丸かぶり寿司(恵方巻)でやんす
今年もセブンイレブンを初めとして各コンビニで「恵方巻」とか「丸かぶり寿司」とかの広告が出ている。
いわゆる「節分には家族揃って、その年の恵方を向いて巻き寿司を食べる。それも一気に、その間一言も喋らずに」みたいな奴。この数年で一気に全国的に広がった物。(ちなみに今年の恵方は南南東)
なんか節分と絡んでいるので日本古来の伝統みたいに語られているけど、ただの商売でしかないし、それにセブンイレブンが乗っかって一気に全国区になったってだけの、捏造伝統行事なのだ。

もっとも古い起源としては、江戸時代後期に大阪船場あたりが発祥という物があるけれど、実際に「これが伝統!」として行われ始めたのが1977年。
1977年、大阪海苔問屋協同組合が「海苔販売促進」を目的に道頓堀で行ったイベントが一般的に知られるようになったキッカケ。実は前年、異常に海苔が採れてしまいダブついた在庫を消費するためってのが発祥の理由らしいっす。それがそこそこ話題になったので毎年やるようになっただけの、つまり現時点でも29年目のイベント。

江戸時代が発祥となっているけれど「無言で丸々1本巻き寿司を食べる」とか「その年の恵方を向いて」なんて言うのは、その1977年のイベントで考案された物で、江戸時代の大坂の極一部で「節分には巻き寿司を食べる」程度の物だったという。
自分がそんな風習があると聞いたのは1995年頃、いわゆるパソコン通信なんて物で全国の人の書いた文章を読むようになってから。当時「節分って豆まくだけじゃないのか!」と驚いた記憶がある。(と言いつつ、その後はしばらく忘れていた)
過去に発行したメルマガ知泉を再チェックした所、6年前、2000年発行分で各地の節分の話題があって読者からメールで教えて貰うコーナーがあったのですが、この話題は出てきませんでした。関西でも一般的になったのはこの数年って感じではないかと。

2000年頃から節分時期のTVニュースで「関西地区では…」と見かけるようになり、この2・3年、セブンイレブンが全国規模で「節分には太巻き寿司を…」と販売を開始した事により広まった物。
もっともセブンイレブンは全国展開と言っても(平成16年12月のデータですが)青森・秋田・富山・石川・福井・岐阜・三重・鳥取・島根・香川・徳島・高知・愛媛・鹿児島・沖縄には店舗がなく、全国制覇とは至っていなかったのだけど、その後ほかのコンビニも追随するようになり「節分には恵方巻き」というイベントが広まったワケです。
自分の周囲では、このイベントをやったという人は皆無。それどころか、今の段階でも「何それ?」と存在自体知らない人もいた。
これって認知された伝統行事なんでしょうかね?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
関西でも一般的になったのはこの数年って感じではないかと。
↑
20年以上前から丸かぶりしている関西人の私です。
投稿: きちー | 2006年1月19日 (木) 22時07分
祖母や母の証言によれば、1977年ってことは無いですね。
大阪でも下町の風習で、そこまで全土に広まっていなかったというのはあるかもしれないけれど、戦前でもあったと聞きました
投稿: | 2011年2月 4日 (金) 07時43分
>江戸時代後期に大阪船場あたりが発祥
って書いてあるからいいんじゃないの?
投稿: | 2011年2月 4日 (金) 08時13分