辺晋という人物に関してはほとんど知らないので、柳葉敏郎の演技が似ているのか似ていないのかは不明ですが、それ以外の原田泰造演じる椙山浩一(すぎやまこういち)とか、近藤芳正が演じる宮川泰とか「あぁ雰囲気出している」って感じで楽しめた。
もっとも石黒賢青島幸男はちょっと「石黒、無理して軽くしてるなぁ」という感じでしたが。

ザ・ピーナッツ(今回は安倍なつみ・安倍麻美姉妹が演じた)
0000004クレージーキャッツに関しては植木等ハナ肇以外のメンバーはお笑い芸人の「18KIN(大滝)」とか「我が家」とか「パラシュート部隊(斉藤)」が演じていて、かなりいい感じだった。
植木等を陣内孝則が演じると聞いた時は「全然似てないじゃん」と思ったんだけど、ドラマの中で何度も植木そのまんまっぽい感じがあったり、声なんかかなり似ていた。なんでも植木等を演じる為に90キロ近くあった体重を72キロほどまで落としたらしい。
個人的にはふかわりょうが演じた中村八大が似てなさ加減でツボでした。学生バンドの時代なのに、髪の毛を七三にまとめたふかわがやたらとオッサン臭くて。

キャンディーズ(雑誌GORO1976.7.22)ミキちゃん逆さまですが
0000007あと、キャンディーズに関しては解散宣言をした部分だけがドラマに登場したけれど、あの時点でキャンディーズの年齢は21歳ぐらいだったので、やけに幼い感じの子達が演じているってのも違和感あった。なんかキャンディーズではなくその妹分グループ「トライアングル」って感じだった。

ただ残念なのは渡辺プロとしてはクレージーキャッツがあんだけ出ているのだから、ドリフターズも...と思ってしまった。自分の世代ではクレージーよりドリフなんで。
でも、今回のドラマは「フジテレビのザ・ヒットパレード」ってのがキーワードなので、ドリフ=TBSの全員集合ってことで、話に加え難かったのかも知れない。
物語的にはやはり前半の時代がダイナミックに変わっていくところが面白く、後半はだいたいこんな物でしょって感じでした。

スマイリー小原
0000006ふとラストに疑問が残ったのが、渡辺晋社長が退院して来た時のシーンでスマイリー小原がいたんだけど、スマイリーって社長より4年か5年ほど早く亡くなっていたんじゃないかという部分。スマイリー小原を演じていた踊る宇梶剛士も可愛かったけれど。
近過去の歴史を演じるドラマは物語的部分以外に、誰もが知っている実在の人物にどれだけ似せることが出来るかというのが、見る楽しみなのだ。

ただ、ドラマの中では芸能プロダクションおよびショービズ界を経済関係者に一大産業だと認めて欲しいという事で渡辺晋が必死になり、それで苦悩する姿が描かれていたけれど、実際にはそこで培った経済界とのパイプが業界内で脅威となり、雑誌でもテレビでも「渡辺プロの事を悪くは書けない」という風潮を生み出した事。
あと別の事務所、70年代に大きく成長したホリプロ、ジャニーズ事務所などとの色々な話など、いわゆる暗部については(当たり前だけど)触れる事はなかったというのが、しょうがない事ですが「ドラマだなぁ」という感じでした。

|

« あのねのね「もうゲームはしないよ」 | トップページ | 5月29日の出来事(知泉) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。